第5話 視野を広げる ―自分が着ない服もつくる―
プロローグ by秋元
「僕個人が着たいと思うものは、黒くてシンプルなもので、それは一定の需要があるオーセンティックなもので、特別なものじゃない。だけど、探すと意外と無かったりする。メタリカのTシャツとか、あえてハズした80sテイストで着るならいいけど、そうじゃない場合、シンプルなものってなかなか無いんですよ。一方で、単純にシンプルなものを作っても駄目で、その作品やジャンルの中に、それ＝シンプルなものを求めてる人がどれくらいいるか？みたいなことが超重要で、コレに関しては日々、模索を続けています。」
ストリート系からシックなデザインへ
これまで、自分自身が着たいと思っていた洋服を作ってきましたが、これが間接的に機会損失につながるのでは、と考えるようになり、ストリート系からシックなデザインへアプローチを変えてみようと新たな商品開発を始めました。
まず考えたのは、ブロードシャツ(Yシャツ)。ブロードシャツは他の、アニメコラボアイテムを取り扱う企業ではあまり見かけません。キャラクターのイラストが刺繍・プリントしてあって、アニメの世界観をどっぷり表現したものなら想像しやすいのではないでしょうか。CHORDが目指す、シンプルで普段使いもできて、だけど作品の温度をほんのりと感じられるものは他社ではほぼないともいえるでしょう。
シンプルだからこそ、着こなしの幅は広がります。制服のない大学生や社会人だけでなく、制服で学校に通う高校生の日常使い(学校に着ていける)、“私服だけど制服ぽい”を楽しみたい高校生に向けて提案していきました。シャツやカーディガンは自分が着たいものではないし、着ることはないけれど、その中でどこまで自分の「好き」を押しつけられるか・・ここはぶれないようなデザインを考えていきました。
◆初音ミク カジュアルシャツ ¥9,900
ブロードシャツの中で極めた自分の「好き」は、やはりシンプルなデザインです。襟元や胸元の刺繍以外の要素を省き、ビッグシルエットでシンプルなフォルムを楽しめます。羽織るだけでも、スカートやパンツと合わせて、通常のシャツスタイルにしてもよし。2回目ですが、“シンプルだからこそコーディネートの幅は広がり”ます。
ブロードシャツの他にもカーディガン(KURT)もあります。NIRVANAのボーカル、”カート・コバーン”が着ていそうという、ところに着想を得て製作しています。こちらも、普段使いもできるし、制服にも合わせられるアイテムです。ニットではなくスウェット生地で造られているので、気兼ねなく洗濯できます。
初音ミクデザインにも展開しており、エメラルドグリーンでの縁取りと袖口に「01」の刺繍をしています。
◆echoオリジナル スウェットカーディガン「KURT」 ¥8,800
◆初音ミク スウェットカーディガン ¥11,000
◆オリジナルボディ・シンプルデザインの派生ラインナップ
1.トラックジャケット(ジャージ)
MA-1のボディを展開。ざっくり言うと、中綿を抜いて生地をジャージ素材に変えたものです。ブラックの生地には光沢感があり、柔らかい肌さわりのものを使用しています。シルエットはそのままMA-1。オリジナルシルエットがかなり気に入っているので、初夏・初秋に着られるくらいの厚さのジャケットを作りました。
◆初音ミク トラックジャケット ¥12,100
初音ミクデザインは、左の胸元に「Hatsune Miku」、左の袖には「01」の刺繍が、初音ミクをイメージしたエメラルドグリーンで施されています。
◆新テニスの王子様 トラックジャケット ¥12,100
新テニスの王子様デザインは、胸元に学校の名前を、各学校名はイメージカラーで刺繍されています。
これは自分自身も好んで着用していますが、先述のように、制服で学校に通う高校生の日常使い(学校に着ていける)、“私服だけど制服ぽい”を楽しみたい高校生に向けての訴求を意識しています。部活等で着られる機会があるのではないでしょうか。勿論、シンプルなシルエット・デザインなので、日常使いもおすすめです。
2.もこもこパーカー
◆初音ミク ボアジップパーカー ¥13,200
先ほどご紹介したカーディガンのエメラルドグリーンの縁取り・「01」刺繍のデザインをもとに、作成したボアジップパーカー。キャラクターグッズと称されるものに、もこもこ素材のものはないということで、逆張りして、作成してみました。他社に優位性があるアイテムだと自負しています・・！
「もしこれをアパレルメーカーが作るとしたらもっとキャラクターを盛り込むのではないか」と思います。キャラクターを前面に押し出したデザインはよくみかけますよね。おそらく、それになるのではと思います。
ということで、その逆張りを。当社ではシンプルなデザインを提案しています。トラックジャケットと同様、最小限の要素(初音ミクのイメージカラーのエメラルドグリーンの縁取り)でその作品を表現しています。
こちらのパーカーは部屋着としてではなく、ワードローブとして提案しています。袖口をギュッと絞って、寒さ対策を。都心の真冬の防寒アイテムとして十分活躍してくれそうです。モデルさんは女性ですが、こちらもビッグシルエットで作っており、男女兼用サイズです。現在販売中です。
◆初音ミク ボアオープンフィンガーグローブ ¥4,400
同素材・デザインで手袋も展開しています。指の部分が出ているのでスマートフォンの操作やカメラの操作、冬場に冷えがちなオフィスで着用しながらPC操作、アルコール除菌も楽々…など幅広いシーンで大活躍のアイテムです。
オリジナルボディにこだわる、ということは。
洋服でこだわるポイントは「素材」「機能」「デザイン」「価格」・・など人によってそれぞれあると思いますが、当社ではデザイン、その中でも特にシルエットにこだわっています。echoだけで全身のコーディネートが成り立たせることができる、とうことが大きな目標・計画としてあります。これは一般的なアパレルメーカーでは当たり前のことではあると思うのですが、アニメ作品コラボアイテムを展開するアパレルとしてはあまり例を見ない。そこへ勝機を見出し、オリジナルボディを作成して、他にはないシルエットを提案していきたいと考えています。そして、オリジナルボディでアイテムを作りながら、どこまでお客様の「好き」にささることができるか・・ぶれずに追求していきたいポイントです。
秋元
株式会社CHORD 代表取締役
http://chord-web.jp/
https://echoecho.thebase.in/
なかむら
秋元氏から話を伺い、noteを書く人。
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