見出し画像

社会実装に必要なリバネス的「製造の教養」

はじめまして。株式会社リバネス ものづくり研究センターの長です。

近年、大学の研究成果をもとに培った技術を社会に活かしていこうという動きがより盛んになっており、「ディープテック」という言葉も市民権を得てきました。

ディープテックとは
社会に根ざした深い課題(ディープイシュー)を解決するための科学技術の集合体のこと。一つの企業が持つ単体の技術を指すのではなく、複数社の技術を適切に組み合わせていくところに特徴がある。
ーディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」丸 幸弘,尾原和啓 (著) 日経BP,2019.


リバネスでは、2013年からTECH PLANTERという取り組みを開始し、日本や世界中研究者の社会実装を支援してきました。
その中で、ディープイシューの解決を志す数多くのスタートアップが生まれ、我々も伴走してきました。

私が伴走支援で強く実感するのは「研究や技術を社会に実装し、新しいことを成すことは素晴らしくやりがいがある一方で、その実行はとても大変だ」ということです。

例えば、研究開発型ベンチャー企業は、研究開発だけでなく、法務や財務や会社運営など多くを並行して成し遂げながら、技術のブラッシュアップする必要があるのです。

画像1

実際にはこれらを一人の力で全てを完璧にする必要はありません。チームを作って臨めば、さまざまなプロフェッショナルが助けてくれるエコシステムも生まれつつあるからです。

プロフェッショナルの例として、弁護士・司法書士・税理士など各種士業や町工場など製造の知見を持つ会社があります。しかし、「製造」に関する領域は、「どのように進めていくのか」、「プロフェッショナルをどう活用するのか」の情報があまり存在しないのが実情です。製造に関しての知識を少しブレイクダウンすると「企画」や「設計」、「部材の調達」、「加工」、「アセンブリ」、「ソフトウェア開発」などが含まれます。いずれも学び始めると広範で大変奥深いものです。

そのため、製造の経験のないベンチャーにとっては暗中模索となりがちです。以下の様な声もよく聞きます。

・全体感がわからず、製造の何から手をつければいいか分からない
・どの様なプロフェッショナルが存在するのか分からない
・プロフェッショナルに出会う機会が作れない
・プロフェッショナルの手が借りられるところと、そうでないところの差が 分からない。

ただし、実際にやってみると、「製造」にはコツやノウハウ、加えて粘り強さなど必要ではありますが、「プロフェッショナルとの協業」の部分は選ばれし人しかできないといった高度なものではもありません。
そこで、このnoteでは研究開発型ベンチャーが’製造’に取り組めるような情報を提供していきます。


製造に関する情報といっても、製造のプロフェッショナルになるための知識を身につけるわけではありません。さまざまなパートナーとともに、技術の社会実装を進めていく際の「製造の教養」を紹介できればと思っています。

(リバネス:長)

この記事が参加している募集

業界あるある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?