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牛乳の知られざる真実

今回は本来考えられている乳製品の良し悪しについてお話ししていきます。

エビデンス等々については、ある特定の成分のみを摂取して実験するというのは非常に難しいため、これは体に悪くて、これは良い。というようにはっきり言えないのも、栄養学の分野です。

ですので当然、良いと言われる結果もあれば、悪いと言われる結果もあります。

それらを総合的に見ての考察を書いていきます。




含まれる栄養素

【糖質】

二糖類である乳糖(ラクトース)です。

ラクトースを分解するために必要な酵素というものがあります。

それはラクターゼというものです。

人間の体には、吸収した栄養素に対して必ずそれを消化する酵素というものが存在します。その酵素のおかげで我々は栄養を摂りいれることができます。

実は、このラクターゼという酵素は、日本人の成人7割くらいは作り出すことができません。

”牛乳をたくさん飲むとお腹を壊した”

という経験はありませんか。

そのお腹を壊す理由の一つとして、ラクターゼがないため消化不良を起こし、お腹を壊す。ということが起こります。

これを乳糖不耐症といいます。

しかし、これには面白い研究結果もあります。

それは後ほどお話しします。



【脂質】

飽和脂肪酸です。動物性の脂肪です。

一般的には発がん性や神経性欠陥、動脈硬化や肥満などにつながる脂質と言われています。

しかし実際のラットの研究では、飽和脂肪酸をまったく摂取しない方がかえって体に悪いことがわかっています。
つまり、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸をバランスよく摂取することが一番重要だと言えます。

また、リン脂質やコレステロールなども同様で、一般的には悪者扱いされますがこれらは細胞を作る上で必須になるので全く摂取しないというのは逆に不健康だと言えます。

ただ世界的に見ても、オメガ3、6、9の不飽和脂肪酸よりも飽和脂肪酸の方が多く摂り過ぎてしまっていて心臓病や動脈硬化になるという方が多いので、飽和脂肪酸が多く含まれているのものを選んで食べる必要は全くありません。



【タンパク質】

カゼインです。

多くの研究で、様々なアレルギーやリーキーガットといったような炎症反応を起こすと言われています。

自閉症や統合失調症、側頭葉に問題のある言語障害の方などは尿中から多くのペプチドが排出されることがわかっています。

これは、カゼインが原因でリーキーガット(下写真参照)を起こし、本来排出すべきもの(毒素や化学物質など)が吸収されてしまいます。

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タンパク質でいうと、消化される前の高分子の状態で吸収されてしまいます。


リーキーガットを起こす原因としては、なかなか消化できないカゼインがそのまま小腸に入ってきて、そこで炎症を起こします。


そもそもカゼインは脳や腸に関してあまりよくない作用を持っているため、健康的観点でいうと悪いイメージがあって当然です。



【ビタミン】

本来は多く含まれていますが、加熱処理によってほとんど焼失されています。

高い牛乳であれば、低温殺菌してビタミンを失わないようにしています。

また低温殺菌することで、炎症作用を抑えてくれるという話もあります。

ですので、安く売られている牛乳に関してはそれなりの内容物だと言えます。



【ミネラル】

カルシウムが非常に豊富です。

全食品の中で、牛乳ほどカルシウムを含んでいて、吸収も早い食品はありません。

しかし、人間には恒常性(ホメオスタシス)というものがあります。

例えば、血糖値が上がればインスリンがでて、反対に下がればグルカゴンが出て、血糖値を一定に保ってくれる働きをします。

これはカルシウムにおいても同じことが言えます。

高濃度でダントツ量のカルシウムをバーーーっと摂取すると、当然カルシウムを捨てることで体内のカルシウム濃度を下げようとします。

この時、摂取したカルシウムがそのまま捨てられればいいものの、実は骨の中のカルシウムから捨てられます。

これを脱灰といいます。

それを裏付けるデータとして、乳製品をダントツで摂取している4カ国については、骨粗しょう症の割合が非常に高いことがわかっています。

このことから、乳製品を多くとれば骨が元気に強くなるということは断定できないのではないでしょうか。



乳糖不耐症の真実

先ほど、日本人の成人7割は乳糖不耐症だとお話ししました。

欧米の昔から乳製品を多く摂取してきた人たちは、日本人に比べて圧倒的にラクターゼの数が多いことがわかっています。

一般的に、あまり乳製品を食べる文化が少ないアジア人はラクターゼの数が少ないと言われていますが、実はモンゴルやマサイ族などは乳製品をほぼ主食として食べています。

では、それらの方は日本人と違ってラクターゼの数が多いのか?というと実は日本人とあまり変わらなかったようです。

ここが面白いところです。

かといって彼らはお腹を壊すわけではありません。

それでは、日本人との違いは何か?というと、高温で加熱処理をしているか否かだということです。

日本で売られている牛乳のほとんどは加熱処理をされています。加熱処理をすることでビタミンが消失する以外にも、カゼインの糖化が起こります。

糖化というのは、パンをたとえにすると、普通食パンというものはふわふわな弾力があるようなものですが、焼くとほどよく茶色くなり、カリカリになりますよね。

これが糖化です。

これは人間にも同じことが言えます。酸化や糖化が繰り返されると人間は老けます。


本来順序よくゆっくり消化されていくはずのカゼインが、糖化することにより順序をすっ飛ばして、即吸収されます。つまり胃腸に大きな負担をかけます。

これが、乳糖不耐症以外にお腹を壊す原因として考えられています。

ですので、加熱処理がされていない牛乳を摂取することが好ましいと言えます。(お高いですが笑)





IGF-1の問題

IGF-1とは簡単にいうと成長ホルモンのようなものです。

日本では牛に成長ホルモンを打つのは禁止されています。

理由としては、ホルモン注射した牛は女性ホルモンが過剰に分泌され、その牛の乳を飲むことで、女性でいうと初潮が早くなったり、乳がんや大腸ガンのリスクが高くなったり、男性でいうと女性化が起こったりというような様々な問題が起こります。

しかし、日本の牛乳はほとんど妊娠している牛から搾乳されます。

大体の牛は出産後2ヶ月ほどですぐ妊娠させられ、搾乳され続けます。

妊娠中というのは、人間と同様でエストロゲンの分泌量が高いことがわかっています。

つまりIGF-1を打たないといえど、必然的に女性ホルモンが多い状態のうしで搾乳するため、初潮が早くなったり、乳がんのリスクが上がる可能性もあります。





こんな人は牛乳やめよう!

・花粉症の人
・免疫力が弱い人

ヨーグルトで腸内環境を整えようとしても、全くとは言いませんがあんまり意味がありません。

そもそも腸内にいる腸内細菌に対して乳酸菌の数はたかがしれてます。

また、仮に数で補えたとしてもヨーグルトに含まれる動物性の乳酸菌は胃酸によってほぼ全滅します。

死んだ乳酸菌は善玉菌のエサになるというメリットッモありますが、それが=腸内環境を整える。とはちょっと微妙なところではあります。

ですので、便秘の方がヨーグルトを食べて便秘を治す!というようにヨーグルトに頼るのではなく、根本的にどういう食事をすれば良いのか、そこから考え直す必要があります。(ここはまた今度お話しします)


肉や乳製品をほぼ毎日頻繁に食べている方の腸内環境は目で直接観ても炎症を起こしているのがわかるくらい非常に悪いと言われています。

そういう面でも乳製品を積極的に摂取するのは控えた方が良いかと思います。
















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