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こちら、パフェと文庫本のセットです。

パフェを食べに行ってきた。

いや、正確には、予約の歯医者さんへ行って、
その近くにいつも利用するところとは別の図書館があったので、寄り道して1時間ほど滞在し、
するとお腹が空いたので、さらに寄り道して喫茶店でパフェを食べてきた、というわけである。

しかし、こう書くとパフェがまるで添え物のようにきこえるが、それは違う。
確かに、家を出た時は歯医者さんに行くことだけが私の用事だったが、もし今日の日記を書くとすれば、その主役は間違いなくパフェなのである。

実際、今こうしてnoteを開いているのは、今日食べたパフェについて書こうと思ったからだ。

なぜか。
それは私が大のパフェ好きであり、今日食べた喫茶店のパフェは、そんな私の予想と期待を裏切らないパフェだったからである。

どのくらい好きなのかといえば、ケーキとパフェどっちを取るかと言われたら、迷わずパフェを選ぶし、疲れたバイト終わりに夜ごはんと称して食べたこともあるほどである。
「大好物はカロリーゼロ。」とは私の言葉だ。

 ◯

今日入った喫茶店は、地元の昔ながらのお店。
しかしながら、私は初めてその敷居を跨いだ。
パフェがあることは知っていたので、図書館でお腹が鳴ってそれを思い出したと同時に、食べると決めて向かった。

お店の中に一歩入ると、「これこれ。」と思う食器のカチャカチャという軽やかな音と、照明から木の床まで温もりに満ちた雰囲気に包まれた。
それだけでも十分心が和むのだが、最も嬉しかったのは、店員さんがすぐに声をかけてくれたこと。

一人でお店に入るのは慣れっこだが、それでも初めてのお店や久しぶりに行く時というのは緊張するものだ。だから私がいつも気にするのが、一歩踏み入れた時の店員さんの反応のスピードや空気感である。

混雑状況によっては仕方がないが、やはりすぐに気がついてくれて、気持ちの良い笑顔を向けられると、ホッと心がほぐれる。
「よし、ここに来て正解。」と思える。
今日の喫茶店は、まさにそう思わせてくれるお店であった。

メニューを開くとパフェは何種類かあり、迷う…かと思ったが、「季節限定」の文字を見つけて即決。
今しか食べられないということは、今食べるしかないということだ。
旬の紅い宝石を冠した苺パフェと、(歯医者に行ったばかりだ…と思ったが)コーヒーを頼んだ。


パフェがくるまでは時間がかかる。
特にフルーツパフェは、一つ一つ手作業で、崩れないように盛りつけていくのだから尚更だ。
私はいつも、一人の時は本を読んで待つことにしている。この楽しみに待つ時間も幸せだ。

今日はパフェを食べると決めて出てきたわけではなかったが、カバンの中にはたいてい本が入っているので大丈夫。
これまたパフェが楽しみになるようなおいしいものについてのエッセイを読みつつ、ゆったりと時の流れを楽しむ。

すると、ふと浮かんだ情景があった。
ーーウェイトレスが「お待たせしました。パフェと文庫本のセットです。」と言って、テーブルにパフェとお店セレクトの文庫本が置かれる。
むむ、こんなセットメニューがあったらなんとも素敵だ…!お客さんに合わせて、本を一冊一緒にお出しする。そんな喫茶店、オープンしてみたいかも。
な〜んて、もしかしたらそんなお店、もうあるかも、とも思った。

 ◯

さて、パフェが到着。

…!

大きめに絞られた生クリームと、自らの存在をより大きく魅せるような輝きを放つ宝石のような苺たち。よく見ると、かき氷にかけるようなピンク色のシロップもかけられている。


これぞ、至福の景色……。


ちなみに、大のパフェ好きの私からすると、パフェは純粋なものほど良い。純粋なとはどういうことかというと、フルーツ、クリーム、アイス、スポンジ。「超塾」🍞のCMじゃないが、"余計なものは入れない" のが一番。
ロールチョコレートクッキーやウエハースの入っていない、シンプルかつ贅沢なものほど、私の好みのパフェだ。

しかし意外と、お菓子入りや、スポンジの代わりにコーンフレークが入っているものも多い。
コーンフレーク入りは食感がアクセントになるので好きではあるが、やはり最も理想的な純粋なパフェには勝てない。

と、少し語ってしまったが、
今回運ばれてきたパフェは、私が一番食べたい、純粋なパフェだったので大喜び。

コーヒーとお水をひと口ずつ飲んで口の中を整えてから、いざ、行かん…!


……味は、言わずもがな最高だった。
進む手は止まらず、それでも精一杯味わいながら、食べて食べて、食べてゆく。
苺とアイスとクリームを絡めとって、パクり。
おいしい、おいしい、おいしい…!

そして、鮮やかな苺畑のその下に、何があったか。

……もちろんその下にも、期待を裏切らない、ただただ幸せなばかりのパフェ世界が広がっていた!

甘さと酸っぱさの両方がギュンと迫ってくる濃厚な苺シャーベットに、ケーキスポンジ、バニラアイス。そして、一番下で混ざり合った真紅のストロベリーソースとピンクの苺シロップ。

これぞ、楽園。
幸せいっぱいお腹いっぱい、最後の最後まで苺を感じられて、大満足。🍓🍨
あ〜おいしかった!

 ◯

気がつくと、店内は私ともう一人の女性客がいるだけで、さっきまでお喋りしていた何組かのお客さんたちはいなくなっていた。

あれっ、もしかして、閉店かな…?
お店を検索して調べてみると、あと五分、18時で閉店だった。
(あれっ、こんな時間?!夜ごはんの前に満腹になってしまった…と思ったが、幸せなのでとりあえずまあ良し。)

閉店五分前までほくほくとパフェを頬張っていた私を、店員さんはそっとして置いてくれた。
そのことにまた、心がホッとあたたまった。

絶対また行こう。
心の底からそう思った喫茶店であった。
他のパフェや、また違う季節のパフェ、それからモーニングも、食べに行きたい!


今日は幸せだったなぁ。
やっぱり大好きなもの、おいしいものって、最高だ。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました
(^.^)🌷

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