読書メモ 戸田山和久著『科学哲学の冒険』第三章 ヒュームの呪い
帰納法は心理保存性を持たないが、科学には大々的に用いられている。帰納法で帰納法を擁護しようとしても循環論法にしかならない。自然界には常に一定の法則が働いているとする「自然の斉一性の原理」を基礎的な前提といて置く考え方もあるが、これによって帰納法を正当化することもできない。ヒュームは帰納には全く合理的根拠がないとする帰納への懐疑論を唱えた。この問題には現在でも結論が出ていない(第9章で細述)。
カール・ポパー(彼自身も論理実証主義者)は科学に帰納法が含まれないと考えることで解