山田 直行

ただのギークです

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最近の記事

追悼 戸田さん

私の人生の一時期の恩人との思い出話。 2009年の7月、私は前の会社での事業が立ち行かなくなって休眠会社状態になり、一人でフリーランスとしてウェブメディアの運営をしていたところを、福島さんから声をかけてもらって、創業間もないイストピカに誘ってもらった。福島さんは大阪在住だったが、渋谷で面接があるということだった。東京オフィスをたちあげようとしているという話で、渋谷の桜丘の雑居ビルにあった自習室兼貸オフィスのような場所に案内された。そこに一人で働いていたのが、戸田さんだった。

    • ChatGPT4などのAIの進化に伴う自分自身の向き合い方の気持ちを書き残す

      ここ最近のAIの進化について、いよいよ自分自身の仕事の大部分を代替するくらいまで能力が高まってきたと感じるので、現時点での考えを残しておきたい。 進化がものすごい速さで進んでいるので、数ヶ月後とか数年後に振り返ったときになんて浅はかな考えだったのだろうとか、だいぶ本筋を外していたなとか思うかもしれない。そういうのを後日振り返りたい意味を込めて書いている。 自分自身が体で本質的に理解していることが大事になるのではないか検索エンジンが出てきたときも、検索すればいいので何かを覚え

      • すぐに理解できないことに時間で対峙する

        息子がやっているドリルを一緒にみて教えていて考えたことのメモ。 あることを学ぶときに、1回では理解できないときがある。説明を読んだり聞いたりしても理解できない。言ってることはなんとなく分からなくもないが、自分では思いつかないし、わかったようで納得してないという状態。 私は、日々情報収集や学習をしていてこのようなことが多い。パット見で理解できないのはもちろん、けっこう熟読・熟考しても分からない。 これまでの経験で覚えている範囲で挙げると「SQL」「git」「Amazon E

        • AtCoderで入茶

          茶色ぐらいでと思ったけど、次のステップに進むためのマイルストーンには違いないので書いておきます。 AtCoderのプロフィールはこちら。 今年2022年になってAtCoder始めて、現時点でコンテスト参加11回。言語はいまのところPython3です。C++かRustにしたいと思って別途勉強中。 職業はウェブ系のソフトウェアエンジニアで、バックエンドサーバーを書いたり、CI/CD含むクラウドインフラを作ったり、IoTネットワーク構築したりといったことが主な業務範囲です。 本

        追悼 戸田さん

          本業が会社員のソフトウェアエンジニアが副業を個人事業主でやる一事例

          副業の実践編です。 あくまで私はこういう感じという事例の共有です。一般化してこうやるべきというものではないです。あくまで自己流なのでもっといいやり方があればフィードバックもらえるとありがたいです。 本業の勤務先に許可を得る副業先で雇ってもらえることがほぼ決まった時点で(契約はまだ)まず所属部署の担当人事に相談をして、ざっくり了承をもらいました。後から思えばこれは必要な根回しだった気がします。 当時は副業をするには許可制であり稟議が必要だったので、副業先や理由を書いて稟議

          有料
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          本業が会社員のソフトウェアエンジニアが副業を個人事業主…

          2年間ソフトウェアエンジニアとして複業(副業)してみて感じた壁

          2年前に下記のnoteを書きました。 その後2年間続けてこれています。1つの事例として体験や思っていることを共有します。まず今回の記事は「感想編」として複業まわりで日頃考えていることを中心に書きます。数日後に「実践編」を公開予定です。 まず結論っぽくまとめます。私は感じている壁は以下2点です。 * 時間と場所のやりくりが難しい * 「本業の収入だけでは足りない」という心配駆動になってないか 仕事は、本業も副業もバックエンドエンジニア私の仕事についてざっくり説明します

          2年間ソフトウェアエンジニアとして複業(副業)してみて感じた壁

          CyberAgent AdTech Studio Deep Dive

          CyberAgent Developers #2 Advent Calendar 2018の12/24の記事です。 最近(再び)採用にも携わるようになったので、手っ取り早く「サイバーエージェント アドテクスタジオ」での仕事・環境について知ってもらうリソースとしてこれを機会にまとめてみたいと思います。 候補者や(まだ配属先が決まっていない)内定者と直接話す機会はあるものの、短い時間で口頭で紹介しつくすのは難しく、会って話せる人の数にも限りがあります。この記事は私がよく聞かれ

          CyberAgent AdTech Studio Deep Dive

          新しい仕事を始めました

          XTech株式会社で業務委託のエンジニアとして働きはじめました。一ヶ月経って、継続していけそうなので簡単に振り返りたいと思います。 サイバーエージェント(CA)ではこれまで通り働き続けています。会社から副業の許可は得ていますが、チームメンバーなど周囲に知らせてはいませんでした。ただ隠すつもりもなく、断片的に誰かに伝えて噂で広まる感じにもしたくないと思っていました。 副業(複業)という働き方が話題になっているので、1つのケースとして参考になることもあると思います。ただ、私は

          新しい仕事を始めました

          「現場の行動は曖昧さを解消する」

          「ウェブオペレーション」という本があります。開発と運用がいかに連携するかという話を中心に、ウェブアプリケーションの運用業務のあれこれについて語ったエッセイ的な著作です。DevOpsの流れを決定づけた作品でもあります。 O'Reilly Japan - ウェブオペレーション 3年前くらいにこの本を読んだときにけっこう衝撃を受けて、「最近、普段の自分がやっている仕事はこれだな」とピンと来たのを覚えています。 「予期できない大量トラフィック」「無停止で動かし続けることが前提」

          「現場の行動は曖昧さを解消する」

          集権型と分権型のインフラ設計

          それなりの数のサーバーをクラウドで管理しているのですが、管理の方法をそろそろ分権型の設計に移行するべきなのかどうか、考えています。 これまでは完全に集権型でした。中心となる管理サーバーがあって、コマンドはそこから発行します。これまではfabricをコアライブラリとして使って、各ノードにSSHコマンドを発行することを軸にオーケストレーション運用を設計してきました。 しかしこの方法には限界もあって、各ノード間の関係を管理するのが面倒です。ロードバランサへのアプリケーションサー

          集権型と分権型のインフラ設計

          会社がどことかじゃなくて、誰と働くか

          今月、1人の仲間が退職しました。 つくづく、「どの会社・どの部署で働くか」じゃなくて、「誰と働くか」が大事なんだなあと思い返しています。 誰がいいとか、誰が嫌とかそういうのじゃなくて、一緒に時間を過ごす人たちは仕事でも皆大切に思っています。というよりは、一緒に長い時間、場をともにすることで自然と影響を受けていくものだなあと。 サイバーエージェントにいると、会社自体がパワーありすぎて、会社の一員でいるだけでなんとなく満たされてしまいがちだけど、結局その中で、自分の周りで誰

          会社がどことかじゃなくて、誰と働くか

          損失回避性

          (1)ゲームでガチャを引いたとき: ・確実にレアカードを1枚もらう ・50%の確率でレアカードを2枚、50%の確率で何ももらえない (2)ゲームで4人パーティで冒険しているとき: ・確実に仲間が1人死ぬ ・50%の確率で2人死ぬ。50%の確率で1人も死なない (1)と(2)は確率の世界でいうと似た話に見えますが、(1)の場合は多くの人が前者を選ぶ傾向が強いのに対し、(2)の場合は後者を選ぶ人が多いようです。 これを行動経済学の用語で「損失回避性(Loss Ave

          損失回避性

          スタートアップにあこがれる私と、スタートアップに向いてない私

          Beatroboは一風変わったビジネスを志向するスタートアップとして業界界隈で最近話題だ。 BeatroboがローソンHMVエンタテイメントなどから110万ドルを調達——「PlugAir」事業を加速 | TechCrunch Japan PlugAirはiPhoneのイヤホンジャックに指すことで認証を行い音楽をダウンロードすることができる小型のガジェットで、音楽以外にもさまざまなことに応用できる可能性を秘めている。 Beatroboは元々はPCやスマホアプリ上で音楽

          スタートアップにあこがれる私と、スタートアップに向いてない私

          "スキルの貯金"を崩す働きかた、貯める働きかた

          ウェブテクノロジーの世界は、もっとも技術革新のスピードが速い業界の一つだと思います。数ヶ月の単位で新しいパラダイムが現れ、既存の価値観を転換させてしまいます。流行り廃りも激しく、少し前に花形だった技術をもはや今は誰も使っていないということはざらです。 そうした中、競争環境の中でキャリアを維持するには、ちょっとやそっとじゃ揺るがない確固たる基礎力をつけることと、既存のワークフローの効率性をがらりと変えてしまうような、新しい技術を進んで学ぶことの両方が必要です。 私の仕事は開

          "スキルの貯金"を崩す働きかた、貯める働きかた

          GCによってしか開放されないリソースがあった

          下記のようなケースに近いケースに遭遇したので、DisableExplicitGCのオプションを指定しました。 How we solved – GC every 1 minute on Tomcat | Sumit Pal's Blog しかし、私たちのほうで運用しているサービスのソースコード自体ではなく、インクルードしているライブラリの中に明示的なGCが必要な箇所があったらしく、障害を招いてしまいました。 具体的には、コネクションが開放されずに溜まっていってファイル

          GCによってしか開放されないリソースがあった

          0を1にする能力と、1を100にする能力は別

          スタートアップの経営でもよく言われていることですが、何も無いところから立ち上げ自体を行うのと、立ち上げたものを実際のビジネスとして育てて規模を拡大していくのは、別のスキルだと思っています。 私は比較的前者が得意なほうで、勢いで「それっぽいもの」を作り上げ、そのあとフェードアウトというパターンが少なからずありました。とりあえずできたことに満足してしまう。 だけどいま本当に得たいスキルは、後者の1を100にするスキルのほう。ビジネスにおいて、0から1を作るのは1人の顧客がいれ

          0を1にする能力と、1を100にする能力は別