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ルックスで得をする

あるクライアントの女性担当者と打ち合わせしていたときのこと。

その方はまだお若く
とても知的で、おしゃれで、素敵な方だ。

その彼女が突然喋るのをやめて、
私の顔をマジマジと眺めながら
感心したようにこう呟いた。

「ちょいなさんって

ホントに、

代理店っぽくないですよね~」


私自身もうすうす気が付いていたことではあったが
クライアントの女性担当者から
ストレートに言われて
さすがにちょっとショックを受けた。

そうなのだ、
どうやら私のルックスは、
みんながイメージする広告代理店営業マンと
かけ離れているらしいのだ。


社会人になってから
私がこれまで
他人から得たルックスについての評価と言えば

「郵便局員さん」

「公務員さん」

「板前さん」

「大工さん」

「堅気じゃない人」

というところだ。
(主に夜間飲食店の女性店員対象のヒヤリング調査)


自慢じゃありませんが
私は人から
広告代理店の人間に見られたことは一度もない。

そのクライアントの会社は、
テレビCMもガンガンやっている超大手企業である。
周囲には大手広告代理店の営業マンしかいなかった。

私はそこにオリジナル企画で飛び込んで
新規で扱いを得た中小広告代理店の営業マンという立ち場だった。

そう言えば、
大手広告代理店の営業マンは
ファッションと言い、髪型と言い、顔つきと言い、
何だか一律で業界っぽい。

大手広告代理店の連中に囲まれて
入社以来宣伝部の中で純粋培養されて育った彼女からすれば
私はかなり異質に見えたのだと思う。

(直接本人に言うことはないと思いますが・・・)


こんなこともあった。

ある休日、
クライアントの専門学校の学園祭に
私はマーケスタッフの立場で
担当営業と一緒に、私服で訪問したときのこと。
混雑するキャンパスで
営業マンが窓口の総務部長をつかまえて
立ち話を始めた。

話の内容が、
スタッフには関係ない話だったので
私は部長に会釈をしたまま、
営業の後ろでぼんやり終わるのを待っていた。

そしたら、である。
突然、その部長は
営業マン越しに私を覗き見ながら
声のトーンを落として
営業マンに、こう聞いた。

「後ろの方は・・・

留学生の方ですか?」


声のトーンを落としても、丸聞こえ。
それに日本語分かるし。

というワケで、

私のルックスはどうやら、
グローバルでもあるらしい。



広告代理店マンは、言うまでもなく、ルックスがとっても大事だ。

でもそれは
私の経験上では

「カッコいい」「素敵」「今っぽい」

ということとイコールではない。


特に我々のような中小広告代理店の営業マンにとって
いかに大手広告代理店と差別化するか、が重要である。

私のルックスにアテンションがあるのは証明されている。

私は
このルックスのおかげで
大いに得をしている筈である。

幸い人間は、自分で自分の顔が見えない。
その点凄く、
神様の配慮に感謝している次第である。



※よろしければ、こちらもご覧ください
広告代理店はイヌと同じだ


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