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カカオクラッシュでも終わりそうにないカカオショック

カカオクラッシュといってもアーモンドチョコレートではありません。

以前タカオカチョコレート公式noteで決して甘い話ではないカカオショックという話をしたんですが、

4月末から5月頭にかけてカカオ先物相場に関して大きな動きがありました。

4/25の日経記事で高騰の流れは止まらないという報道でした。

カカオ豆の不作&円安のダブルパンチ 相次ぐ「チョコレート」関連商品の値上げ

https://www.sankei.com/article/20240425-YD33T7CX4VFJTOAVSLWGTD7K3A/

帝国データバンクでは、「足元の円安や原料高は、今後長期にわたってチョコレート製品の価格設定に影響を及ぼすとみられる」としている。

https://www.sankei.com/article/20240425-YD33T7CX4VFJTOAVSLWGTD7K3A/

いろんな会社で現在値上げが進行しつつあります。円安も含めて悲観的な話だったのですが、4/29に過去最大のカカオ先物暴落

カカオクラッシュ」先物一時16%安 下げ幅過去最大

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB3061G0Q4A430C2000000/

チョコレートの原料、カカオ豆の先物相場が急落した。国際指標のロンドン先物(第2限月)は4月29日、一時1トン7513ポンドと前営業日比で1466ポンド(16.3%)急落した。1日の下げ幅としては遡及可能な1974年以降で最大だ。

 

1960年以降のココア先物相場のチャートを見るとこの1年で価格が3倍という異常事態ということがよくわかります。

23年下期はまさにSASUKEのそそり立つ壁 
オイルショック以来の高値更新でした。

そして5/14にカカオ先物相場が再び過去最大のカカオクラッシュ

チョコレートの原料、カカオ豆の先物相場が再び急落した。国際指標のロンドン先物(第2限月)は13日、一時1トン5968ポンドと前営業日比で1597ポンド(21%)下落。1日の下げ幅としては一時1466ポンド(16%)安となった4月29日を超え、遡及可能な1974年以降で最大となった。

日経電子版5/14


流動性が低くなってるカカオ先物市場

現在のアメリカココア先物チャート

4月上旬にココア1t 11000ドルという最高値から4/29と5/13の急落を挟んで1か月で3割下落。現在は7000ドル付近で調整を続けています。

この下落で一安心といえないのがココア相場の流動性の低さ

市場の流動性とは、市場での証券取引のしやすさを表す概念。具体的には、市場において証券をいつでも、価格への大きな影響なく、大量に取引できる場合、「市場の流動性が高い」という。市場における証券の取引量が少ない場合や取引相手が十分に存在しない場合には、円滑な取引が実行できない可能性もある。このような状態を、「市場の流動性が低い」という。

市場の流動性 - みずほ証券 ファイナンス用語集

銅より高いという話で商品ファンド系が飛びついたものの、暴落で手じまいし、現在は取引そのものが少なくなってしまっているようです。

需要に連動してない投機的な動きになるので乱高下があるかもしれませんし、ココア以外に動きが活発になっている小麦や金に資金が流れるということも。需給に連動してないので相場の未来は誰にもわからないという話に

ひと息つけるといってもカカオ先物は昨年の2-3倍の価格水準。企業努力だけでは.…

昨今のガソリン価格の上昇や、現在のキャベツ値上がり騒動のように、上がるときだけ報道して、値下がりになると報道が完全スルーな傾向(ゲスニックなマスコミ様)

キャベツは茨城産が出回ると供給が増えるので価格は適正に向かっていくと思うんですが、カカオは生産の問題が山積みでパーフェクトストーム状態に加えて世界的に先が読めないVUCAな時代

現在カカオをとりまく環境はまさにパーフェクトストーム

上の日経トレンドクロスの記事や現状の状況をがまとめてみると

カカオをとりまく現状2024

・カカオ二大生産地のコートジボワールとガーナの生産が壊滅的
(原因はカカオを枯死させる木の病気や違法な金採掘での土壌汚染)

・カカオの木を植え替えても、木が成熟して豆を生産できるようになるまでには2年から4年かかる。

・カカオ豆の大半はいまだに零細農家によって栽培されてるので大規模生産が難しい

・欧米側の利益搾取が多くてカカオ農家までお金がいきわたらない    (カカオで何が作られるかわからない農家も)

・日本は34年ぶりの円安水準で輸入価格上昇

さらに
・需要に関係なく商品ファンドの投機的対象になってるカカオ先物相場

現在は落ち着いてますが、カカオ自体の生産減というファンダメンタル的にはかわらないので値上げの動きが出てきているコーヒーやオレンジの不作のようにカカオもこの秋から影響出てくると思われます。

世界的な食料インフレ第2波にもそなえる必要がありそうです。

世界的「食料インフレ」第2波か? 日本の価格に影響も | NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452461000.html


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