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若手デジタルマーケターがぶち当たる3つの壁

今日は、僕の本業マーケティングについて書いていきます。

広告業界に身を置いていると、「オジサンはこまかい数字のことは今更わからん......若手のきみに託したぞ!!」なんてことはよく言われます。

この風潮は大きなチャンスでして、デジタルマーケは他業種と比べて、先輩がスカスカ状態になり、一気にポジションを確立できる良い職業です。

そして、デジタルマーケティングといえば、

数値・行動の可視化!
・効率改善!
・コンバージョンに直結!

と、ポジティブな側面が多く語られることが多い。

実際のところ、デジタル施策のパワーはすさまじく、導入した瞬間に一気に売上が爆上がりするケースも珍しくありません。

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デジタル施策の簡単なイメージ図がこちら。デジタルはスピーディに成果が生まれる反面、あっという間に限界効用に達します。

たとえば、新しいバナークリエイティブやランディングページ。これらは一か月もしない間に消耗して、使い物にならないなんてことはザラ。つまり、新しいクリエイティブを作るまでの準備期間が短いのがデジタルワールドの特徴です。

今日は、そんなデジタル世界で、若手マーケターがキャリア初期にぶち当たる3つの壁についてまとめていきます。

若手と区切ってはいるものの、デジタル業界の構造上の課題ともいえるので、万人が見逃せない問題でもあります。

目先の+1%の効率改善で疲弊する

デジタル施策は、スタートしたゼロイチの段階では、大きい効果を感じられるのですが、そこから先は地道な運用作業がメインになります。この運用業務が若手マーケターの仕事です。

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先ほどの、デジタル施策の限界効用の図で表すと、この丸で囲った部分。

時間をかけてもかけても、+1,2%の改善しか見られない世界で、デジタル施策の運用を回していくことになります。これが意外とシンドイ。ユーザーからすると、「デジタル広告に見飽きた」感もあったりするので、実際には数%の効率改善を実現するのも至難の業。

地に足のついた地道な運用は必要とはいえ、日々の業務が単純作業になりがち。ゆえに、「この仕事になんの意味があるの?俺がやる必要あるの?」と陥りやすいのが若手マーケターが直面する1つ目の壁です。

PLANよりもDOに重きが置かれる

デジタル広告のメリットは、なんといっても低コスト。お金をかけずに、バンバン広告を打てることが大きな魅力です。ゆえに、可能性のある手は、とりあえず市場で試してみようとなります。

これがいわゆるA/Bテストです。10個の広告クリエイティブ案があれば、トーナメント式で10個を競わせて、一番良いヤツを残そう!って考え方ですね。

ちなみに、TVCMのようなマス広告では、10個もCMを作ることはできません。だから入念にプランを練って、最終的に打ち出す広告を1つに絞ります。

マス広告ではPLANに重きが置かれ、デジタル広告ではDOに重きが置かれるわけです。

僕のスタンスとして、「Plan<<<<DO」の世界は大歓迎。計画ばかりに時間をかける施策より、実際に何度も動かして磨かれた施策の方が、良い結果をもたらします。

しかし、ここで「Plan<<<<DOの世界」で今起きている問題は、マーケターが頭を使わなくなってきていることです

無数の中から選択肢を絞り込むとき、結果をA/Bテストに委ねているマーケターがあまりにも多いので、ゼロからプランニングを立てられないマーケターが量産化されています。小さな世界での最適化を図るにはそれでいいのですが、リソースの最適分配が仕事になった場合、それでは立ち行かなくなるのは目に見えています。

まとめると、PLANよりDOに重きが置かれるようになった結果、思考ゼロマーケターが生まれてしまっており、機械に置き換えられるようなマーケターになってしまいがちなのが若手マーケターが向き合わなければならない壁2つ目です。

大規模プロモーションでは、仕事が細分化されすぎ問題

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大規模なプロモーションを扱うとなると、1人1人の仕事領域がかなり限定されることになります。(※これは友人談で、僕の経験談ではありません)

「この1年間○○社のFacebook広告だけを運用している」

「僕は、〇〇社のtwitter広告のCPA改善に特化した仕事をしている」

という風に、1人のデジタルマーケターが日々取り組む業務が超狭い領域に限定されることになります。

特定のメディアには詳しくなれたとしても、自分の仕事が施策全体にどう結びつくのか、全体を把握できない。やっている仕事の成果が見えないから、仕事の意義も感じられない。

そんなことも起こりうるのが、若手マーケターの環境です。

デジタルマーケティング成功の可否は、KPIをチューニングできるリーダーがいるか

ここまで、若手デジタルマーケターが苦しむポイントについて、実体験をもとにまとめてきました。

-目先の効率改善運用で疲弊する
-DOに重きが置かれ、頭をあまり使わない環境
-仕事が細分化され過ぎている

この3つが、若手デジタルマーケターがぶつかる最初の壁だと感じます。

これって、会社の組織構造上、避けては通れない道だったりします。誰かがやらなければいけない業務だから、とりあえず若手が担当するみたいな。

それで、この3つの苦難をどう乗り越えるのか、

僕の結論は、運に頼るしかないです。

どういった運かというと、上司やマーケティングの意思決定をする人に、適切なKPI設定とチューニングができる人に恵まれるかどうかです。

もしこのようなリーダーがいれば、デジタルマーケティングで疲弊する機会は大幅に少なくなります。

やってもやらなくても成果が変わらないような仕事はなくなり、成果を生みやすい他のポジションにリソースをさく意思決定が日々なされることになりますから。

あとKPI設定が上手い人は、細分化された業務担当者に、プロモーションの全体構造を伝えるのもうまいので、「この仕事何のためにやってんだ問題」も発生しない傾向にあります。


とはいえ、マーケターとしての自分の仕事のやりがいが、リーダーに依存しているのは非常に苦しい。実際には、仕事への捉え方・視点を増やすなどして、単純作業になりがちなデジタルマーケティングを楽しむ方法を見つけるしかないですね。

デジタルマーケの面白さは、施策を行ったレスポンスが瞬時に見えることにあります。どうしても本業が面白くないと感じる人は、自分でデジタルマーケティングをやってみるのもありかもしれません。情報発信も立派なデジタルマーケティングです。

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