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色を楽しむなら爪の先、というのを忘れていた

エレベーターの扉が閉じようとしたそのときに「すみません」と小声で言いながら乗り込んできた女性の足元に目を奪われた。キラキラと虹色に煌くラインストーンがたくさんついたサンダルに、丁寧に塗られたペディキュア。サンダルがとても華やかなぶん、爪の色は抑えめのパールベージュなのがよくバランスがとれていてとてもオシャレ。

ーーそういえば、今年の夏はまったくペディキュアを塗らなかったな、と我が身を省みる。

爪先が出るタイプのサンダルをあまり履かなかったということもあるのだけれど、よくよく考えてみたら手のほうにもあまり塗らないでいる。今日もいわゆる“素爪”。

一時期、ものすごくネイルにハマッてCHANELのネイルを少しずつ揃えては飾るのがとにかく嬉しかったことがある。今もそれは飾ってはあるし、もちろんそれだけじゃなくて、色がかわいかったり、ちょっとラメをのせたかったりしてNAIL HOLICや100円ショップで買ったようなお手軽なものもいっぱい持っているのだけれど、最近全然使えてないことに気づく。

時間はいっぱいあるはずなのに、ネイルの瓶に手が伸びないでいる理由は自分でもよくわからないのだけれど、たぶん、なんとなく“忘れていた”というのが正しいような気がする。面倒になったとか、嫌いになったとかでは全然ないのに、習慣にしていたことがふっとブランクができてそのままになっていたような感じ。むしろ、あんなに好きだったのに(今も好きなのに)どうしてわたしネイルしてないんだっけ?爪を切るときにも今までなんとも思わなかったんだっけ?と自分でも不思議なくらい。足の先はともかく、手の指先は毎日毎日目に入るはずなのにね。

という訳で、今夜はどれを塗ろうかとあれこれ考えている。リップやアイシャドウと違って、ネイルはいつでも見たい時に自分で見ることができる。そう、これはコスメ好きなわたしにとって永遠の課題なのだ。大好きなカラーのコスメを買っても、アイシャドウやリップは朝メイクしているときと、日中たまに鏡を見たときしかその色味を自分で確認できないのをいつもすごく残念に思っている。(これはコスメだけでなくアクセサリーもそうで、イヤリングやピアス、ネックレスもつけているときは自分では見えないんだよな)でも、ネイルならPCで文字を打っているときなどに好きな色が常に目に入るのでなかなか満足度が高い。逆に、ちょっと剥げてきてしまったり、ちゃんとお手入れをしてないと「あぁ、塗り直さなきゃ、、、」とテンションが下がってしまう諸刃の剣でもあるのだけれど、やっぱり大好きなラメとか偏光とかをぞんぶんに楽しめるのは最高!なので、差し支えなく塗れる環境にある(職種によっては派手な色が塗れなかったり、爪さえ伸ばせない場合もある)自分はとても幸せなんだ、それなのにその幸せをちゃんと享受してないぞ、ちゃんとその幸せを噛みしめなくちゃイカンと思いながら、せっせと塗りたいと思う。

まだまだ暑さも続きそうなので、あの女性のように、足元も綺麗にネイルを塗りたい。秋冬になって、靴を履いているときには見えないけれど実はペディキュアをしている、というのもたまらなくオシャレだとは思うのだけれど、今はまだせっかく見せられるシーズンなのだから、ちゃんとお手入れを心がけなきゃね。わたしもすれ違った誰かをハッとさせるような素敵な爪先になれるかしら。

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