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最悪な接客に最高に満足したお話〜カドー〜

チョコレートが、大好きだ。
そんな私が、今年のバレンタイン催事には一切参加しなかった。

もちろん、憎き、本当に忌々しいあのウイルスのせいである。
日本でトップレベルに発症数の少ない秋田に住む家族と、日本で断トツ発症数の多い東京に住む私との、約束だった。
「バレンタイン催事には、行かない。」
毎年10箇所以上の催事を巡る私は、この催事がどれだけ混雑するものなのか、痛いほど分かるから。

でもまあ、催事に行かなくても通販があるしね。
と、サロショや各百貨店の通販サイトを覗く。

うんうん...どれも美味しそう。
ほほう、今年はこんなチョコが。
これも気になる、あれも気になる......

しかし、結局通販で買うことはなかった。

正確には少し買ったけれど、それは例えば「パレドオールの通販サイトでパレドオールのチョコを購入」という類の通販。
それはそれで満足度の高い買い物だったので、また別の機会に語ろう。

サロンデュショコラや百貨店の通販購入はしなかったのだ。

カタログを見て、
「さあ、どれが欲しい?」と問われれば、全部欲しい。
もちろん、無理だ。

では、5つのお店から選ぼうと決めてみる。
好きなお店のチョコを買うのか。
買ったことのないお店のチョコに挑戦してみるのか。

...決められんな。
優劣を付けられず、結局パタンとサイトを閉じる。

そして思う。
店舗で、そのお店の商品を愛する店員さんから購入する。
その時間・体験も含めて、私はスイーツが好きなんだなあ、と。

先日、私のスイーツ購入体験の中でもトップレベルに良くない接客があった。しかし、それは私の中で最高級に満足度の高い嬉しく楽しい買い物だった。

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カド― ナチュール

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おいしいものを食べると
ひとはしあわせになります
ほんとうにおいしいものを探して旅していたら
うつくしい風景に出会いました
自然からうまれたものは
こころにもからだにもおいしい
あなたのことも
だれかのことも
きっとしあわせにします

身体に優しいお菓子やお茶を販売しているお店だ。

「美味しく健康に」をモットーに生きている私にはビビビとくるコンセプトのお店。ふと東京駅一番街で発見し、近づいてみた。

今回は、2種類のお菓子を購入。

オーツ&ソイアソート ビスケット

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・ソイビスケット 抹茶
・オーツビスケット プレーン
・オーツビスケット オールスパイス
・ソイビスケット 三年番茶

1,2種類くらいを沢山食べたいのなら、各味を購入した方がお得。
けれど、色んな味を楽しみたい私にとっては、2枚ずつ4種入っているこのアソートはとても魅力的だ。

粗いザクザク感と、広がるバターの甘さ。
そして確かに感じる塩気。
美味しい、そしてどれも身体がスッと受け入れてくれる、優しい味わいだ。

チャ ショコラ

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・抹茶
・三年番茶
・和紅茶

これも2種類ずつ。
1粒ずつ丁寧に詰められている。

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鮮やかな色合い!
とんでもなく香り高い生チョコレートだ。

美味しい生チョコレートって、瑞々し過ぎてスルスル消える儚い美味しさが多い気がする。
対して、この生チョコレートは濃い。
「ここに在る」と主張する色濃い存在感が堪らない!

深い溜息が出るような余韻が心地よい。

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シンプルなので、何か添えてみても楽しい。

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さてクッキーとチョコレート、2種類のお菓子を購入した。
もちろん商品そのものの魅力に心射抜かれた、というのも大きいけれど、その選択は店員さんがいたからこそだ。

それなりに広いスペースだったけれど、店員さんは1人。
彼女は他の店舗からのヘルプらしく、賞味期限を確認しても商品の保管場所が分からず、バタバタと色んな棚を開けて探すような始末である。
これ時間が無ければイライラしていたかもしれないけれど、必死な感じが好印象だった。

どれを購入しようか迷っていたら、色々とアドバイスをくれた。
「お客様にはこれが人気みたいですが、私はこれが本当に好きで~」
めっちゃ、個人的な好みで語る。

それで良いのか…?
人気なの、こっちなんだろう?

でもなんか、美味しそうな気がしてきた。
チョコレートは、イタリアのものもあって元々そちらに惹かれていたのだけれど、結局店員さんが個人的に激推しの和のチョコを買ってしまった。
美味しかったし、なんだか「美味しい」を共有できた感じで、気持ちが良い。

その日は雨がパラパラと降っていた。
「雨除けカバーの場所が分からないので、今作りますね」
そう言って、別の袋を切って作ってくれようとしてくれた...が、サイズ的に、ギリ入らない。

その時点で、近所の優しいおばちゃん的その店員さんへの印象がとても良かったこともあって、「外そんなに出ないので、雨除けカバ―無くて大丈夫です」と断り、円満解決。
これも通常ならわりとイライラポイントだったと思うのだけれど。
むしろ「こんな事もあるんだなあ。いいよ全然気にしない、頑張ってくれてありがとう」と感謝の気持ちすら感じる。

修学旅行で雨が降って、残念だけどなんだかんだ楽しかったなあ、みたいな感覚だ。
それはそれで良い思い出、というやつ。

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商品の保管場所も雨除けカバーの場所も分からず、時間がかかる。
おススメしてくる商品は、超個人的な好み。

オペレーションは最悪だったと思う。
教本的にも良くない接客だった。
けれど、なんだか「美味しいよね~」と一緒にお茶を飲みたくなるような店員さんだった。
凄く、良い買い物をした感覚が残る。
楽しかった。

通販で「美味しい」は買える。
しかし、そこにはこういう人との触れ合いが無い。
なんだか、寂しい気がする。

通販で1年間分のスイーツをまとめ買いして毎日美味いに困らない生活をする。
それも1つのスイーツ人生だろう。

けれど私は。
美味しいを探し歩き、食べる時を想像しながら悩み、店員さんの話を聞き、その商品のことを愛する店員さんから受け取る。
そして食べる。
そんな2度美味しいスイーツ人生を謳歌したい。

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【おまけ】

キャンペーン中だったのか、お試しのクッキーを袋に入れてくれた。

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1袋に2枚・・・と、思いきや!

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なんと個包装で2つ。
これには、おったまげた。
けれど・・・

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バターの香りがあまりに豊かで、美味し過ぎて。
せっかく個包装なのに、一気に2枚とも食べちゃった。

美味しいって、罪深い。

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