見出し画像

人に渡すチョコは自分でも食べたい

バレンタインは好きな人、大切な人に気持ちを込めてチョコレートを渡す日。日頃の感謝を伝える絶好の機会。

ということも、まあ無いことも無いかもしれないけれど。私にとっては完全に自分の為にある日だ、というか最早、当日だから何ってこともないよね。前後1ヶ月のお祭りだもの。


ただ少し思うのが…自分以外の誰かに選ぶ人だって、きっとチョコレートのお店に行って「美味しそう〜!」と感じて買うのでしょう?

…自分も食べたくならんの??


今年は、昨年さすがにお世話になり過ぎた人にバレンタインチョコを選んだ。我ながら結構良いのを選べたと思う。

……いや、めっちゃ欲しいな、自分が……。
買った。

アマン東京

シックな箱はかっこよく、男女選ばずに受け入れてもらえると思う。こういうのが好きって人も多いよね。

チョコのデザインも良い。
形は一定で、その統率感に安心する。
それでいて、色は鮮やか。単調でもない。色彩だけで芸術を見事に描き出しているようだ。絵画のようで、いつまででも見ていられる。

食べる頃には程よく柔らかくなっていた。


グアバのキャラメルとディンブラ(セイロンティー)のガナッシュ

黄金…全体でなく中央に集中している感じ、洞窟の中で見つけた黄金の山という感じで、ちょっとソワソワしてしまう。

溢れるトロットロ感。完全に美味しい。

トロピカルフルーツな陽気さとビターな懐の深さ。酸味が甘い、という複雑な味わいをどう表現しようか悩んだ。答えは出ない。確かに刺さる刺激は酸味なのに、気がつくと感じているのは甘みなんだ。

濃密な果実を苦味のベールで薄く包み込んだようなエレガントさ。潤いと充実感のなんてエキゾチックなチョコレートだろう。


苺のパートドフリュイとカモミールティーのガナッシュ

可愛らし〜い、苺!!
その酸味はみるみる甘やかなミルクに飲み込まれていく。苺のミルクの相思相愛は言わずもがなだが、その繊細で複雑な色調には改めて感嘆してしまう。花の麗しい香りが渦巻く。

色の変容を一瞬の額に閉じ込めたような、絵画みたいなチョコレート。愛らしさと、清楚な気品に溢れて…。


エクアドル産とマダガスカル産のビターチョコレートガナッシュ

密度の高さと滑らかさ…こんなに両立する!?
美味しいチョコってさあ、本当、こうだよ。こんなとんでもない舌触りを、当たり前のように表現する。
これを一口で頬張って「ん…悪くないね」くらいで流してしまう人を私は許さない。いや…楽しみ方は自由なんだけどさあ……そんなことを改めて考えさせるほど、圧倒的に美味しい。

チョコのコーティング…じゃないな、この周りの部分って名前あるのか?枠?ともかくそれが分厚めしっかり。その厚みはGODIVAを思わせるところもあるけど…やっぱり少し違うな。GODIVAのは、チョコの厚み。こっちはもう少し、カカオというか…この部分にも豆由来の魅惑を多く含むような。分厚いのに、繊細な気品も兼ね備えている。

この美味しい厚みがあるからこそ、ガナッシュのとろけ具合が際立つ。︎カカオという魅惑の果実だ。あの膨らむような豊かななめらかさと、香りが凝縮された充実したガナッシュにカッとなった感動が忘れられない。

バニラ香の気品と、赤い果実の妖艶な華やかさ、バナナの包容力ある甘さ…あまりにも凄い…。


玄米茶のプラリネとカラマンシーのガナッシュ

ズバッとくる、スパイシーな柑橘。その勢いと個性をどっしり力強いカカオがしっかりと受け止めてくれる。サクサクッと軽快に弾けるのは、香ばしい玄米茶のプラリネ。柑橘と玄米茶の少し風変わりな相性が素晴らしい。

5粒のラインナップの中でも、この酸味のインパクトが最も強く、私の中にある味わい記録帳にしっかりと刻み込まれた感じがする。

考えるよりも先に身体に入ってくる酸味という刺激の正体を、なんとなく、しばらく掴めない。柑橘系というのはまあ、なんとなく分かる。ただ、茂みの中に隠れた果実を探し当てるような、分からなさがある。だからかな、その茂みを思わせる玄米茶の要素とは、想像以上の調和を奏でる。
…凄く面白くて、癒される感じのチョコだったな。


カシスのコンフィチュールと鉄観音茶のガナッシュ

気品の高さが桁外れに凄い!!
果実よりも花の雰囲気が強い。スミレを思わせる感じがするのだけれど、そもそもスミレってどんな味わいだったかな…何度か食べたことはあるけれど、いまだにその味わいを掴みきれていない。

近々スミレのパフェを食べる予定があるので、その時にちゃんと確かめてみよう。

とりあえずこのチョコに対する私の第一の印象は「スミレっぽい」だった。

チョコのミルクな甘さがとろけていく。
お茶の柔らかな香ばしさがまろやかに馴染んでいく。
その何れもが、とても気高い。

カシスの色濃い華やかさが、清楚で可憐に咲き誇る。


どれも、様々なイメージが駆け巡る、素晴らしい体験のチョコレートたちだった。
そして、何度で叫びたいが超絶美しい。

食べたら無くなる。
そんな当たり前なことを当たり前じゃなくするために、「一応食べた記録に撮っておく」だけでなく、最も可愛らしく美味しそうに楽しそうに見えるには、ということを沢山考えて、食べる前に写真に残しておきたいなと思う。

だからいつも、こんなだ。
デザインの知識とかないから、手探り…。
あぁもう、可愛いな!!!


よし、人に選んだチョコレートは美味しかった。
完璧。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?