見出し画像

「世界一おいしいコーヒーゼリー」を食べて、「世界一」について考えた~サザコーヒー~

「世界一おいしいコーヒーゼリー」

画像3

直球で、大変良い看板だ。
心惹かれる。

丸の内にあるKITTEという商業施設に行った。
毎月20日からの3日間はエポスカードでの購入がお得になる。
加えて商品券を貰っていたり。

画像2

条件があるのかよく分からなかったけれど、ポイント10倍とか。
とりあえず、なんだかお得っぽい期間だった。
お得は、賢い消費者であるためには大事なことである。

KITTEにはお気に入りのお店がいくつかあるのだけれど、サザコーヒーもそのうちの1つ。元々は品川で出会って、美味し過ぎる味わいの虜になってしまった。

KITTE店は1人でゆったりと過ごしたい時に、居心地が良すぎる空間だ。

画像3

ここ。
混んでいる時にはもちろん座れないこともあるけれど、この一番奥の壁に面した席が好き。

机は広くて圧迫感が無いし、見知らぬ人と対峙するような緊張感も無い。
何か作業したい時にも、この広さはありがたい。
少し薄暗くて落ち着いた雰囲気も、短いやり取りの中からも分かる店員さんの丁寧な接客とコーヒーに注ぐ愛情も。
美味しいコーヒーもスイーツも。
もう色々と好きだ。

さて。
看板の迫力に惹かれて、お店に入る。
......ん?

画像4

世界一「おいしい」コーヒーゼリー。
世界一「うまい」コーヒーゼリー。

「おいしい」と「うまい」は違うのか。
これを別のお店でやるのではなく、同じ店で堂々と並べて記載しているのだから、天才的だ。

贅沢な話だが「どちらか」を選ぶなら、まずは良いものを選ぶ。「価格=良いもの」とは限らないということは重々承知なのだけれど、それでもひとつの指標となることは確かだ。

例えばチョコレートケーキとチーズケーキで選ぶとかならね。価格よりもその時の食べたい気持ちを優先する。
でも、「おいしい」と「うまい」からどう判断しろというのだ。

価格の高い「おいしい」の方が高級コーヒーの代表格ゲイシャを使用している、ということは聞いていたのだけれど。
まだまだ「今日はこの品種のコーヒー豆気分だ」なんて選び方をするほどには詳しくないのよね。
だから、数少ない指標である価格に頼る。
あと、大きく看板が出ていたし、メニューでも先頭に書かれているのだから、きっとウリなのだろう。と判断する。

5年間仕事で食品の原価を扱ってきたからといって「フフフ、『スタッフおすすめ!』とかポップを付けて購買を促すヤツの方が利益率が高いのだ」なんて考え方はしない。
そこまで疑り深く見ると、大好きなことが嫌いになってしまいそうだから。
その辺は、お客さんとして、自分の思いたいように思うのだ。

画像5

ところで。
コーヒーゼリーを食べる時、ドリンクに珈琲は注文するのか。

「ん?変じゃない?」と迷っていると、店員さんが「ご一緒にドリンクは」と確認してくれたので。
そうか、変じゃないか。
本日のコーヒーを注文した。

基本的に、余韻にゆったりと過ごす為にも、スイーツを注文する時にはドリンクも注文したい。


食べる前に、しばらく提供されたコーヒーゼリーをひたすら見つめてしまった。こんな細長いグラスに入ったコーヒーゼリーなんて、初めてだ。

画像6

恐る恐る、というのか。ドキドキしながらスプーンを差し込む。
傷1つなかったコーヒーゼリーが、口に含むとパフェに入るジュレのようにすぐに崩れる。そして甘いクリームが...おや?
単にホイップクリームが乗っているだけかと思いきや、コーヒーミルク的なやつが流れ込む。お前、どっから出てきた。

前半は、クリームやミルクとの調和で、甘く溶けるように消えていった。
中盤、ミルクなどはすっかり食べてしまい、ゲイシャの綺麗な苦味がダイレクトに伝わるようになる。
食感も、前半より弾力があるように感じられた。

細いグラスを覗き込んで驚いた。
コーヒーゼリーはすっかり黒いようなイメージがあったのだけれど。
そこに在ったのは、透き通る茶色と赤の混色くらいの明るい色。
流れるような美しい線が見える。
宝石みたいだった。
コーヒーゼリーって、こんなに綺麗な色をしているものなのか。

その明るい色は味わいにもしっかりと反映されていて。
柑橘のような明るい爽やかさが心地良い。
今の暑い季節に、凄く良い。

とはいえ普段ブラックで飲まない人には、ゲイシャだけの味わいでは少し苦く食べにくく感じられるかもしれない。そんな場合には、机にコーヒーミルクのポーションが置いてあるので、追いミルクをしても良さそうだ。

画像7

食べている間中、「そうかコレが世界一か…美味しい、美味しいよ」と心の中で泣いた。良いものに出会って、良い体験をしている感が物凄かった。


「世界一」を謳うものは世界に沢山ある。
多分、何かの大会で優勝していたりとか。
大会って沢山あるからね。
店主にとって「世界一」なだけかもしれないし。

だからこそ。
お店が自信をもって「世界一」と出したものをお客さんが食べて「世界一おいしい!」と感動して。そうして初めて、「世界一」が新たに生まれるのだと思う。

「多数から人気=世界一」ではなく、
「その人にとっての世界一=世界一」。
私は、私にとっての世界一を見つける為にカフェ巡りを続けているのかもしれない。これからも。


そうそう、「世界一おいしいコーヒーゼリー」を絵で描いてみたのだけれど、それらしく見えるだろうか。

画像8

こうして、私の「世界一」を、私が感じたままに残していけたらいいなと思う。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?