望みが叶わなかったその日に幸せを〜ロビーラウンジ〜
ホームページで食べた過ぎるスイーツの提供情報を見つけた。
行ってみると、「無い」と言う。
えっ……だってここに記載が……。
”11月16日~”である。
”10月16日~”ではない。
うん……完全な私のミスだね…。
でもさ、情報の記載早いよ!!
なんて、普段は「翌月の限定情報はやく載せてよ!!」とか文句を言っているのに、我ながら理不尽極まりない。
ケーキセットたちもね…3種あると思ったんだ。
そうね…詳細のところに、それぞれの期間が記載されていたね……。
でも一番欲しかったのが丁度期間中で、それは良かった~~~!
大学で1人、生まれ育った秋田を離れ東京に来てから、もう8,9年くらいか。年に2,3度、10日前後。家族の中でもある意味では一番仲が良くて、お金にも時間にも余裕のある母が新幹線で4時間の距離を会いに来てくれる。
帰る時には私が必ず休みを取って、お昼に東京駅で美味しいものを食べて、改札ギリギリまで見送るのが恒例だった。
ここ数年は、ずっと新丸ビルのパレドオールを選んでいたのだけれど。
うんうん、やっぱりこっちも素敵。
ただ、新丸ビルは少しだけど気持ち的に東京駅から離れてもいるし。
この前、更に近くに、素晴らし過ぎるお店を発見してしまった。
東京ステーションホテル
ロビーラウンジ
近いというか、改札外ではあるものの、もう本当に直結。
東京ディズニーランドホテルに宿泊する人がディズニーランドに行くことを前提にホテルマンに話しても不審がられないように、多分ここも、「〇時に新幹線に乗るので……」みたいな話をしても、それで急いでもらえるかは実際のところ分からないけれど、気持ち的に大丈夫な気がする。
味もスイーツたちのビジュアルも店内の広々具合も接客の丁寧さも、素晴らしい。母からは「これからは毎回ここにしよう」と言われている。
よし、これからもその日は、絶対会社休むぞ。
さて、今回の話をしよう。
そうそう、冒頭に出した通り、今度は目的をもってきたのに、それが食べられなかった。
代わりに、素晴らしい出会いをしてしまった。
和牛土佐あかうしパテ入りマリトッツォ2種の味わい
!????
(絶句・・・・・・・・・・・)
私の目の前にあるのは…なんだ???
と、その前に。
セットで注文したので、サラダとスープが付いてくる。
私「トマトが美味し過ぎる!!」
母「うん、それ3回聞いた」
ほう…美味し過ぎて連呼していたらしい。
葉物野菜は、しっかりシャキシャキしていて、食べやすいサイズにカットされていて、ドレッシングが美味しくて、少しでも緑以外の彩りも入れて…そうすればまあ、大概は良い感じだ。ってそういう条件を満たすのがなかなか無いんだけどね。
トマトは、本当にそのものの味が勝負。
美味しいトマトを食べたことがあるだろうか。
私は昔、この真っ赤な野菜が大嫌いで。嫌いな気持ちはよく分かる。
プシュっと出てくる酸味のある液体と、残る皮と…嫌だよねえ。
でもトマトを積極的に食べるようになって、美味しいトマトにも出会って、驚いた。良いトマトは、本当にフルーツだ。サクランボのように甘い。
これは、そういうトマトだった。
サラダに当たり前のように入っていることなんてレア過ぎてテンションが上がってしまった。
トマトが、美味しい。
「野菜のスープ」
南瓜か人参かと思った。「野菜」だ。
これも一口運んで、舌の上で少し遊ばせて染み渡らせて、ゴクリと喉を通して――驚いた。
「野菜」だ。
なんとも「何味」と明言しにくいのだけれど、色々な味わいが、色々な色の絵の具を塗り重ねて滲ませたように、混ざり合う。
ある味がふと強くなったかと思えば、また違う味の波がきて、それは激しく、穏やかに。こんなスープを日常に飲めたら幸せ過ぎてとけてしまう。
折り重なった味わいの複雑さと奥深さは、次にやってくるメインへの期待値を高めてくれる。
さて。
君らは、なんだ。
「マリトッツォだよ!!!」
マリトッツォとは...
マリトッツォとは......!!!!
う~ん…まあ、ビジュアルは間違ってない。
最近はもっと「お前は何者だ」感溢れる、説明を聞いてもサッパリ納得できないトッツォがたくさんあるからね。
よしよし、お前はマリトッツォだ。
ナイフとフォークで切り取り、パクリ…肉!!うめえぇえ!!!
ギュッと旨みが詰まっていて、ホロリと切れ崩れる柔らかさ。
味付けのタレが目に見える程にあるわけではなく。そういうものを肉に吸収させ尽くしたような。全部がそこに詰まっている。
濃い!!というチープな雰囲気や違和感は微塵も無く。
濃いのに、とても自然だ。
そして、フワフワのクリームと甘いブリオッシュ…。
えっ、なんで?なんでこれ合うの???
家でハンバーグにホイップクリームをかけたら美味しい??
流石に美味しいわけがない、と…思う。
何の魔法だ。
例えば1人でも優秀だけど尖ったところもある人が、朗らかな雰囲気の家族に馴染んで影響し影響され、凄く良い感じにまとまった家族だ。
美味しい。
こちらは、スパイシーな味付けを加えて。
印象が全然変わる。
そもそも美味しいお肉にスパイシーな味付けって、合うに決まってるのだ。
ピリリと痺れ、肉の印象をグッと強く引き立て、すぐに甘いクリームがやんわりと包み込む。ブリオッシュが、相反する二つの存在を更に大らかに包み込み、繋げる。
何度でも言いたい。
なんの魔法だ。
全く意味が分からない。
分からないけど、とにかく美味しかった。
ポテトはカロリーが怖いから普段は食べないようにしているけれど、こんな機会だから…。
………とんでもなく美味しい。
もう、いつものnoteでもそうだけど、結局「美味しい」しか言えてなくてごめん。明確にどういう味なのか、甘味が〇%で塩味が△%加わって…みたいな感想が書けない。いや、そんな分析むしろ要らないか。ただひたすらに、美味しいということしか分からない。
このポテト、パッと感じる刺激的な甘さはよく知っている慣れ親しんだアレ。安くてウマい…なかなかアイツ等も罪深い。
しかしこちらは高くてウマいポテト。
1歩先がある。
中のほっくり具合が、尋常ではない。
ホクホクのジャガイモそのものだ。
ここまでジャガイモ感を残して、表面だけ薄くサックリと揚げている。
バリバリな揚げでは無い分、ヘルシーなのでは?と思えてくる。
「M」なお店のポテトのポテトの方が好きだ、という人も絶対いるはずだ。ああいうのは中毒性もあるしね。
それはそれで、「だから味覚音痴」みたいな否定は必要ない。
好みの問題は、自分が好きと思ったものが正義なのだから。
ただ、色んな味を知った上で、それでも自分はこれが好き!と言えたら良いよね、と思う。
栗とコーヒーのガトー
これを前にして、「可愛い」と「美味しそう」以外の感想が出てくる人がいるだろうか。
きっとそれは、私の住む世界とは別の次元の存在だろう。
可愛い。
美味しそう。
どこまでも濃厚な栗のアイス。栗を食べているようだ。でもヒヤッと冷たいから、アイスだ。
下にはビターな…チョコ好き、特にハイカカオ好きを自称する私もびっくりな程に深く色濃いチョコレートが敷かれていて。一口含む度に、「うほぉ!濃い!ありがとう濃い!!」と言いたくなる。
濃い、といっても苦みは薄く、チョコらしい甘さがしっかりと広がる。それと栗の甘さとのコンビで、程よい。
大きな栗がゴロリ。
大きいにも程がある。偶然の発見なのか人工的に生み出したのか分からないけれど、初めてこんな大きさの栗を見つけた人類はさぞかし黄色いざわめきを上げたのではなかろうか。私なら叫ぶ。
ケーキは、クリーム好きにはたまらな過ぎるやつ!
モンブランクリームとコーヒークリームと。
スポンジだって、そこにザラつきのようなものは一切なく、クリーム一緒にしっとりと溶ける。
甘いモンブランは、ブラックコーヒーと合わせるのが美味しいと思う。それがさ、一体化したら。
昔から王道のヒーローものは、合体して強くなって、1人では倒せない強敵を倒すのだ。
合体は凄い。
だからコーヒーとモンブランの合体なんてスイーツは、とんでもない美味しさをそこに顕現させてしまうに違いないじゃないか。
甘い甘い世界に飛んでいってしまいそうな片方の甘さを、もう一方がつなぎ止めてくれる。だからこそ、こうガツンと甘いのに、落ち着きある上品な味わいに凝縮されているんだ。
素晴らしい。
手前のベリーも。
一種だって誰もきっと怒らないよ?
でも、ラズベリー、ブルーベリー、フランボワーズと3種も使って。茶色のクランブルに並べてハーブも添えて。これはもう、花壇だ。可愛い。
そういうこだわりが、期待を超えてくるのだ。
全く全く、とんでもない。
食べたいものが食べられなかった。
じゃあ次の日にまた来よう、みたいなことを昨日は書いたけれど。まあ、今回の場合は翌日に来ても駄目ね。開始してから、3週間後くらいに再チャレンジするとしましょう。
でも食べられなかったその日も、不貞腐れないで、その分美味しいものを食べようと気持ちを切り替えられればいいね。
そうすればきっと、意外な「美味しい」に出会えるものだ。
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