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"気まぐれ"を楽しむのも人生〜トロワアンジュ〜

スイーツを注文する時、何を思って決断するのだろう。

「俺はチーズケーキ一筋だぜ!」というような、好みによって。
あるいは「昨日チーズ系食べたばかりだし、今日はフルーツかな」とバランスを考慮したり。
はたまた、なんとなく直感で。「今日の気分は何かな」と自分に問いかけるのかもしれない。

いずれにせよ、客は自分の好きなものを選べる。

では、お店側は…?

季節のメニューが豊富な店では、メニュー開発も苦労のひとつなのだろうけれど。
コーヒーを専門とした喫茶店なんかでは、スイーツは定番の数種類のみ、というところも多い。
飽きないのかな、なんて思ってしまう。

飲食店を営むからには、作るのが好き、という人も多いだろうに。


先日、素敵なメニューを見つけた。
お店側にも自由が許される、楽しいメニューを。

*****

トロワアンジュ

相武台前駅でドルチェカサリンゴを楽しんだ後。

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近くでゆっくり過ごせるカフェがないかなと探す。

相模大野まで検索範囲を広げ、心惹かれる喫茶店を見つけた。

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「コロナ禍のため、2時間制でお願いします」と申し訳なさそうに言われる。
でもコロナ禍じゃなくても、私基準だと2時間を超えるとお店に申し訳ないような気がしてソワソワしてしまうので、2時間、全然問題ない。
むしろ良心的な設定だね??

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おぉ、「プチ・クッキー」や「生チョコ」なら、2店目スイーツでも良さげ♪

...と、おっ?
「気まぐれデザート」・・・って、き、気になるっ!
(アイスクリームを使うことが多いです)というコメントも絶妙に可愛い。

気がついたら、つい注文していた。
それはきっと、一期一会の出会い。

待っている間、挙動不審にもお店をキョロキョロ。

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好きな喫茶店らしいカウンター。
めっちゃカッコイイ時計と、カッコイイ「トロワアンジュ」の看板。

うん、好き。

好きな空気に浸っていると、やってきた。
気まぐれが、やってきた。

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あ、可愛い。

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可愛い。
花の形のグラスってところがまた良いね。

構成としては、バニラアイス・クリーム・苺・チョコソースという、シンプルなもの。確かに、家でも甘いものを食べたくなった時に気まぐれに作りたくなる感じのやつだ。

パティスリーの計算し尽くされたような繊細な甘さとは異なり、どこか粗削りで勢いある甘さ。

注文したコーヒーは「ニレ」という苦みの強めなもの。

クリームたっぷりの甘いスイーツを一口。
綺麗な苦味の深い珈琲を一口。

ミルクを入れる必要なんてない。
甘さが苦みに溶けてゆく。
美味しさが何倍にも広がる。

相性の良さが、もはや別のスイーツを生み出すこの感覚。
アフォガートのそれに近いかもしれない。

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素直にド直球な甘さ。
高級で複雑な味わいよりも、いつか口の中に容易に思い出せるのは、こういうのだったりする。

気まぐれで立ち寄った喫茶店で、気まぐれに注文した珈琲とスイーツ。
マスターが気まぐれで作ってくれるメニュー。

「気まぐれ」って、「テキトー」みたいなイメージに思えるけれど、過去にも未来にも出会えない、"今の私"だから出会えた奇跡みたいないのだなあ、なんて思うと、とても尊い気がしてくる。

根拠ある理屈ばかり並び立てる人生は、少し疲れる。たまには気楽に、気まぐれに。
その瞬間の出会いを大切にしたい。

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