だからやっぱり、チョコレートは「美」である〜マキアージュショコラ〜
さて、これはなんでしょう??
マキアージュ。資生堂の化粧品ブランドである。
あぁ...300日以上スイーツのことばかり語ってきたこの食欲ばかりのnoteもついに終わりを告げるのか。
私もいい歳した女だもの。
食欲がコロリと色欲に変わったっておかしくない。
でも残念。その時は私にはまだ来ないらしい。
だってこれは、化粧品じゃなくてチョコレートなのだから。
チョコレートと同じデザインのアイカラー。
あるいはアイカラーと同じデザインの、チョコレート。
マキアージュと資生堂パーラーのコラボ商品だ。
ファン層を広げるため、などと銘打って、人気者とのコラボやブランドイメージを強調するコンセプトカフェを展開する動きは近年よく見られる。
よく見られるから飽きるか、といえばそうでもなくて。コラボの組み合わせは無限大。自分の好きなものがそれに関わっているとなれば、どうしてもそれに興味がわく。よく知っているもののまだ知らない一面を見てみたくなる。
マキアージュは私も時々使う。それになによりも、資生堂パーラーがめちゃくちゃ好きだ。大好きだ。
化粧品を模したそれは、いつもの資生堂パーラーとちょっと違う姿を見せてくれるのだろうか。
スノーボール
”くるみのリキュールで香りをつけたアーモンドガナッシュ”だなんて、もの凄く粋な説明が付いている。
くるみのリキュールって、なんだ。そもそもそれを飲んでみたい。名前から美味しそう。ケーキなんかでも使われているのかな。
ガツンとした甘さに、ほんのりナッツの芳ばしさが浮き立つ。ブロンドチョコレート。色も少しくるみっぽさがあるが、味わいもこれ、凄く合ってる。ビスケットの甘さにその不思議な甘さが染み渡る。余韻もなんだか、なんて表現すればいいんだろう。コックリ、ちょっと深くて、ちょっと軽い、冬に備えたリスの宝物、というような、なんだか不思議な甘さが溢れる。
ミントショコラ
分厚いビターチョコがバリンと割れると、爽やかに甘いミントが香る。
ビターチョコとミント、ガッツリかためのチョコとトロンと滑らかなクリーム。全体的に力強い印象でありつつ繊細な美しさを保つ、対照性を強調した良い構成だ。
ミント菓子に結構多い、無理やりに強力なハッカ感ではない。その爽やかさは柔らかく。上品なまろやかさが凄く、凄く素敵なのだ。
ミントの刺激を求める人には物足りないかもしれないけれど、それだときっと厚化粧。このくらいの柔らかさがちょうどいい。
クリームミルクティ
ホワイトチョコが分厚い!!
バキリと大きく割れた中から柔らかな紅茶のガナッシュ。この感じは、上のミントに近いのだけれど、ホワイトチョコだと分厚い割れ方もなんだか柔らかい。
それにしても、ホワイトチョコと紅茶にほわりとブランデーの香り。この組み合わせはずるい。媚薬というか、これを纏えばウットリした気持ちになること間違いなしじゃん、と容易に想像できてしまう。罪深き、気品漂うミルクティーなチョコ。
この、白に包まれた薄くて濃い、上品な感じの茶色がずるいんだ。
キャラメルガナッシュ
ロゴが入っているから、なんだか主役感があるよね。
ミルクたっぷりな甘さで分厚いチョコ。
柔らかなキャラメルガナッシュのコクある甘さとほんのり感じられる塩気が堪らない!!チョコとキャラメルの組み合わせなんて、天才的な発明をしたのは誰だ。甘いと甘いの掛け合わせ。それなのに、ほのかに塩気と苦味を持ち合わせるキャラメルが、その甘さを爆発的に引き上げる。天才だ。
ブランデーの香りがまた、キャラメルの深みをプラスして、ちょこっと大人な色気。子供っぽいお菓子という印象の強いキャラメルの可能性を広げる、革新的で懐古的な味わいだ。
甘さと一緒に優雅な気持ちが溶け広がる。
ラズベリー
コリン、ポリンとした割れ心地、ザクリと独特なフィユティーヌの食感。
そう、"フィユティーヌ"と書いていた。私は"フィヤンティーヌ"と表現することが多いのだけれど、どの呼び方が一番主流なんだろうね。でも"フィユティーヌ"は初めて見たかもしれない。
スイートチョコとあるけど、わりとビターで。
なんだか真っ暗な夜空に吸い込まれそうな気持ちになる。
その中で、ドライフランボワーズの可愛らしい甘酸っぱさが輝き弾ける。それは夜空の中で、無限に広がる星みたいだった。
これ、美味っ。美味しい、とてもオイシイ。
流行っているから何でもコラボ、というのはあまり好きじゃない。でも時折、異常なまでに担当者の好きを詰め込んだようなコラボもあるから見逃せない。
適度にお酒を交えて大人オシャレな雰囲気を生み出しているあたり、この化粧品なチョコはとても良い。物語性のある、筋の通ったコラボになっている。とても良い。
そしてこのコラボは、ある最高に大事なメッセージを含んでいる。美を意識する女性たちに向けて、チョコはこんなに美味しくて、美しくて、食べている人たちも美しくなれるんだよ、と。
チョコレートは、美の敵では決してない。
そしてまた、男性がこれを買うことだって、全然恥ずかしいことじゃない。だって、チョコは皆にとっての正義なんだから。
良いコラボには、そんな特別な思いが込められている、かもしれない。そういうことを考えてみるのも、結構楽しい。
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