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選ばれなかった話。今の真実。~ウェスティンホテル~
いつだって100%の気持ちを込めて書いているけれど。それは書きたいことの100%では全然なくて。
自分の中にある引き出しから”書きたいもの”を取り出してからも、取捨選択を繰り返している。
そうしてお蔵入りしてしまったものも数知れず。
でも、その選択か零れ落ちたものが、選ばれたものよりも劣っていたり自分の中で大事じゃないなんてことは全くなくて。
ただ単に、”その時”じゃなかっただけ。
昨日、ホテルスイーツの話を書こうとして、どんどん逸れてしまった。
書こうと思っていた話題が、お蔵入りになった。
これまでも何度か取り出してはそっとしまいこんだお店だったのだけれど。
そろそろ書きたいな、という気持ちが今日まで残っていて。
きっと昨日でも過去のいつかでもなくて、”今”がそのタイミングだったんだと思う。
*****
ウエスティンホテル東京
恵比寿ガーデンプレイスのあたりにあるホテル。
嵐だろうが、駅から地下を通っていけちゃうのが便利だ。
アフタヌーンティーも大人気なのだけれど、私はパフェがお気に入り。
3種類展開で、メニューが切り替わると大体ファッションプレスあたりで取り上げられるので注目している。
初めて訪れた時。
もうひとつ。
芸術的なんだけど、こういうやつの写真撮り慣れてないのがアリアリとしているね。
でも、その見た目の美しさとパーツ毎の美味しさ。
一口スプーンを運ぶたびに世界に彩りが増すような感動を今でも覚えてる。
「このサクサク!」「えっ、ココッ、シャーベットだよ!?あ、とろける!」「生チョコだよ!生チョコ!ナニコレ!?美味しいんだけど!」
見れば分かる、ということを、思わずいちいち報告しながら食べてしまう。
1人でこういうお店に行った時は、そういうやり取りを自分の頭の中で繰り広げるのだけれど、誰かといる時には言葉にする。
どちらの瞬間も好きだし、どんな場合でも私は美味しいスイーツが好きだ。
先日、再び訪れる機会があった。
今回は、「パフェだけじゃ足りないんじゃない?」との一言で、最初にサラダを注文。
サラダ+パフェって…。
...んまっ!
パンや野菜をフムスにディップして食べる、っていう、お洒落でありつつもシンプルなものではあるけれど。
まず野菜が美味しい。
いや切っただけだよね?
でも家で人参切っただけで、このポリポリとした心地良い食感と全身に染み渡るような素材の甘み、出せる?
美味しくなれの、魔法かな。
ちょっと意味が分かりません。美味しいです。
そしてパンの芳ばしさもね~。
もう、野菜もパンも、ディップせずとも美味しいのだけれど。
そこは贅沢に、大好きなフムスをたっぷりと添えて。
甘くてピリリとスパイシーな味わいが堪らんっ!
おおっと、サラダの話だけでお腹いっぱいになっちゃう。
パフェの話をしよう。
「フランボワーズ&ピスタチオ」
これがパフェと呼ぶかは微妙なところだけれど、まあ「3種のパフェ」という展開の仕方だから、パフェということにしておく。
ベリーとピスタチオは、王道の組合せ。
なのだけれど...。
ピスタチオのアイス、ペースト、ロースト、メレンゲ・・・。
ベリーだって、ソースやジャム、ソルベ・・・。
それぞれが、お前ら何変化するんだよ!
と、様々な形で散りばめられていて。
それはまるで、ピスタチオとベリーの紡ぐダンス。
主役がテンポよくクルクルと入れ替わり、どちらも主人公。
楽しくて、いつの間にかその世界観に引き込まれる。
魅了される。
フランボワーズブランデーに、気付かぬ間に酔ってしまうのかもしれない。
「ショコラ ノアゼット」
ひと目で分かるね。
あっ...これ、チョコ好きイチコロの奴だ…。
縦に長~い、薄いチョコプレートをポリポリしながら、どう食べ進めるか、戦略を練る。
まあ、縦長グラスだからそれほど自由度は無いのだけれど。
生チョコ...それとも、いきなり杏子いっちゃう?
あぁ、勿体ないから、小さくナッツをポリポリ食べるか。
いやいや、ここはグッと深くすくって...。
いいから食え。
はい...。
ホテルオリジナルのウイスキー香るチョコレートケーキや生チョコレート。
広がる香りが、ヤバイ。
こういう感想に「ヤバイ」という表現は、ただの自己満足な伝わらない低レベルな表現だなとは分かっているけれど、でも思わず漏れちゃう。
「ヤバイ・・・」
このウイスキーがかなりガツンときいていて。
香り付けレベルじゃなく、しっかりウイスキーの味が分かるほどに効いていて。多分お酒弱い人は、これギブアップなやつだ。
でも好きな人にとっては、堪らないんだなこれが。
あんず酒と蜂蜜のたっぷり染み込んだアプリコット。
大きくたっぷり入った楽しく香ばしいナッツたち。
全てがチョコの美味しさを引き立てる。
とても、美しいハーモニーを堪能できた。
**
情報の鮮度は、大切だ。
美味しいものを食べたり、素敵なイベントに参加した体験の感想は、いわゆるスピードと正確さが命の”情報”とは違うのかもしれないけれど。
それでも記憶は薄れ、形を変えていくから。
できるだけ早く書き残しておくことの意味は大きい。
けれど、時間が経ってから思い返すのも悪くない。
記憶は薄れる。そして上塗りされる。
それは”事実”とは異なるのかもしれないけれど、その後の色々な経験をたっぷり含んだ色で厚塗りされたその記憶は、きっと今の自分にとっての”真実”だから。
例えばその時「辛い」と思ったことも、今思い返せば「楽しかった」に変わっているように。
お蔵入りして、誰にも語っていない話がたくさんある。
多分、誰にだってある。
そんな話をふと気が付いた時に拾い上げてみると、自分の思っていたものと全然違う形になっていたりして。
そういうことが、楽しいんだ。
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