クリスマススイーツなんて買うものか～ザ・ペニンシュラ ブティック＆カフェ～

クリスマスが近くなってきて、皆さんはワクワクと心躍らせる日々をお過ごしだろうか。
私はデパ地下を通る時など、自分との葛藤が一層大変で、なかなか苦労している。だってだって、クリスマスのスイーツがどれもこれも可愛らし過ぎるんだもの！！！

同時に早くもバレンタインに向けてなのか、味にこだわりのあるチョコの海外ブランドとか入ってきたりしてね。
いい加減にしてくれ。
財布と賞味期限と健康と体型は、その欲望を満たすことを決して許してはくれない。

我慢するぞ、何も買わないぞと気を引き締めて行って、どうしてもどうしても誘惑に負けてしまったものだけつい買っちゃうくらいが丁度いい。

それは、完全敗北だった。
可愛過ぎた。

ザ・ペニンシュラ ブティック＆カフェ
プティ　プッシュドルフ

トナカイ！！！

このお店は、イートイン限定のデセールが美し過ぎて、時々メニューが変更されていないかチェックしている。

でも最近、なかなか変わらないんだよなあ。

で、ショーケースの中の持ち帰りもできるケーキを覗くと…あぁ、可愛い。チョコレートのつぶらな瞳で「買って♡」と言っている。

クリスマスツリーや雪の結晶なケーキもあったし、カシスのモンブランは残り1個だったから人気者なのかもしれない。
でも…トナカイが、「買って♡」と言っている。

し、仕方がないやつめ。
今回だけだぞ☆

あ～～激カワッ！！！

……で、コレ、どっから食べるの？？？
スタンダードに考えると、ナイフを丁度首のあたりにスッと入れるものな気がする。えっ、そんな残酷なことする?
いやいやいや、これまでだって幾度もそんなことはあったじゃないか。
冷静になれ。
美味しいものを食べる為には必要な犠牲。感謝しながら冷酷無慈悲にそういうのも食べて行くとあの日誓ったじゃないか。

……無理！！！

尻尾の方から、ね。
あぁ、でもこの食べ進め方、断面がいまいち見えなくて寂しい！！！

真っ赤なトナカイちゃんの中には、たっぷりの柔らかなチョコクリームが詰まっている。オレンジがしっかり香るフレーバーティーのようなチョコ。柔らかでミルキーで滑らかで。明らかに上質な、良いお店感ある高級なお味だ。

もっと大衆的な、気軽に行けるようなお店のチョコケーキだって、今や非常に高レベルで美味しい。
でもそういう「美味しい」「美味しくない」の基準では測れない何か。
例えば身分が違ったところで同じように頭の良い子はいるけれど、育ちの違う貴族と庶民では醸し出せる気品がどうしても異なるような、そういう次元の話。どちらだって魅力的で優劣を付けるものでは無いのだけれど、そこにはお互いに越えられない一線がある。

そんなことを思わせる、まあとにかく物凄く最上の香り高いチョコ様だったということ。いいご身分のトナカイだこと！

滑らか過ぎるチョコから、ムニッとキュキュッと、甘くて甘酸っぱい小さな果実がポロポロと入っている。
この量が凄く良い感じで、下までフォークをおろすとその一口に大抵1,2粒は入っているくらいの量。チョコの素晴らしいオレンジ香るお味を壊さず、程良いアクセントになる。

そして勿論、角に使われているホワイトチョコまでもが惜しみなく美味しい。

可愛過ぎん？？？

さてさて、クリスマスまでに食べたいスイーツは沢山あれど、実は食べられる期間は非常に短く、早くも残り僅かな気さえしてくる。

私はもう、クリスマススイーツを買うつもりはない。
断固。決して。
この固い決意をいとも簡単に破壊してくれるクリスマスの強者たちよ、かかってこい。…お手柔らかに、程々にね。

私はクリスマススイーツを、もう買わない。