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(絵本)Chwile z motylem[蝶とのひととき]

この絵本は、1968年ポーランドのワルシャワで発行された絵本である。
挿絵は、ミェチシュワフ・ピオトロフスキ(Mieczysław Piotrowski)が描いている。
彼は、1910年リヴィウ生まれで、ワルシャワ美術大学を出た。
作家、小説家、映画脚本家、児童書の著者でもある。

私がワルシャワでこの絵本に出会った時、軽い衝撃を受けた。
絵が、子供の絵・・に、とっても近いからである。
まるで子供が描く絵、そのものの様にも錯覚した。

子供は、生まれてから自分の周囲にあるモノに対する認識は、白紙である。
まっさらなノートに、少しずつ周囲の世界で見たもの、体験したことを記していく。世界に対する認識がまだ無い状態、あるいは希薄な状態で描く絵は大人がマネを出来ない。

経験、既成概念、常識、社会の共通認識などなどを詰め込み過ぎた我々の感性では、子供が描く絵を画けない。

画家を生業としている多くの者達は、その点・・つまり世界に対する原初の認識に関して興味を持つ。
ゴッホやセザンヌ、ゴーギャンなど多くの画家も既に身につけた既成概念や「常識」との精神的な戦いがあったと思う。

名前を忘れたが、日本にも子供の絵に近い作画をされている作家がいたと思う。

美術大学を出て、この様に「子供の絵に近い」挿絵を描ける作家が何を研究していたのか、とても興味がある。

表紙

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