私だけの世界

理想的な暮らしとは?

utopia:ユートピア の意味をざっくり調べると、
「空想された理想的な社会。 理想郷。」とある。
童話の世界だと、王子様と結婚して大きなお城に二人で住む…
ステレオタイプな例だとそんな所だろうか?
現代でも、高収入の方と結婚をし専業主婦になって家庭を築く…
そんな理想郷を夢描き、新卒入社から数年後に寿退社した先輩がいたことを思い出した。

同僚達は、「羨ましい!」「私も後に続きたい!」「婚活しなきゃ!」と
思い思いの声を漏らしていたことを覚えている。
一方の私は、何を思っていたんだろう?
シンプルに「そんな生き方を望む人もいるのかぁ」と思っていた気がする。

幼少期から朝から夜まで働く両親の背中を見ていた為か、
学校から帰ると親がいるという空間が不思議に思う人間なのだ。
嫌というわけではなく、経験したことがないから”違和感”がある。

小学生の時に、家にお母さんがいなくて寂しかった?と母に尋ねられた事があるが、答えはノーだ。暇ではあったが、寂しくはなかった。暇だからこそ1年生の時から自分の意思で小学校の水泳クラブに入り、途中からそろばんも習い始めた。水泳大会・資格取得に燃えていた私にとっては、放課後の時間は寂しさを感じる暇もなかったように感じる。

そして、私は今も昔も変わらず本を読むことが好きだ。
休み時間や、水泳クラブがお休みの時、アレルギーの治療で体調が悪い時など学校の図書館に入り浸っていた。図鑑・絵本・児童小説…高学年になると本格的な小説なども読んでいた。壁一面に並んだ本を眺めては、「これも読んだ。これも、これも。」と、本の背表紙を指でなぞりながら悦に浸る少女だったことを覚えている。

私の理想的な空間は、大好きな本に囲まれた場所のように思う。
幼少期の思い出補正(フィルター)がかかっているかもしれないが、
放課後、カーテン越しにオレンジ色の夕日が射した図書室の空間が
私は大好きだった。

静寂に包まれた空間。
図書館の外から聞こえる賑やかな声。
窓辺からそよぐ心地の良い風。

持ち出し厳禁なものをこっそり持ち出して…
紅茶と手作りのアールグレイスコーンを机に置いて、
私による私のためだけに開かれるお茶会を
いつかこの手で開催したいな。

「In a World of My Own」
1957年にディズニーで公開された”ふしぎの国のアリス”
「これはこう!って決まりは何一つないのよ。」
「すべてトンチンカンでみょうちきりんであべこべなの。」
私はこのセリフが大好きだ。

型にはまった生き方は私は性に合わない。
私の大好きが詰まった空間作り。
アリスがうさぎを追っかけたように、私も
夢に向かって全力で走り出さないと。

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