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『ペドロ・パラモ』フアン・ルルフォ作 杉山晃・増田義郎訳

 橋本陽介の著書『物語論 基礎と応用』で紹介されていたので読んだ。物語の語り(ナラティブ)についての論だったので、興味を持ったのだ。

 小説を読んだのは本当に久しぶり。短歌を始めてからここ20年ぐらい、小説やマンガなどストーリーのあるものが読めなくなった。(コミックエッセイは読めるのだが。)創作されたストーリーがどれも嘘くさく、また説明過多に思えてしまうのだ。

 この小説は記憶の断片の連続のようで、抵抗無く読めた。小説を面白いと思ったのも20年ぶりぐらいかもしれない。そう言えば大学時代は、授業で読んだラテンアメリカ文学の掌編に幾つか好きなものがあったから、その空気感が好きというのもあるかも知れない。

岩波文庫 1992年10月 600円+税

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