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ポカポカの息子を抱っこした、せつなくていとおしい冬の日

冬、息子を抱いて、いつもよりもポカポカしていると、ドキドキした。

熱がある?
急いで測る。

何度?
36.8度。
セーフ。
ふう。

37.5度を越えたら、保育園へ連れていけない。

機嫌がよくて、いつもと同じ感じでも、要注意。

連絡が来ることがあるから。


「怪しい」
そう感じた日は、あわてて仕事をする。

「登園させないで、家で様子を見ればいいじゃない」
そういう人もいるけれど、当時はリモートワークもなく。
あったとしても子どもがいたら、仕事にならなかった。

だから今も、家で困っている人は多いはず。


仕事中に電話が来る。
「発熱していますので、お迎えに来てください」
「はい!! なるべく早くいきます!」

あわてて各所に電話して。
バタバタと片付けて。
持ち帰る仕事をまとめて。
・・・ほとんどできないのに。

そんなことが何度もあった。

お迎えに行くと、息子が待っている。

トロンとした瞳で、ほほが赤い。
抱っこすると、ポカポカ暖かい。

明日の手配や、今日の家事で頭はいっぱい。

家に帰って、お布団に寝かせる。
のぞきこむと、いつもよりも幼く見えて、頼りなげで。

「おかあさん・・・行かないで」
「そばにいて」

うるんで、キラキラした瞳でいわれると、離れられない。

(おかゆを作らなきゃ)
(病院へ行った方がいいかな)

考えながら、そばに行く。
いつの間にか、添い寝してしまって。

はっと目が覚めると、もう日が暮れていて。
「・・・やってしまった!」
青ざめる。

息子をのぞき込むと、赤い顔だけど、スヤスヤ寝ていてほっとする。
そうっと起きて、ほとほとおかゆを炊いた。

静かな、夜。

深夜に仕事を少しだけ、した。


高熱でオロオロした日もあったけど。
ダーッと吐かれて、シーツを何枚も洗濯した日もあったけど。
子どもから移って、寝込んだ日もあったけど。


ふと思い出す、あの静かな日。
ポカポカの息子の、湯たんぽみたいな温かさ。

しんどかったけど、
あのあどけない姿を思い出すと
胸がキュン、とする。

「おかあさん、そばにいて」

いとおしくて。
せつない、夜。


息子が2,3歳のころ。
発熱して何度もお迎えに行きました。

アヤコさんの小説を紹介しますね。泣けます。


こんなマンガもあります。病児保育施設を舞台にしたストーリー。
ドラマ化もされています。
37.5度以上の熱を出すと保育園で預かってもらえないので、時として病児保育施設に預けるんですよね。

私のころはまだ充実していなくて、預けたことはありませんが。
「病気の子どもを預けるなんて」といわないで、事情のある方を見守っていただけるとうれしいです。

※イラストはあまのこさんからお借りしました。ありがとうございます。

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