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僕は校閲好きな営業マン②

 ①では、学生時代の僕の校閲との出会いを書きました。

 今回は、校閲好きの僕が営業マンに就職した後について書きます!

🖊とにかく校閲したい

 研修を終えて、営業部署に配属されると、最初のうちは報告書の整理や書類のホチキス留め・配布などが主な仕事でした。
 暇なので配布する書類を眺めていると、先輩や上司が書いた文章が気になる、気になる、気になるわぁ。ということで営業マンのつくる書類における、個人的気になるわトップ3を発表します。
・第1位:「いたします」と「致します」の使い分け
例)「よろしくお願い致します」ではなく「よろしくお願いいたします
・第2位:「ほしい」と「欲しい」の使い分け
例)「メールをして欲しい」ではなく「メールをしてほしい
・第3位:「鑑みて」の使い方
例)「前例を鑑みて」ではなく「前例に鑑みて
※細かく解説すると長くなってしまうので、気になる方はぜひ調べてみてください!

🖊我慢できず先輩に指摘→怒られる

 上記「鑑みて」を好んで使う先輩がいたので、どうしても我慢できず使い方について指摘してしまった。思い返すと、立場をわきまえろ、ですね。
 とはいえ、学生時代に相手を不快にしない指摘の仕方も学んだつもりでした。すべてのノウハウを駆使して指摘をしました。「うっせえわ。そんなんどっちでもいいんだよ!どうせ報告書なんて読まれないんだから!」と怒られました。
 読まれないのか…。
 でも、その日を境に先輩の書類には「~に鑑みて」と書かれるようになりました。ニヤリ。

🖊文章を読み、理解するスピードで他を圧倒した

 おそらく数千本の記事を学生時代に校閲したおかげで、文章を読むスピードが劇的に早くなっていました。僕の校閲のやり方は「文章を文字の集合体として読む」の後「文章を文章として読む」ことで、誤字•脱字のチェックと内容のチェックを行います。
 プロ校閲の方は、これを1回の読むで行っていました。4年やそこらじゃ、その神の領域にはたどり着けません。それでも、この読み方が染みついたことで、内容理解をしっかりとしたうえでの速読が特技になりました。
 欠点は、上記のとおり別に校閲をしなくていい場面でも、校閲してしまうことですね。

🖊いつの間にかチームの校閲担当になる

 気づいたらなっていました。校閲と明言されるわけではありませんが、僕の作成する資料が読みやすい・分かりやすいと評判になり、気づけば先輩も後輩も提出前に僕に資料を見せてくるようになりました。
 シンプルに仕事が増えて嫌でした(笑)。これも長くなってしまうので詳細には書きませんが、読みやすい文章って漢字と平仮名の黄金比みたいのがあるんですよね。ビジネスの報告書なので、漢字が多くなってしまいがちなのですが、平仮名の使い方を意識することで、格段に読みやすくなるんです。
 後輩の書類はそこまで指摘を入れてみました。先輩は怒られるのが嫌なので、本当に気になった誤字・脱字と言い回しのみ指摘しました。
 校閲担当は本当に面倒なのですが、他人の書類に目を通すので、自分の担当案件以外の案件にも明るくなります。自分が持っていない営業のノウハウなんかも盗むことができるので、それには大きな価値がありました。

🖊フリーコウエツァになる

 書く道に進んだ友人の記事や後輩のエントリーシートをなぜか校閲しました。頼まれると断れない性格なのです。僕は営業マンとして働きながら、フリーで校閲する人「コウエツァ」になったのです。
 報酬はないので副業ではありません。たまにLINEでスタバのギフトカードがもらえます。便利な時代になりましたね。

🖊note経由でもコウエツァに

 本人了承済なので書かせていただきます。僕の記事を読んでくれた方からX(旧Twitter)でDMをもらいました。「表現や言い回しが秀逸だ。どこで学んだのか」という内容でした。僕はかくかくしかじか、今回の記事に書いた内容をご説明しました。
 詳細は伏せますが「校閲してほしい記事があるのですが」とのことだったので、校閲を受けることにしました。送信してもらった記事を校閲して返信したところ、とても喜んでくださいました。「校閲仕事にした方がいいですよ」と仰っていただいたのがうれしかったです。
 正式なビジネスのやり取りではなかったので今回限りとし、報酬は受け取りませんでしたが、律儀な方だったのでスタバのギフトカードをいただいてしまいました。ありがとうございます。スタバ飲んでばっかりですね。noteで不思議な縁ができました。

🖊さいごに

 校閲の経験は営業の仕事に大いに役に立っています。余計な仕事も結構増えましたが、それも含めて良かったと思っています。
 今は育児休業中なのでnoteで自分の記事を書きつつ、暇さえあればクリエイターさんの作品をかなり読んでいます。「創作大賞」の記事が多いのですが、明らかな誤字・脱字と思える箇所があった場合、大変失礼ながら指摘のご連絡をさせていただいたりしています。大変失礼なことをしてしまっております。自覚はあります。マジでごめんなさい。画面の前で土下座しながら送っています。もちろん周りの目に触れないようにです。
 noteの仕組みはまだよく分かっていない部分もあるのですが、創作大賞は締切後に審査をされるんですよね。素敵な作品だからこそ、その時に誤字・脱字が減点対象にならないといいなぁと思うのです。そう思うと、頭を床につけながら送信ボタンを押してしまっているのです。それだけなんです。創作大賞以外の作品には決して送っていません。お許しください。

 学生時代の僕は、ただ誤字・脱字を見つけるのが楽しくて、表現を採用してもらえるのがうれしくて、校閲をやっていました。
 校閲を生業としている方は、きっと楽しいだけじゃなくて、記事や作品の魅力を最大限引き出すために校閲をしてるんですよね。大リスペクトです。

 素敵な記事の背景には、地味にスゴい校閲があるんです。


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