[アニメ感想] Vivy -Fluorite Eye's Song-:歌で世界は変わるのか。変わると信じたい。
最初に言ってしまおう。
2021年、私にとっての最高傑作だった。
ストーリーも音楽も素晴らしく、そしてアクションシーンも最高にかっこよい。
わりとシンプルな絵柄なんだけど、時々AIたちの描写がやたらとリアルになって、艶っとした質感がぞっとするほど美しかったりする。
物語が始まるのは2061年4月11日。世界初自律人型AIであるディーヴァ(愛称 ヴィヴィ)は、「歌でみんなを幸せにする」という “使命” を与えられて、AI複合テーマパークで歌っていた。
※自律人型AIというのは個性を持ったAIが搭載されたアンドロイドみたいなやつ。
そこへ、謎のAIデータ「マツモト」が接触してくる。
ちょうど百年後のその日に、AIたちによる人類の抹殺が始まり、それを阻止するために「松本」という人物によって「マツモト」は作られ転送されて来たのだと言う。
その計画の協力者にヴィヴィが選ばれたのだ。
この「マツモト」が最高に胡散臭くてよい。
こうしてヴィヴィとマツモトの百年の旅は始まる。
この物語はAI視点で物語が進むので、何となく人間が遠くにいる感じというか、本当にAIたちから人間を見たらこんな感じに見えるのかな…というふうに描かれているのがとても興味深かった。
永遠の時間を生きるAIたちと異なり、どんどん歳をとって世代交代していく人間…。
笑ったりわめいたり泣いたりしている人間。
かといって、AIたちは機械的になりすぎず、ごく自然に見えるので、そこがまたリアルだった。
舞台に立っていない時はなんかダサい部屋着みたいの着てるし。
これはAI視点で見た結構リアルな人類滅亡の物語なのである。
“AIによる人類滅亡を阻止する” というテーマは古今東西、既に多く語られて来たテーマであるが、そこへ “歌” という要素が混入して来ているのがこの物語の特徴であり、最大の魅力なのかな。
私は普段、人前で歌をうたう、ということをしている。
「歌で世界は変えられない」のかもしれない。でも私は世界を変えるつもり、そんな勢いで歌をうたっている。つもり。
目の前の誰かひとりでもいい。いまここで聞いているこの音楽で、その人の中で何かが起こるのであれば、世界は変わると言えるのかもしれない。
そう思ってずっと歌って来た。
※生でライブなど見る機会が極端に減っているこの時代はまじでヤバいかも。
この物語はそういう話ではないんだけど、主人公のAIヴィヴィは歌うために生まれてきた。
そんな彼女が「歌でみんなを幸せにする」と言いながら人類を救う道へ進んで行くのが震えがくるほど胸アツなんだ。
AIが人の心を動かすような表現活動をするようにいつかなるだろうか。
なるだろうな…。
ちなみに、この物語は『Re:ゼロから始める異世界生活』の作者である長月達平氏と、アニメの脚本担当の梅原英司氏によって書かれた。
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