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書籍紹介「電子工作マガジン SPRING2023」(電波新聞社刊)

電波新聞社より年4回刊行されている「電子工作マガジン」を皆様にご紹介いたします。
今回ご紹介するのはSPRING2023(2023春号)です。

なお本誌が発売されたのは3/20。毎回「遅くなってしまってすみません」って言っている気がしますが、今回もド派手に遅れてしまいました。ともあれ今回も私が気になった記事を紹介してまいります。

簡単に「電子工作マガジン」とはどんな雑誌なのかについて説明します。その名の通り電子工作がメインの内容ではありますが、プログラミングやラジオ関連、アマチュア無線などエレクトロニクス全般を広く取り扱った情報誌です。自分で制作する系の記事が多いので、電子工学や情報処理系に興味を持つ学生さんや、プログラミング必修となった小中学生のお子様の保護者の方にもお勧めできる内容となっております。年4回発行です。

紹介の関係上、書籍の一部を撮影またはキャプチャーして掲載しておりますが、あくまでも記事理解を助ける範囲に留めるよう配慮しております。もし関係者の方よりご指摘をいただいた際には、速やかに該当部分を削除させていただきますので、何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

それではまず、気になったトピックスから。

リニアモーターカーミニ模型の製作

今回のトップ記事!1,800円でリニアモーターカーが動くって、これは小学生の自由研究でウケそうなテーマだなぁ。

難易度は★ひとつとあります(難易度は最大で5段階)。確かにこれ、抵抗やダイオードなど使わないので初心者向けかもしれません。ただしハンダ付けやテスターは要るようなので、そこら辺は電子工作の心構えが必要かも。クギに導線巻きつけて電磁石作るとか、昔やった覚えがあります。

記事中にはリニアモーターカーの原理や、現在着工中のリニア中央新幹線の仕組み説明なども載っているので、人に説明するときの参考にもなります。夏休みに向けてちょっと変わった自由研究のネタが欲しい方は、ぜひいまのうちに本誌を押さえておくと良いのではないでしょうか。

大橋照子さんとリスナーが新年会開催

大橋照子さん!かつて“たんぱ三人娘”のひとりとして人気を博し、「ヤロウどもメロウども Oh!」(通称「ヤロメロ」)や大橋照子のラジオはアメリカン(通称「ラジアメ」)などの番組で活躍されました。実は私も一時期「大橋照子のテルネット・イン」という番組内のWebページ制作で関わりを持たせていただいたことがあります。

当時いただいたリスナー会員証。長いことお守りのように持ち歩いていたのでボロボロになってしまっていますが、いまでも私の大切な宝物です。

記事中で照子さんが持っている「ラ製」にも要注目。この雑誌は正確には「ラジオの製作」といい、現在の「電子工作マガジン」の前身にあたる存在なのです。さらに言うと、かつてマイコンブームに乗って一世を風靡した電波新聞社の人気雑誌「マイコンBASICマガジン」(通称「ベーマガ」)はこの「ラ製」の別冊としてスタートしたのです。

「ラ製」は1999年で廃刊となったのですが、その後を継ぐように2008年より刊行された「電子工作マガジン」では2015年春号より「マイコンBASICマガジン」というコーナーが加わって現在に至っています。歴史は繰り返すと言いますが、昨今のプログラミングブームに乗って近い将来、「電子工作マガジン」の別冊として「ベーマガ」が再び蘇る日が来るのではないかと、そんな夢を抱かずにはいられないのです。

大橋照子さんに話を戻しつつ、ちょっと私の個人的な話をします。もともとラジアメがきっかけとなって大橋照子さんの存在を知り、以後「ラジオはカプチーノ」「大橋照子のこれでキメましょう!」「大橋照子のしゃべりバビデブー」と追いかけていきました。次第に照子さんファン同志ともつながりを持つようになり、遂に「大橋照子のテルネット・イン」で大橋照子さんご本人にご対面する機会にも恵まれました。

現時点では大橋照子さんの諸活動から離れてしまっているのですが、それでも私がいまなおラジオ聴くのを趣味で続けているのは、あの当時照子さんがラジオ番組の楽しさを教えてくださったからだと思っています。本当に本当に、心から感謝しています。

電子工作マガジン全面リニューアルのお知らせ

ほぉ…。

リニァーアルポイントがどれだけ反映されるかについては、次回の本誌を見て確認させていただくとしましょう(てことは、次回もこの紹介記事やるの確定なの?)。

記事中に「プログラミング教育を見据えた記事をさらに充実」とあるのですが、このあたりがどのくらい反映されるのかが気になるところ。この雑誌はプログラミング打ち込み層の受け皿的なところもあると思うので、初学者がこれ見てすぐ打ち込んでみて実践できるような、そういうものであってほしいのですよね。当方の勝手なワガママですが。

私的には2021秋号同年冬号で漫画家のくりひろし先生がやったパソコンレクチャーみたいな、あぁいう記事が言語別に充実しているみたいなのが最高だと思っています。別に漫画でなくても良いので。いまのプログラミングに関するページは、その、書いている方には本当に申し訳ないのですが、要求しているレベルが高過ぎると感じます。

まぁあくまでプログラミングド素人の意見ではございますが、どうかご一考いただけましたら幸いです。

時空を超えて!帰ってきたパソコンレクチャー 「GIGA IchigoDakeでロボットプログラムを動かそう!」

おっと前項でくりひろし先生の漫画をリスペクトしたそばから、さっそく次のカラーページで登場とは何とタイムリーな(たまたまだってば)。

この記事は前号からの続きでして、大阪でこどもプログラミング講座を開設している都亜紀先生が教材としている「DakeJackeCar」(GIGA IchigoDakeというコンピュータでプログラミングして動かすことができる車)について解説しています。前回記事では主に車の構造についての話だったのですが、今回はいよいよプログラミングについて踏み込んでいきます。

ここでは特にコマンドについて描かれた箇所だけを掲載しました。くりひろし先生(そして都亜紀先生)の素晴らしいところは「学ぶ範囲はとりあえずこれだけ」と定義付けるところにあると思っています。何でもそうですが、初学者が何かを学ぼうとしてつまづいて投げ出す理由は「どこから手を付けていいか分からない」というのがほとんどであり、さらに教える側が「あれも覚えておいた方がいい、これも知ってないと」とその時点での当事者には過剰に過ぎる知識を押し付けることにあると思っているので。

上記のコマンド群にしたって、プログラミングまったくやったことない人にしてみたらGOTOだって使いこなすのひと苦労だし、IFとかELSEは概念的に受け付けづらい人がどうしたっています。そういう人の心情にどこまで寄り添えるかが、この手のレクチャーのカギではないでしょうか(と偉そうに言ってますが、私もまったく人に教えられるレベルではございません)。

次号からリニューアルするという「電子工作マガジン」はこういうのを重点的にやってほしいと思うのですよ。本誌の主題である電子工作にしたってそうです。はんだ付けとか普通の人は学生の技術科の授業でしかいじったことないんですから(そういやはんだ付けについて一番詳しい説明を描いたのもくりひろし先生だったなぁ…)。

ちょっと話がそれました。この漫画の末尾で講師である都亜紀先生も「これだけ使いこなせれば基本的にはほとんどのことに応用がききますよ」とコメントされています。初学者には何とも心強いお言葉ではありませんか。

親子でDIY挑戦!マイパソコンを自作しよう

都亜紀さんつながりで今度はこちら。親子で自作パソコンを作る企画記事です。ちなみにこのくだり、前回の紹介記事書いたときのまんまコピペです…というのは内緒です(笑)。

ここに載せた過程はPCを自作するうえで避けては通れない「マザーボードに必要なものを取り付ける」という作業です(CPUとかクーラーとかメモリ、あとこの記事ではSSDも)。

はんだ付けとかしないので電子工作よりはラクですが、それでもしくじると高価なパーツが失われることもあります。このあたり、都亜紀先生がそれはそれは丁寧に、何と8ページに渡って解説しておられます。ここに書かれたことを理解すれば、同じ構成でなくともPCをパーツから自作することが出来るようになるでしょう。

なお今回はパーツを購入したお店でそのまま組み立てたとのこと。お店はこちらです。大阪ですが気になる方はご参考まで。

チャレンジ!!電子工作大作戦

今回は電子工作のメインページからふたつ紹介します。私自身が電子工作あまり得意な方ではないので、どうしてもそっち方面は手薄になることご容赦ください…。

サーボモーターとIchigoJamで作る6脚ロボットを作ろう!!

これは難易度も★ひとつ、そしてIchigoJamで動くというところが面白いと感じました。いや、何よりこのビジュアルですよ。

コナミの「グラディウス」シリーズに確かいたよなこんなやつw

これ作って飲み屋とかで披露したらウケるかな?なんて一瞬思ってしまいました。うーでも3,600円か。よっぽど気が向いたらやるかもしれません。

ソーラーパワーで鳴る電子オルゴールの実験と工作

これは工作に電導性テープというものを用いて作るようなので、通常の電子工作にくらべるとややハードルが低めかも。コストも1,300円と手軽です。

使用する電源も太陽電池なので、これも先に挙げたリニアモーターカーのように夏休みの自由研究でネタにしやすい題材だと思います。気になった方は本誌を押さえておくと良いですよ。さぁ!

ただひとつだけ私的に思うことがあるとすれば「これ自由な曲鳴らせないのかなぁ?」という点。使用しているICオルゴールがUM66Tシリーズ(またはHK66T)というものらしいのですが、どうもこれ、購入するICによって曲が決まってしまっているみたいです。

<参考>デジットBlog

うーん、「ラヴ・ミー・テンダー」とか「イッツ・ア・スモールワールド」とかあるんだ…。まぁ確かにそれもいい。いいんだけど、やっぱり私的にはみのり…コホン、自分のお気に入りの歌手とか流したいじゃないですか?そういうの、出来ないのかなぁ…?(My mother!!)

ま、そのあたりは個人的な課題として持っておこうっと。

マイコンBASICコーナー、読者投稿プログラム

本誌恒例の読者プログラム紹介コーナーです。今回は3本のプログラムを紹介します(うちこちらで試したものは2本)。

なおこのコーナー、次号から募集対象ハードウェアを拡大するとのこと。その中にはラズパイも含まれています。ってことは、まさかのPi STARTERとか投稿してもいいの?いいの?
(あれもうTSUKUMOサイト行っても売り切れなんだよな…😢)

それではさっそく紹介してまいります。

クロブター(IchigoJam1.2以降)

クロブター
作者(ペンネーム):黒豚 機種:IchigoJam1.2以降
■ゲーム内容
左側にいる黒豚の皮をかぶって偽装した戦車クロブターを右側まで安全に移動させてください。地面には穴があいていて落ちるとゲームオーバーになります。

タイトルから当然ナムコのあれを思い浮かべましたが、あれとはゲーム的に一切何の関係もなさそうです。それはともかくとして…。

このゲーム、私の入力ミスでなければ、クロブターが弾を発射しない限り前身しないルールですよね?時間はかかるけど1を連打していれば絶対に負けない気がするのですが…(点は下がりますけどね)。
そこまでコスいプレイをしなかったとしても、自機のすぐ隣が穴だったら1を押しとけばゲームオーバーにはなりません。私、これ何か間違えてるのかな?何度もリスト確認したのですが…。

そんなわけで私の感想としては、これむしろゲームオーバーになる方が難しいゲームだという気がしました。それが本作のコンセプトなのか?これの関係者の方、もし見ておられましたら私の解釈の問題点を指摘していただけるとありがたいのですけれども…。

立体視レイトレーシング(プチコン3号)

立体視レイトレーシング
作者(ペンネーム):Mino 機種:プチコン3号
■内容
3DSの裸眼立体視を使ったレイトレーシングです。

私がプチコン3号を所持していないので試した感想は書けないのですが、ニンテンドー3DSの立体視機能を用いたという点においては高く評価されるべきと思います。
3DSの立体視機能は最初こそ珍しがられたようですが、「眼が疲れる」「わざわざ3Dで遊ばなくとも…」等の理由でずっとOFFにしているユーザーが多いと聞いています。せっかくの3Dハードなのにもったいない。そこに目を付け、立体視機能に光を当てたことは素晴らしいです。プログラミング的にも右目と左目を別々に計算しそれぞれのスクリーンに提示するなど、工夫して作られたことが伺えます。

ヒヤリキャット(IchigoJam1.2以降)

ヒヤリキャット
作者(ペンネーム):こてつくん 機種:IchigoJam1.2以降
■ゲーム内容
宇宙猫がUFOから逃げ出してしまいました。UFO探索中に何かキーを押して地球に住み着いてしまった猫を捕獲して持ち帰ってください。高い所から猫を捕獲すると高得点です。

移動するUFOで地上の猫めがけて捕獲用ビームを放つゲーム。猫を救出すれば得点になるが、何もないところを撃つと直ちにゲームオーバー。

「宇宙猫を救出する」という設定の本作ですが、UFOが地上にいる猫をビームのようなもので捕獲するその様はどうしてもキャトルミューティレーションを想像させられます。むしろ宇宙人が人間を捕獲するゲームという設定で遊んだ方が…まぁどっちでも一緒か。宇宙人でもいいけど、とりあえずネコちゃんは大切にしてあげてくださいね。

ではまた次号にて!

そんなこんなで、今回も大変遅ればせながら「電子工作マガジン」2023春号を紹介させていただきました。基本的に私はごく簡単なプログラミングしかできないので、正直私がこんな紹介記事書いててホントにいいのかなと思っているのですが、読んでくださっている皆様から何かしらの反響(twitterやfacebookのイイネとかでも)がある限りは、空いている時間見つけてでもぼちぼちやっていきたいと思っています。

それに来月はめっちゃ誌面リニューアルするみたいですし。
それを楽しみに、次号までまたお待ちしたいと思います!!
それではまた。


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