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音楽レビュー

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#ロベルト・シューマン

シューマンのピアノ協奏曲イ短調Op.54といえば・・・・

シューマンのピアノ協奏曲イ短調Op.54といえば・・・・

ピアノ協奏曲についての本格的な解説はいずれ書きますが、その前に是非書いておきたかったことをやはり書いてしまいます。 

 「ウルトラセブン」最終話のピアノ協奏曲の使い方はたいへん過激なのは知る人ぞ知るところ。

「アンヌ、僕は人間じゃないんだ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ」

 その瞬間、逆光に照らし出されるアンヌとダン隊員とともに第一楽章冒頭が「ジャン!!」とはじまるあたりもかなりスゴ

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ロベルト・シューマンの生涯について

ロベルト・シューマンの生涯について

 1.作曲家への道

 ロベルト・シューマン Robert Schumann は、ウェーバー・シューベルト・メンデルスゾーンと並ぶ、ドイツ・前期ロマン派の代表的な作曲家である。

 ロベルトは、まだベートーヴェンやシューベルトが在世中の1810年、ツィッカウで出版業を営む父アウグストと母ヨハンナのもとに生まれた。小さい頃から音楽的才能を示し、12歳の頃には自己流でオーケストラ付きの大規模な合唱曲す

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ロベルト・シューマン バイオリン協奏曲 遺作

ロベルト・シューマン バイオリン協奏曲 遺作

1.遺族に「抹殺」され、ナチスに政治利用され……

 シューマンがバイオリン独奏の曲を手がけるようになったのはごく晩年になってからである。編曲ものを除くと、何しろ作品番号のないものを入れても5曲(数えようによっては6曲)しか存在しない。

 すなわち、

・バイオリンソナタ第1番イ短調Op.105
・バイオリンソナタ第2番ニ短調Op.121
・バイオリン独奏と管弦楽のための幻想曲Op.133
・F

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