結局、事務職を網羅したかもしれない。
初めての事務職は結局「なんでも屋」だった。
私が最初の職業としたのは、金属加工業でした。
詳しく言うと、彫金工芸でジュエリーのデザイン制作でした。
一応、デザイン関係の学校を出て夢と希望に満ちて業界入りしたのですが、3年ほどで辞職。
それ以来、ジュエリー店頭販売や、画廊営業などを経験し、
中小企業の印刷関連の事務職を務めました。
小さい会社だったので、気付いたら経理事務と営業事務をしながら、納品などの営業補佐や社長秘書みたいな事もしていました。
その後、結婚と共に退職すると、下の息子が小学校に上がるまで12年間もドップリ家事と子育てに専念しました。
ただし、その間に様々なサークルを作って子育て中にしか経験できない活動を楽しんでいたのです。
紀行サークルであるレキジョークルメンバーともこの期間に知り合い、親交を深めてきました。
久しぶりの社会復帰は医療事務
未経験でもできた医療事務
下の息子が小学校に入って、そろそろ半年になろうかという頃、
「そろそろ勤めるか!」と思い立ち、たまたま未経験OKの募集していた近所の個人医院に応募してみました。
医療事務は資格も要るぐらいのものだと思っていたし、経験すら皆無なので、ダメ元だったのですが、驚くことに採用となったのです。
医師が経営者の先生一人だけの小さな医院だったので、先生が自ら面接してくれたのですが、「パソコンは触れる?」というザックリした質問に、
「はい」とは答えたものの、いったいどの程度の事を言っているのかわからない状態での採用でした。
実際に勤めてみると、なるほど医療事務のソフトはかなり充実していて、キーボードが打てればできるようになっていました。
ただし、専門用語と入力ワードはちゃんと憶えないといけませんが、カルテが回ってきたら、どれだけ速く正確に打ち、処方箋と領収証を出力するかが問われる仕事でした。
子育て中でも勤めやすい時間帯
久しぶりの社会復帰だったので、あえて夜診のみの勤務を選び、17時~19時30分のたった2時間半だけの勤務を週4回です。
その時間帯に勤務する事で、子供たちの朝一番の急な発熱にも対応でき、学校行事もわざわざ休みを取らなくても参加できるので、子供がまだ小学生のうちは、なかなか便利な時間帯でした。
ここでも、現在のレキジョークルメンバー2人と知り合っています。
SNSに真面目に取り組み始めたのもこの頃です。
のんびりと8年間勤めさせていただいて、次男がもうすぐ中学3年になろうかという頃、一日フルで働きたいと思い、転職しました。
Excelのスゴさを思い知った介護系の事務
気楽さを求めたはずなのに
子供たちの手がかからくなると、どっぷりと一日中時間が空いてきます。
長男高2、次男中2ともなると、周りのお母さん方も勤め始め、一日中、時間を持て余すようになり、9-17時の時間枠で勤めようと思い立ったのです。
とはいえ、この時点では医療事務こそ経験したものの、一般的な事務職への復帰には大きな不安があったので、なるべく楽ができそうなところを選ぼうと、時給の安いところを選んだのです。
今でこそ、大阪府の最低賃金は992円で1000円に届く勢いですが、当時はまだ800円そこそこで、私はその最低ラインを選んだのです。
楽に事務職のリハビリができると思っての事でしたが、
これが大間違いでした!
初めての介護事務
たまたま選んだ会社が、介護関係の事業所で、恐ろしいぐらいの大変な事務内容だったのです。
入ってすぐに、これは勤まらないなと後悔し、
せめて一ヵ月がんばろう。
次は3ヶ月やってみよう。
次は半年。一年。
自分のなかで区切りをつけていくうちに、驚くべきことにそのエグイ仕事にも慣れて、時給もそれなりにグングン上がり、務まらないと思っていた仕事の苦痛さがかなり軽減してしてきたのです。
この事業所は、小学生を対象とした放課後デイサービスから一般の知的・身体の障害、老人介護に至るまでの居宅介護サービス。
さらに数カ所のグループホームを展開していて、まさに子供から老人まで一切の介護を総括したサービス提供をしていました。
それだけに、個人医院の医療事務の時のように、請求ソフトはあったものの、日頃の細かい業務内容はExcelが主でした。
ソフトみたいに複雑化したExcelbook
先輩が作ったExcelbookを見て驚愕した時の衝撃は、今でも忘れられません。
まるで、一つのアプリやソフトみたいに、複雑な関数式が仕込まれたもので、使う時には簡単に入力するだけで必要な値を返してくれるという素晴らしいものだったのです。
IF関数やAND関数などを複雑に絡んだ数式の構成を見て、この時に本当のExcelのスゴさを知りました。
Excelスゴい!
Microsoft officeよありがとう!
という感じです。
それまでは、学校のPTAや子供のサッカーやボーイスカウトなどの会計を担当した時に、ほんの簡単な表計算程度でしか使っていなかったので、大変な刺激になりました。
さらに進化したアプリの登場
私が退職する一年ほど前から、画期的なアプリを使い始めました。
それは「キントーン」というもので、ちょっと前からTVのCMで、
「乗り心地は?」
「どクラウドです!」
というセリフのあのサイボウズ社のものです。
Excelの関数式を知らなくても、項目をドラッグするだけで、自分好みの表ができてしまうという優れモノです。
しかし、Excel関数を知っている方がやはり理解度は早いし、より細かい細工はできるのですが。
しかし、いろんな意味でとてつもなく進化し続けているのは間違いなく、
もしかしたら、過去に得た知識など、不要になる時代が近づいているかもしれません。
好きこそものの上手なれ
結局のところ、勤めた各所で得た共通のものは、「人」だったように思います。
最後の職場となった介護系事業所も、コロナ禍以来、会社でプライベートの外出は制限されているため会えないものの、時々のLINEでのやり取りは続いていて、今後のお付き合いに繋がりそうです。
最初の経理事務、次の医療事務、最後の介護事務。
それらの経験により、得た事務知識は豊富だったかもしれませんが、
最も意義ある収穫は、くじけそうになりながらも一心不乱に取り組む忍耐力と、その努力を見てくれた周りの人たちとの繋がりだったように思います。
その時、その時で一所懸命に取り組んでいると、いつしか周りも認めてくれるようになり、その努力は常に誰かが見てくれているという事に気付いたのです。
人との関係は時には煩わしくありますが、いったん退職して、距離を置く事で、ちょうど良い関係が生まれます。
一生のうちに経験するあらゆる事には、一切の無駄はない。
これは私の持論ですが、「経験」を無駄のないにものするためには、それなりの努力は必要で、努力できる要素は、その作業が好きか嫌いかによるようです。
私はコツコツと何かを構築する事が好きです。
ハンドメイドにしろ、
Excel表にしろ、
執筆活動にしろ、
紀行サークルの予定スケジュールにしろ、
何かをゼロから構築するという過程がたまらなく好きです。
好きだからこそ根気も出るし、努力もできます。
まさしく「好きこそものの上手なれ」なのです。
自分が好きになれる事をまずは見つけるのが、人生においての一番の「鍵」だと思います。
みなさんのおかげです。
いつもありがとうございます
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