マガジンのカバー画像

ハナダチサトー性

15
運営しているクリエイター

#詩

【現代詩】眠すぎる女

【現代詩】眠すぎる女

私は女だ
女だから血も出る
今日は2日目
眠い眠すぎる
血と一緒にエネルギーも
こぼれ出ているんじゃないか

眠い眠すぎる
31日のうちの1日分
眠ったまま過ごしてしまった
神様これで設計合ってますか?

365日のうちの12日は眠ってる

【現代詩】男になれん

【現代詩】男になれん

私はどうしたって
男になれん
薬を飲んでも胸はなくならない
髪を切ってもカワイくも
カッコよくもなれない
ひしゃげた鼻が笑ってら

やっぱりどうしたって
男になれん
好きになるのは男
もしくは女らしい男
心のうちには嘘つけない
ひしゃげぬ胸が笑ってら

男になれん、でもやっぱり女でもいれん

【現代詩】マッサージ

【現代詩】マッサージ

ただの肩と背中の
マッサージ
なのに嫌悪感を感じた

触られたくない

だけどその言葉が
ジャマをする
お金に困ったら相談してね

ああ、私は十五やそこらで
もうこういう生き方を
定められてしまったのだな

声を出せなくてごめんね私

それは親が信頼する優しい人でした

【現代詩】アンネの日

【現代詩】アンネの日

アンネの日
体の声が聞こえる「休みなよ」

アンネの日
それは痛みで悲しみで

アンネの日
今日は何もできなくて

アンネの日
今日だけは何もしないをしよう

アンネの日
自分を真に大事にしてくれる人を

アンネの日
元気になったらもう一度

アンネの日
女らしさをほこって愛そうと決めた日

アンネの日という響きがいい
ソフィーの日はなんか違う

【現代詩】血の日曜日

【現代詩】血の日曜日

とてもダルくて眠くて
オンラインで礼拝を済ませ
トイレへ
ーなるほどな
薬で体を管理された私には
計画通りの一日目

しかしいささか多すぎやしないか
明日のバイト前に終わらせようと
突貫工事でもしてるのか

そんなに頑張るのなら
脳内でセロトニンを運ぶ
大型客船でもつくっておくれ

そんな日曜日

突貫工事成功でした

【現代詩】キミの胸

【現代詩】キミの胸

キミには胸がある

私の思春期時代より
いくらか大きい

自分らしさを追求した
結果の副産物

キミの胸はトイレで
温泉で時に不自由に

でもキミの胸はたしかに
キミの自由の象徴だ

存分に胸を張りたまえ

世にも不思議な同居人

【現代詩】一番キライな女の子

【現代詩】一番キライな女の子

私はワタシがキライ
女性性を利用して
すがりつき
人に愛されようとする

だから自分の中の男を認めた
強くありたい
人に特に男に振り回されず
賢く気高くありたい

女性性なんて切り捨てて
しまいたい
なのにまた男に対し
女が目覚める

女として可愛がられてしまうのは、
私が女でいてしまうからだ