見出し画像

年をとる

こんばんは🌙

この数日間、祖父と祖母に会いに、父の地元である宮城を訪れました。

祖父と祖母に、ちゃんと会えるのは、年に数回しかありません。

私はまだ学生で、毎日講義やバイトに明け暮れているし、対して、祖父と祖母は、絵や水泳、写真や旅行と趣味に明け暮れています。

会いたくても、互いに忙しく、なかなか予定が合わないのです。

といっても、私は大のお父さんっ子

といいますか、父含め、父方の祖父母の築いている "暮らし" がとても大好きで。

料理が上手で、祖父の作る目玉焼きと卵焼き、祖母の作るポテトサラダは誰が作るものよりもいっっっちばん美味しくて、

80歳を超えた今でも、趣味がたくさんあって、老後を楽しく過ごし、充実しすぎている日々を送っています。

私の 憧れ、というか、理想の老後の形を送っているのが、父方の祖父母です。

毎年、年末年始は必ず、祖父母、私の家族、従姉妹家族、で集まる決まりだったのですが、今年の年始に私の大好きなアーティストのカウントダウンのLIVEがあり、、、

そっちを優先してしまったせいで、今年祖父母に会うのは初めてでした。

家族の集まりより趣味を優先してしまうのは申し訳ないという気持ちはあったのですが、今年はじめてのカウントダウンLIVE開催、ということで、席も良く、どうしてもそちらに惹かれ、 "祖父母とは毎年会えるしいいかな" という軽い気持ちで決めてしまいました。

祖父母の家に遊びに行く、となった春休み。

父にふと、

"おじいちゃんとおばあちゃん、あと何回会えるかな、って言ってたよ。"

と言われました。

80歳にもなり、一年に数回しか会えない、となると、

単純計算して、確かに 片手で数えられるくらい しか、もしかしたら会えないのかもしれないな、と。

改めてこう考えてみると、自分が20歳になったことも含め、本当に時の流れの速さを感じてしまいました。

なんだか悲しくなってしまって、せめてもの、祖父母孝行と思い、この数日間はたくさんの時間を祖父母と過ごしました。

そんな数日間の中で、祖父と父と3人で、2時間くらいの散歩に出かけた日がありました。

昔から散歩が好きで、カメラが好きで、カメラを持って3人で何気ない道を歩いていました。

でも、やっぱり昔とは少し違う。

父の髪にはよく見るといつのまにか白髪が増え、

祖父の両手には杖が握られていました。

"年をとる" ってこういうことなんだな、と目で、肌で、感じた時間でした。

時間は動き続けます。

永遠なんてなくて、時よ止まれ、と思っても時間は残酷に進み続けます。

どんどん私も、周りの人も、変わっていきます。

それでも、やっぱり、祖父母の家に帰れば、昔と変わらない、美味しいポテトサラダと目玉焼きが私を待っている。

変わるものもあれば、変わらないものもある。

変わっていくものがあるから、変わらないものの価値がわかる。

また、良い意味で、変わっているものだってたくさんある。

9年前、ぐちゃぐちゃだった道路も、荒れていた土地も、全てきれいになっていて、祖父母の家の前には綺麗な家がたくさん建っていて、

父は "変わったなあ" と、車を運転しながら小さい頃住んでいた町並みを見て、ぼそっと呟いていました。

変わってしまった"寂しさ"と"嬉しさ"どちらも含まれていた、呟きだった気がしたなあ。

そして、あれだけ真っ暗だった空も、この数日間はとっっっても綺麗に晴れていました。

祖父母に "またね" を言う瞬間だけ、ほんの少し雨が降りましたが、その後すぐに光が差し込んで、空が青く染まりました。

"またきっとすぐ会えるよ"、と空が語りかけてくれてるような気がして、なんだか嬉しかったです。

色んなものを得た、数日間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?