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映画🎞 『肉体の門』1964年/日活


『肉体の門』1964年/日活
:90分
監督   鈴木清順
脚本   棚田吾郎
原作   田村泰次郎/同名小説(1947年)
音楽   山本直純
撮影   峰重義
編集   鈴木晄
出演   河西都子、野川由美子、松尾嘉代、石井富子、富永美沙子、宍戸錠

戦後日本最初のベストセラー小説を原作にした作品。(『肉体の門』田村康次郎(1911年〜1983年)71歳没)
「肉体の解放こそ人間の解放である」をテーマに、その自由な表現と性表現が話題に。劇団による芝居は1000回を超えるロングランとなるが、観劇した女性の等身自殺事件が起きてしまう。
6度の映像化のうち、私が観たのは1964年の作品です。

1948年、1964年、1964年(タイトル/女体)、1977年、1988年、2008年(テレビドラマ)

いろんなものが、珍しく面白かったです。演技も、舞台も、映像処理も、昔の映画は前衛的に感じます。この映画はそういう類の作品ではありませんが、多少エログロではあります。とても興味深い作りでした。
出演者は、わたしにはギリギリわかるくらいで、主演の宍戸錠さんに関しても、お若い時の演技を知らず、若々しさも魅力的ですが、お年になられた頃がシブくて好みです。

肝心の内容は、女の団結も愛を前に儚いもの。とは言えこの戦後まもない時代、愛だの恋などかなぐり捨てて、生きる為に体を売らなければ生きてはゆけない女性は思う以上に多かったでしょう。そんな中で一縷の愛を見出してしまったなら、後先かまわず男の元へ飛び込む女性を誰も咎めることはできません。
...って、お咎め無しにはいかない。仲間達にメタメタに拷問を受けます。すがった男に、そのまま連れさられることを望んでも、人生はままならない。そう上手く事が運ばないのもこの時代の悲惨さでしょうか。そして、女は身を売ることも出来ず、脱落者となり...。

戦争は終わっても、蝕んだ人のこころを、簡単に元には戻せません。人が人らしく生きられない過酷さに気が沈みます。
今時代、戦争の映像や写真は、テレビでモザイクがかかっていても、ネットでは加工がないものを見かけます。堪りません...。



音楽は、『星の流れに』『リンゴの唄』が印象的に絡みます。「こんな女に誰がした〜♪  」の歌詞に、それは戦争だと思わずにはいられなくなり物哀しく響いてきます。
わたしは、古いうたを歌う機会があるので、その度にその曲の背景、その当時うたう歌手が表現する方向などを考えますが、やるせない気持ちになることが多々あります。歌うとき、聴き手にどう伝わるか、わたしのうたは未熟な歌なのだろうと思い悩みます。... 難しいです。


🎞Amazonプライムで鑑賞しました。

🌝声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。

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