読書人間📚『クレスペル顧問官』ホフマン /訳.池内 紀/音楽
『響』百年文庫 ヴァーグナー/ホフマン/ダウスンから
『クレスペル顧問官』ホフマン /訳 池内 紀
エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンErnst Theodor Amadeus Hoffmann,
(1776年-1822年)46歳没。
アマデウスとは、敬愛するモーツァルトから取った執筆名。
司法官、音楽家、画家としても活躍。
(残っている音源は少ないが、声楽曲、オペラもあり。因みに、声楽の教え子に熱烈な恋をし交際するが失恋。)
顧問官の人物描写、そこまで変態オジサンに興味は続かないなぁ。と飽きてきたころ、妻登場。いよいよ来ました。昔も今も変わらない、歌手がわがままで気まぐれと言う通例の設定。(注意※単なる都市伝説です。)
目をうるませ抱きつく事もあれば、激情のまま夫(顧問官)を虐めよろこぶ。
そもそもは、顧問官が、妻(歌手、アンジェラ)の美貌と歌声に惚れ込んだもの。が、果ては、妻を窓から放り投げる始末。それってば、殺人行為(!)なんですが、お話は淡々と進みます。
そして、二人の間にできた娘も、世にも美しい美貌と母を超える素晴らしい歌声。しかし、娘は歌えば歌うほどに身を滅ぼしてしまう悪魔の祟りを背負ってしまった気の毒な娘。
顧問官は、優秀なヴァイオリン弾きであり、職人でもあった。
音楽が、全てを引き裂いたのか、逃れられない強い運命を持った音楽家達が出会ってしまったが為に、不幸にも嘆きの音楽を作り出してしまう。
さて、作中に上がるマルティーニのモテット。
マルティーニと言えば、声楽を学んだ人がだいたい思い出すのは、
『Piacer d’amor(愛の喜びは)』ではないでしょうか。
声楽曲は不得意という方には、
エルヴィス・プレスリーのヒット曲『Can’t Help Falling In Love(好きにならずにいられない)』
を思い出してください。
『Can’t Help Falling In Love』は、この『Piacer d'amor』のメロディに英語の歌詞をつけたものです。
古典歌曲の歌詞はこちら、
悲恋の歌ですね。この歌のように、主人公、顧問官も同じく愛の苦しみを生涯、孤独に持ち続けるのでしょう。
と、
ここまでジョバンニ・マルティーニ-Giovanni Martini(Jean Paul Egide Martini, )の曲を紹介しましたが、
ごめんなさい。
おそらく、本作にあげられているのは、モテットということで
ヨハネス・マルティーニ - Johannes Martini (1430-1497)の曲だと思われます。
きっと、この『クレスペル顧問官』のイメージ曲にふさわしい、天上の夢を描くような宗教音楽なのでしょう。
本作の底本は『ホフマン短編集』(岩波文庫) です。
百年文庫のこの『響』は品切れ、重版未定のものです。
運良く、倉庫に1冊在庫がありましたものを購入させて頂くことができました。
お読みになりたい方は古書店、図書館ですね。
わが誇る国立音大の図書館にも、この音楽作品を扱っているだろうと検索。ありました。
お近くの際はぜひ。
本書、同収録作品、『ベートーヴェンまいり』こちらもどうぞ↓
ここから先は
¥ 1,000
いつもありがとうございます☺️。 あなたの気持ちに支えられています♡ ▶︎ https://www.instagram.com/chisa_murata/ ▶︎ https://www.instagram.com/chisa_favorite/?hl=ja