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夏は海。 〜 photo SEA 〜

海は好きですか。

夏といえば海、海といえば夏。
海はやっぱり夏がいいなと思います。

わたしも海が大好きです。
水の景色が好きなので 川や湖もいいけれど、夏はやっぱり海に行きたい。

けれども海には入りません。
一応泳げるし、水着も持ってはいるけれど
眺めてるのが好きなんです。


普段目にするのことない広大な景色。
海は熱い太陽の光を受けて 対話するようにキラキラと応えます。
ふぅ…きれい。
潮の香りや波の音は、瞼の奥に懐かしい記憶を運んできたりもするのです。
ふぅぅ…。


波際に足をピチャピチャ遊ばせながら、貝殻を探して散歩するのもお楽しみのひとつ。

寄せる波を逃がれるようにして歩くのだけど、油断してると不意のフェイントで大きくザブンとやられます。
波も気まぐれなので気をつけて。

四つ葉のクローバーと同じように、放っておけば時間を忘れていつまでも貝殻を探しています。
波に削られて 丸くなったガラスや石もまたかわいい。

昔から こういうことにかけての集中力、持久力はピカイチです。
夢中になっていると うっかり真っ黒になるので気をつけなくちゃ。


夏休みっていうと、やっぱり開放感がありますね。
その響きはオトナになってもどこか無邪気にワクワクします。

夏休み! お気に入りの海へドライブ
さぁ Let's go〜












この海岸は、夏の盛りでもいつも人が少なくてほっとします。

ここには 懐かしいような素朴な海の家が一軒だけあります。
けれどもやっぱり閉まってて ちょっとさみしくなりました。

建物は残っているからまたそのうち開くよね。
おばさんはお元気かな。
特製カレーライスにサービス満点の山盛りかき氷、
海で食べるとどうしてあんなにおいしいんだろう。

海を楽しむ人はぽつぽつといて、いつもとさほど変わらないけど、波や鳥も心なしかおとなしくって 浜の色は以前の夏よりワントーン淡い感じがする。

お散歩にきたわんちゃんが 子どもみたいに喜び勇んでザブザブと海に入ってく。
一瞬ハッとしたけど、そうだ 犬は泳げるんだった。
波と戯れてるのがかわいかったな。

水がとても好きなのね。
私も同じ。


***


子供の頃、家族旅行といえば 夏休みの海でした。

父の生まれ故郷の淡路島か、実家のある大阪から電車でわりと行きやすい 和歌山や福井の海によく行きました。

電車から海が見え始めると「うみー!」と一気にテンションが上がります。
それは今も少しも変わらず。


宿泊はいつも、リゾートとは程遠い民宿でした。

アットホームな? シンプルな? 和室の 箱型の小さなブラウン管テレビには100円玉をつぎ込まなければなりませんでした。
(時代は昭和… なんだか私、すごい昔の人みたい。。。)

それでも夕飯は、新鮮な舟盛りや土地のお料理がお膳いっぱいにならび、普段の食卓では味わえないものでした。
朝食はご飯にお味噌汁、干物に小鉢と海苔と卵…
そんな感じの民宿らしいオーソドックス。
それもいつもとは違ってて とても新鮮なのでした。

二泊ほど、朝から夕方まで飽きもせず ただ海で遊ぶというだけの旅行でした。
仕事も家事もなく ゆったりと海で過ごす時間は、朝から晩まで忙しく働いていた両親にとって 何よりの贅沢だったのだと思います。

普段は家族揃ってご飯を食べたりテレビを見ることができなかったので、そんな団欒がとても嬉しかったです。

恒例だった夏の旅行も私が中学生くらいまでで、いつの間にかなくなっていました。

その後も両親ふたりでは旅行することはありませんでした。
夫婦で旅をしたというのは たぶん新婚旅行の沖縄、一度きりだと思います。
両親の体が動くうちに 連れて行ってあげたらよかったなと 今になって思います。


最後に両親と一緒に旅行できたのは、父が亡くなる前の年。
半ば強引に誘って、和歌山の海へ行きました。

さすがに民宿ではなく 温泉旅館 。
一泊だけだったけれど 思い出はどちらもおんなじように笑っています。
どちらがいいとか悪いとかなく、その時その時の幸せを同じように家族で分かち合っていました。


その和歌山旅行で撮った ふっくらと笑う父の写真を、母は遺影に選びました。

母にどこに行きたい?と聞くと 必ず「海」と答えます。
「海が好きやねん。いつまでも眺めてられんねん」

あ… それ、 娘がしかと受け継いでます。



暑さはしばらく続きそうです。
よい一日を、よい一週間を、よい夏の思い出を。




『 海 』 二首

⭐︎ぷかぷかと遊び疲れた夕暮れの波打ち際にのこる足跡

⭐︎海の家閉ざす浜辺はぼんやりと かき氷ぶん淡色となり

       ー ちる ー

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