【第2弾 食べていけるまでの道のり】LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitches
アーティストという肩書だけで食べていくこと。これって、誰もがわかっているとは思いますがちょっとがんばったぐらいじゃできることではありません。
先日からスタートした『LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitches』ストーリーの主役、SAKIさんのこともわたしは最初、まことに失礼ながら「アーティストとしてだけで生活を立てているわけじゃないだろう」って思っていたんです。
でもそれは見当違い!SAKIさんはストリートアーティスト/画家/イラストレーターとしてだけで生活を立てているという事実を知ることになりました。
今回はそんなSAKIさんのアーティストという肩書一本で暮らしていけるようになるまでの道のりを追います。
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褒められたし
とりあえずやってみた
第1弾でもご紹介したようにSAKIさんの前職はメイクアップアーティスト。がりがりの骸骨のような女の子たちが無表情でキャットウォークを歩く姿やカメラの前でポーズを決める姿にうんざりしたSAKIさんは7年間も務めてきたこの仕事をきっぱりやめることに!
そんなある日、なんとなく紙に絵を描いていたところそれを見た友人から
すごくうまいね!空の(真っ白の)ステッカーシートがあるから、あげるよ。これに描いて外に貼ってみたら?
と言われ、
え?そう?じゃあ、やってみようかな
と思い立ち、ストリートアートで有名な東ロンドンの壁や標識の柱などに貼りまくってみたそう!それがこちらのステッカー。
ちなみに日本では壁に絵を描く場所が限られているため、アーティストたちはこのようなステッカーを街中にたくさん張って活動しているってご存知でしたか?
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ステッカーを貼りまくった結果
事態は予想していなかった方向に!?
話を戻しまーす。そんなわけで、東ロンドンにステッカーを貼りまくったSAKIさんはふと、あることを発見します。
それはなんと、ロンドンのストリートアートを長年撮り続け、アーティストたちはもちろん、ストリートアート好きの人たちの誰もが知っているおっさんが運営するウェブサイトにステッカーの写真が掲載されていたこと!
おっさんのウェブサイトはこちら!Claude Crommelin
それを見たSAKIさんは
え!?わたしってストリートアーティストなの!?
と予想していなかった展開に戸惑った半面、めちゃくちゃうれしかったそうな!
それからどんどんステッカーや絵を描いたポスターを壁に張ったり…
木材に絵を描いて壁に打ち付けてみたり…
夜中にポスターや板を担いでストリートアートが盛んな場所に行き貼るという活動を繰り返したSAKIさんは、だんだんとロンドンのストリートアート界で知名度を上げていくのでした。
ちなみに、SAKIさんは最初からスプレーで壁に絵を描いていたのではなく、これらの活動ののちにスプレーで壁に絵を描く作品もスタートさせたのでした。
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ある友人からのアドバイスで一大決心
絵を描き始めた当時、SAKIさんは別の仕事もやっていたそうなのですが、ある時一人の友人にこう言われたそう。
アーティストとしてやっていきたいなら、ほかの仕事をやめて絵描きとして1本で本気だしてやったほうがいいよ
当時生活のためにほかの仕事をやっていたものの、その仕事が忙しくて疲れてしまうと絵がかけないというような時も多かったというSAKIさん。この友人の言葉に感化され
よし!1本でやってみよう!
と決意したわけです。
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ストリートアート界の
ビジネスの仕組みとは?
じゃあどうやってストリートアーティストがお金を稼いでいくのか?というところ、みなさんも気になるはず。すべてのアーティストたちがこうやっているわけではないのだろうけど、SAKIさんが教えてくれたストリートアート界のビジネスの仕組みには思わず
おお!なるほど!
と感心させられました。
その仕組みとは、壁に描く絵をSAKI&Bitchesの広告塔とし、名前を覚えてもらったり、インターネットで名前を検索してもらうこと。そうすることで、絵を気に入ってくれた人たちがインスタグラムやSAKIさんのウェブサイトで個展の情報を入手して足を運んでくれたり、絵を購入してくれたり、特別注文をお願いしてくれたりするというわけです。
インスタグラムの普及のおかげもあり、カナダのミュージシャンのアルバムジャケットを手掛けたり
はたまたカザフスタンに暮らすファンの女の子のためのタトゥーのデザインをしたり
と想像を超えたクライアントさんたちとの出会いを楽しんでいるSAKIさんなのでした。
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ということで【第2弾 食べていけるまでの道のり】LONDONストリートアート界を牽引する日本女子SAKI&Bitches はこれにて終了です。
SAKIさんがとても素直で好奇心旺盛で行動力のある人なのか、みなさんにもきっとどんどんわかってきてもらえたはず。
自分の特技を褒められて何か行動にうつすよう提案された経験って多くの人があると思うんです。でもそのうちの一体何パーセントの人が本当にアクションを起こすでしょうか?
ほとんどの人がなんとなくそれを笑って流してしまうはず。でも、そこで行動にうつしたとしたら今、目の前に違う世界が広がっていたかもしれないというのに!
そんなわけでどんどん深い話になってきたこちらの特集、次回は「ストリートアートのファン層の事実」についてお届けいたします。
ではでは!
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