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アルプス諸国について①

Živjo! (こんにちは!)

ヨーロッパで最も有名な山脈の1つに、アルプス山脈があります。
古代から南ヨーロッパと北ヨーロッパを分ける壁としての役割を持ち、
言語・文化・食・気候といった様々な要素がこの山脈の南と北で分断されています。
今回は、アルプスに属する国々について、ラテン系とゲルマン系の話題を中心に述べていこうと思います。

①スイスについて
日本人にとってアルプスといえば、スイスを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?
「アルプスの少女ハイジ」の舞台であるマイエンフェルトの村や、スイスアルプスで有名な名峰である「マッターホルン」と「ユングフラウ」はよく知られています。
また、時計等の精密機械産業が盛んであったり、スイス銀行、チーズフォンデュ、山岳鉄道、アルプホルン、ヨーデル、国際都市ジュネーヴ・・・と様々なイメージのある国だと言えます。
また、スイスは公用語が4つ存在する国で、それぞれドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語があります。
地域別にみると、中東部はドイツ語、西部はフランス語、南部はイタリア語、東南部の一部にロマンシュ語が使われていますが、数か国語を話せる方も少なくないと言われます。特に東南部のグラウビュンデン州では、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語の3か国語が使われる地域もあり、文化の境界にあたる地といえます。

②ラテン系とゲルマン系について
アルプス諸国は7つあり、フランス、スイス、イタリア、リヒテンシュタイン、ドイツ、オーストリア、スロベニアが属しています。
このうち、フランス、イタリアとスイスの一部がラテン系文化を持ち、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン、スイスとイタリアの一部(南チロル)がゲルマン系文化を持っています。
ラテン系の国では、主にラテン語を起源とした言葉が話され、食事は白い小麦のパンにオリーブオイルやクリーム、トマトや柑橘類、ワインを嗜むというのが典型的な姿だと言えます。気候は地中海性気候で夏の日差しが強く、日差しを避けるために家の窓は小さいのが特徴的だと言えます。また、人々は陽気でカトリック信者が多いといった特徴があり、南国的な気風を感じます。
ゲルマン系の国では、英語やドイツ語が代表とされる言葉が話されています。元々は原野や森林地帯だった場所が多く、人々は古い信仰を持っていましたが、現在はカトリックとプロテスタント、無宗教が混在しています。食事は黒っぽいライ麦と小麦を混ぜたパンにバターやチーズ、ジャガイモ、アスパラガス、ビールや白ワイン・蒸留酒を嗜むというのが典型的な姿だと言えます。気候は西岸海洋性気候で年間を通して降水があり、夏は比較的涼しく、冬もそれほど寒くならないのが特徴的です。ゲルマン系といえば、食事には質素な国が多く、倹約家が多いというイメージがあります。

③アルプス諸国が受けた影響について
アルプス諸国に位置する国々では、南のラテン系文化と北のゲルマン系文化の双方の影響を受けています。
例えばオーストリアでは、食事や文化の華やかさ、カトリック信者が多いといった点はラテン系に近いですが、気候や言語はゲルマン系だと言えます。
一方でスイスでは、フランス語圏においてはフランス的なラテン系文化が、ドイツ語圏においてはドイツに近いゲルマン系文化がそれぞれ分断されており、現地では食べ物に例えて「レシュティの壁」とも呼ばれています。
アルプス諸国は、民族や文化の境界として太古から様々な文化を取り入れて現在に至っていることが感じ取れますね。

④結び
私は音楽が文化や気質に与える影響があると感じています。
アルプス諸国は音楽が盛んな国が多いですが、中でもヨーデルは顕著に表れていると感じます。
ドイツ語圏のスイスで聴くヨーデルは荘厳で力強く、ゲルマン系らしさを感じます。ドイツと関係の深かったラトビア音楽とも共通する部分があるように思います。
オーストリアやドイツのバイエルン地方で聴くヨーデルは明るく軽快で、ゲルマン系の国でありながらも、ラテン的な雰囲気を感じることができます。言語学においても、バイエルン・オーストリアドイツ語というドイツ語の方言は標準ドイツ語に比べて軽やかな印象を感じます。

今回はアルプス諸国の中でも。ラテン系とゲルマン系に焦点を当てて述べましたが、次回はスラブ系の国である「スロベニア」についても述べていきたいと思います。

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