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創業時に聞きたかった…!と悔やまれるほど生々しいIPO企業の社長のHR経験談

前回の続き、今日はとあるオンラインセミナーで学んだ内容のまとめ記事です。

オンライン教育の需要の高まりによって、ハグカムもどんどん人員が増えてきました。すると、あれよあれよと組織課題にぶつかっていきます。
今まで、どう事業を伸ばすかに集中してきましたが(ようやく)フェーズが変わった。

前職のサイバーエージェントはそれはもう素晴らしい企業文化の塊であって、そこで得た経験や知識はありますが、それがハグカムに当てはまるかと言われたら、答えはNOです。

ましてや、10名の会社を100名にする経験なんてしてないので、「やばい、全然分からない…」という状態。
前回の記事に書いた通り、悩むなら人に聞け!ということで、色んな人に相談してました。

そんななかでタイミングよく案内をいただいたLiB主催のHRオンラインセミナー。

タイトルを見たら魅力的なものばかり!そして、めちゃくちゃ勉強になりました。
特にそのなかでもぶっ刺さったDAY4の知識はクローズドはもったいないと思い、まとめさせていただきます。
※あくまでも、道村のインプットを踏まえたメモなので語弊があったらごめんなさい…

<DAY4>2020年IPO企業の社長が語る「事業の成長」と「組織の成長」

(登壇者)
Retty株式会社 代表取締役・共同創業者 武田 和也
株式会社Kaizen Platform 代表取締役 須藤 憲司

ふたりとも経営者だったこともあり、話の内容がめちゃくが具体的で生々しかったです。

Q:IPOに向けて会社はどう変化したか

■Kaizen Platform
・そもそも経営者が業績などを細かく見ている状態では回らない
・他役員やマネジメントレイヤーが主導で事業を進めていく必要がある
・変えなきゃいけなかったのは自分の意識だった
・上場プロセスを考えたときに内部よりも外部からどう見られるのかをすごく考えるようになった(例:ある学生の言葉から、会社のビジョンが全く伝わっていないと感じて今のビジョンに変えた)
・細かくいうことをやめた、実際辞めた時点で仲間の成長が加速された
・自分の振る舞いや言動と組織の変化が非常に連動していた

■Retty
・30人ぐらいまではマネージャーなどを作らずフラットにしていた、むしろマネージャーなんていらないと思っていた
・ところが、情報共有や一体感の問題が非常に頻発し、モチベーションサーベイも非常に下がっていた
・そこから1年半ぐらいで組織を見直し改善していった
・結局、王道の組織施策はやった方がいいと思い直した
・世の中の多くの会社が取り入れている方法はやっぱり大事

どうですか…!?最初の質問の回答からして生々しいです。
そうか、今までと同じ立ち振る舞いを自ら変えていかないといけないのか…と身が引き締まる想いです。
そして、武田さんの「王道の組織施策はやった方がいい」もぶっ刺さりました。カッコつけずに恥ずかしがらずにちゃんとやることやれってことですね。

Q:評価制度ってどうやって取り入れた?

■Kaizen Platform
・創業から数年は、ちょっとずつでもいいので自動的に昇給する仕組みがあればいいと思う
・評価であえて厳しくするとコミュニケーションコストが発生する
・それならなら一定ずつでも上げ、事業成長にコミットする状態をつくる
・どの制度も、それ自体がいいわけではなく運用が非常に大事なのでそれができる状態になってからがよい

沁みる…。創業時にこの話を聞きたかった。

Q:基本的な制度以外に「この施策が効いた」というものは?

2年ぐらいたつと組織課題も変わってくるので、Valueの見直しを全員でやるのは効果的だった(Retty)
毎月、全員が手を止めて2年後の目指す姿を思い描く機会を作る(Kaizen Platform)

「制度は運用が大事」というのがよく分かります。

Q:カルチャーフィットする採用方法は?

■Kaizen Platform
・社長が最終面接で決めるというのは辞めた
・1次面接はむしろ社長がやって会社に対する動機付けをする
・その後の面接でスキルセットやカルチャーフィットはチームの現場社員が判断する、社員が働きたい人を決める

■Retty
・80人ぐらいまでは「全員で採用」を掲げ、カルチャーとして取り組んだ
・「美味しいご飯の会」を開催し、いつかRettyで働きたい人やライトに友人なども連れてきてもらう、Rettyでおススメのお店に連れていく
・2013年ぐらいからずっと続けている

Kaizen Platformの社長の面接登場タイミングは確かに納得…!すぐにでもやってみたい。
Rettyの例はサイバーエージェントの「採用には全力を尽くす」というミッションステートメントと通ずる部分があるな。これも組織のカルチャーづくりの一環だし、一朝一夕ではできないことなので素晴らしい。

Q:組織創りのピースがハマったと時間したタイミングは?

■Kaizen Platform
・やはりキーマンがはまったとき
・ただし、会社によってマネージャーのカルチャーは異なるので、自社ならではのマネージャーの動き方が完成するまで1~2年はかかる
■Retty
・新卒採用を強化し2013年からやっていた、今は新卒採用比率が50%
・新卒採用からマネージャーも増え、一定を超えていた時に組織課題がぐっと減って楽になった
・早く始めていてよかったと感じた

新卒採用を中心にするのはサイバーエージェントでも同じでした。やはり組織力を強化する上では大きな打ち手なんですね。
一方で、Kaizen Platformは中途が多いとのこと。この場合は、マネージャー人のカルチャー創りが非常に重要ということ。
正解はないので各社の色をどう出していくのかは経営陣でちゃんとすり合わせた方がよさそう!

Q:上場で至るまでの組織づくりでどんなハードシングスがあったか?

■Retty
・夏前に上場する予定だったがコロナがきた
・最悪のケースを想定してサバイバルプランをまとめた
・いつまでに何ができないといけないか「100日プラン」を全社員に伝達
・ありのままを社員に伝えて全員で目線合わせをした
■Kaizen Platform
・2015~2016年ぐらい、活躍できない人たちも一時期増えていて退職が増えていた、2017年はキャッシュもやばかった
・一方で、危機の時はそれ自体を開示していて、不思議だが退職する人は少なかった
・その時期があったからこそ今があると思うが、もっとうまくできる方法があったんじゃないかと答えはまだない

リアルハードシングス…。
答えはまだない…。
私も若輩者ながら色んな一挙手一投足で反省があります。ただ、振り返っても仕方ないと思いながら、やっぱり考えてしまう。

Q:既存社員と中途社員のマインドセットに差がでてしまうが何か施策はあるか?

■Kaizen Platform
・オンボーディングを常に見直していく、何かに当てはめない方がいい
・対話して何が改善ポイントかを見直して運用するべき
■Retty
・主観よりもデータ化した方がいい、新卒年次ごとや新規と既存の差など
・サーベイなどを使って課題を絞っていく
・どのマネージャーがどのスコアかも開示して問題解決に取り組んでいく
・主観で「〇〇らしい」はよくない

やはり制度は運用だ!
またまたサイバーエージェントの話ですが、サイバーエージェントはキャッチーな制度がたくさんあってそれ自体は面白いのですが、それらは全て運営者の多大なる浸透施策があってこそです。これを細部までやり切ったりやり続けるかどうかでその制度の命運を分けるレベル。
今一度肝に銘じよう。

Q:1on1のいいやり方ってありますか?

・何か解決をするというより信頼関係をつくるための時間として使うとよい
・仕事以外の話もして、どうやって信頼関係を築くのかが大事

一般的な1on1の定義って、情報収集や課題解決の場として知られていますが、「信頼関係をつくるための時間として使うとよい」とズバッと言われると非常に理解できます。
信頼関係がないと話したいことも話せないですからね…。

Q:最後にひとことどうぞ

■武田さん
・組織課題や人のことってマインドシェアを取られるが、組織何て同じ課題を繰り返すから悩んでも仕方ない(と言われたことがある)
・めげずに解決をしていくべき、最後は継続力
■須藤さん
・組織課題はいつもついてまわる
・正解を選ぶというよりも運用を続けることが大事

もう画面越しで100回ぐらい頷いていてました…。
なんならちょっと涙出そうになりながら、セミナーのオープンチャットでひとり感謝コメントを投稿してしまったぐらいです。。

改めて、主催していただいたLibの皆さま。
登壇者の武田さん、須藤さん。ありがとうございました。

学んで終わりではないので、これを実践し、運用していきます。

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