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「どうする家康」をリベラルアーツの視点で学んでみる

今年に入ってから変えた習慣のひとつに「通勤時間に本を読む」がある。

フルリモートで週1会社に行くかどうか、ぐらいのペース。
前まではインスタを見たり、メルカリを漁ったり、見逃したドラマを観たり…で時間を使ってたけど、本を読む!と決めた。

ついでに、座って読むために各停で行くことにしたら、乗り換え時間を気にしたり「座れるかなぁ〜」と毎度考えるストレスもなくなってとても有意義になった。

今年に入って読んだ本たちはこのあたり。

Web3とは何か
メタバースと経済の未来
ファイナンス思考
孤独の宰相
冒険の書
安倍晋三回顧録
ママはキミと一緒にオトナになる
朝日新聞政治部
「明治」という国家
ミライの授業
死の淵を見た男

政治、ノンフィクション、教育、ビジネスなどを読んで、ちょうど次のジャンルを探している時、読書好きの方におすすめ本を聞いてみたところ「リベラルアーツはどう?グローバル含めて色んな価値観を知るのにおすすめ」と言われた。

りべらるあーつ…

聞いたことはあるけど、堅苦しそうなイメージで正直ピンとこなかった。

リベラルアーツって想像よりも気軽なものだった

「とりあえずこれ読んでみて」と教えてもらったのがこちら。

ふむふむ。読みやすい本だな。
いつも通り通勤時間でざっと理解すると、

リベラルアーツは「生きるための教養」
裏付けのある理論から、エビデンスのないものまで様々
得た情報をどうストックするかは自分次第
基本的なものは、生物学・脳神経科学・精神医学・自然科学など
哲学・社会人文科学・思想・歴史も対象になる
さらに、芸術・映画・音楽・漫画もリベラルアーツ

「リベラルアーツの学び方」の超ざっくりまとめ

あ、そうなんだ。もっと硬い教養だと思ってたけど、ものすごくライトに考えていいんだ!
漫画や旅行から学べることもリベラルアーツと呼んでいいのね!

と腑に落ちた。

読みながらふと思い浮かんだのが、今年の大河ドラマ「どうする家康」

歴史ドラマじゃない、「どうする家康」は人間ドラマだ

去年の「鎌倉殿の13人」は大ハマりした。
そもそも三谷幸喜が大好きで、「真田丸」は最高傑作だった。

しかしながら、「鎌倉殿の13人」は「真田丸」を凌駕するほどの面白さ。
面白いというより、毎週主人公が闇に堕ち、登場人物全員に思い入れができたと思ったら死んでいく…。毎週心が抉られる。
さらに、謎に包まれた鎌倉時代の史実に基づきながら、さまざまな説も全て回収していく脚本。
ドラマ観る→Twitter(現X)徘徊する、が毎週楽しすぎた。

おっと…、「どうする家康」の話でした…!

「どうする家康」も、名ドラマ「リーガルハイ」の古沢良太さんが脚本で期待して見始めたのだが…

ちょっとコメディタッチの描写になんか馴染めない…と数ヶ月はまり切れず、鎌倉殿ロスが続いていた。

しかし、途中でふと思ったのです。
「どうする家康」は歴史上の人物の隠された人間描写が多い。
史実には基づいているけど、そこに至る「こうだったんじゃないか?」という想像がふんだんに盛り込まれている。

「大河ドラマ=歴史ドラマ」と思って観ると余計な描写に感じるのだけど、これは「人間ドラマ」なのだと思うと腑に落ちた。

・家康と瀬名が出会うラブラブな感じ
・悪女で知れていた瀬名の最期
・家康の影武者になった夏目広次の過去
・お市さまが送った小豆袋の背景
・急に豊臣方に移った石川数正の真意

などなど。
参考文献の広すぎる行間の創造かもしれないけど、「そうだったのかも」と思うと全員が現代にもいそうな「人間」に思える。

正直、松潤の家康はまだ馴染みきれていないけど、
「頼りになる家臣のおかげで今がある!」
という台詞は非常に共感ができる。

そう考えると、「徳川家康=関ヶ原の合戦に勝ち、徳川幕府を開いた人」ではなく、人として非常に興味を持ち始めた。

「どうする家康」で学ぶリベラルアーツ

そんなタイミングが重なり、「どうする家康」をリベラルアーツの視点で考えてみた。

①歴史を学べる

そりゃそうなんですが、戦国時代末期の時系列、合戦、各戦国武将については基本的に史実に基づいているので勉強になります。

特に、織田信長・豊臣秀吉が天下を取っていた時に、徳川家康がどんな動きをしていたのかはあまり注目できてなかったので、家康目線での戦国末期は面白い。
たしかに、豊臣秀吉が天下をほぼ取った時に、家康だけは最後の最後まで謁見に行かなかったよなぁ、とか。

「リベラルアーツの学び方」に書いてあったけど、同じテーマのものを重ねて学ぶと多角的に知れてよいらしい。
まさに漫画好きの私はこの時代の漫画をいくつか読んでいるので理解が深まっている。

最近の作品だとこのあたりが同時チェックにおすすめです。

信長協奏曲
信長を殺した男
雪花の虎

あと、過去の大河ドラマだけど「真田丸」も!

②リーダーシップ論

「リベラルアーツの学び方」によると、エビデンスはないけど自伝や思想は学びの対象になるらしい。

確かに、圧倒的なカリスマ性を持つ織田信長、戦国最強の部隊を持つ武田信玄・勝頼、人身掌握術で登り詰めた豊臣秀吉など、つよつよキャラだらけの戦国時代で、徳川家康って人質からスタートしている地味めのキャラ。

「どうする家康」でも描かれているように、数々の戦で「もう死ぬ!」みたいなときも多々あったそうな。(「家康 脱糞」で検索あれw)

でも、家臣に恵まれ、学び豊かだった家康が結果として天下を納め、戦国時代を終え、260年も続く徳川幕府を築いた。

最後の最後は家康が決断するけど、徳川家って色んな強みを持っている家臣が弱みを補い合いながら生き生きと仕事をしている気がする。
これってすごく大事なリーダーシップなんじゃない?と思える。

特に「どうする家康」ではそんな家康の人間味がめちゃくちゃ描かれているのは新鮮です。けど、あくまでもドラマのキャラだなと思ってしまうので、リベラルアーツの視点で多角的に情報を得ていく方がよさそう。

今読んでいるのがこちら。

勉強法、というよりも歴史書に基づいて家康の考え方を細かく読み解いているので徳川家康の考え方がよく理解できる。
今、半分ぐらいだけど、ビジネスマンとして非常に勉強になります!

③女性の強さ

ちょっと視点を変えて、「どうする家康」には様々な女性が出てきます。

・平和の世をつくろうと武田家も巻き込んだ瀬名:有村架純
・天下人秀吉にずばっと物申す寧々:和久井映見
・自分の身を安定させるために侍女から側室になったお万:松井玲奈
・常に前向きで明るく家康を支える於愛の方:広瀬アリス
・崩れ行く今川を支えた北条の娘糸:志田未来
・自分が戦の総大将だと断言した信長の妹お市:北川景子

他にも、お市様の侍女の阿月、秀吉の妹旭、石川和正の奥様とかとか…なんか書いていたらきりがないぐらいそれぞれに意思がある女性が多い。

一方で、「女性の政治ごっこには賛同はできん…!」と瀬名の構想を裏切ってしまった武田勝頼は、結果として武田家の滅亡を速めてしまったというのも考えさせられる。

実際には、戦国時代において政治に口出しできるほど女性の意見は強くなかったはずなのでだいぶ現代っぽいドラマ仕立て感はあります。
でも、女性ならではの視点で強い意志を持ち生き抜いていく彼女たちはかっこよいですよ。

ここから家康にとって重要なパートナー阿茶局も出てくるのでさらなる女性の活躍も期待できます!

さらに興味が出てくる徳川家康

…と、リベラルアーツを踏まえて徳川家康を見ていくともっと興味が出てくる。

最近の国内旅行の飛行機のテレビで、徳川家康をテーマにした「歴史秘話ヒストリア」があったのでつい観てしまった。

「世の中の知りたいことはすべて本に書いてある」みたいな言葉を残したほど大量の本から学び、それを実践してきた家康。
江戸幕府を開いてからも、誰でも借りれる図書館を作ったり、それが寺子屋の教科書につながり、世界屈指の識字率に至ったそうな。

ありがたや、徳川家康。

ということで、「徳川家康の勉強法」を読んだ後はこちらを読もうと思います。(みんな大好き、磯田先生!)


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