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ロボットから学ぶ「人生の勝利法」

最小労力で最大効果を得る方法を教えてほしいです。
ワシの人生のテーマなのですがなかなか難しいです。ヒントをください。

こんな質問を寄せてくださった方がいました。

「要は『ラクしていい人生を送りたい』ってことじゃないか! けしからん!」と怒り出す人もいるかもしれませんが、僕は大いに結構だと思います。
ラクして悪いことなんてあるでしょうか。負担は小さいならばそれに越したことはありません。

まぁ、僕自身はたえず力みすぎみたいなところがあって、頑張らない人生とは少し距離がある生き方を送っているのが現状なので、偉そうなことは言えません。
それでも、労少なくして功多い生き方をするコツはこういうことだろうな、と思うところはいくつかあります。

なんだか最近上手くいっていないな、という人の参考になれば幸いです。

目標を具体化せよ

あまり贅言をついやしてもというポイントですが、まず何よりも、「最小労力」と「最大効果」という目標の意味内容がはっきりしていることは大切でしょう。
「労力」が指すポイントと人それぞれでしょうし、「効果」にしたってそうです。
労力とは心身のストレスのことなのか、実労働時間のことなのか。
効果という語の内実は、幸福度なのか、お金の有無か、地位や能力の向上の幅なのか。
そこがはっきりすると目標はさらに絞られますよね。
「なるべく少ない時間の努力で最大限スキルを高めたい」なのか。
「ストレスを極限まで排除して、幸福度の高い人生を送りたい」なのか。
あるいはそれ以外の考え方も無数にあるでしょう。

いずれにせよ、自分が求めているものをきちんと精緻化しておくのは大事だと思います。
別に一つだけに絞る必要はありませんが、あまりとっちらかっているとよくない気がします。
この精緻化ができていると、次のステップもスムーズに行くはずです。

ルールを設計し、運用せよ

いわゆる成功者におおむね共通する特徴は何か。
それは、ルールの設計と運用がうまくいっているということです。

たとえばな話、「なるべく最小の努力で最大限スキルを高める」という目標があるとしましょう。
これをうまく達成する早道は、「一日に○○以上頑張ることはしない」といったルールを自分自身に課し、それを一定期間にわたって忠実に守り、そのルールによって達成された成果(テストの点数など)の評価を通してルールそのものを見直す、というサイクルを確立することです。
なんだよただのPDCAじゃないか、という声が聞こえてきそうですが、多分まぁそうなのでしょう。知らんけどね。呼び方なんてどうでもいいです。

しかし、適切なルールを設計して一定期間にわたり運用するという考え方そのものは、効果の最大化においてとても大事です。
株式投資やFX取引におけるロボアドや、麻雀や囲碁のAIの強みはそこにあります。
厳密に定められたルールを、感情にも左右されることなく守り抜き、運用の成果だけを見てルールを調整していける。
ゲーム性のあるフィールドで勝利を上げるうえで、これほどの強みはないでしょう。

ということで、「適切なルールの設計と運用」を是非心がけられてはと思います。

ちなみに、「一定期間の運用」という場合の「一定期間」はどれくらいを指すのでしょう。
僕も厳密にはわかりませんが、要は「統計的に十分な回数だけ試行を繰り返す」といった発想に近い考え方を当てはめればいいのだと思います。
となると、大いにモノによるとは思いますが、1週間や1か月くらいでうまくいった・いかないの判断を下すのは早計な気がします。
どんなにいいルールでも、最低でも3か月くらいは回してみないと良し悪しは判断できないと思います。むろん、どうしようもないダメなルールは、ダメだと気づいた時点で撤回すべきでしょうが。

人生の「一回性」に気をつけろ

掌を返すようですが、3か月は様子を見ろ、と言ったものの、この数字にさしたる根拠はありません。あくまで経験則です。
開き直るようですが、これに関してはっきりした数字を出すことはできないと僕は思います。

というのも、人生は全く同じ条件から始まる試行の繰り返しではありません
毎回定められた52枚のカードから手札が選ばれるゲームとは違い、どの1時間、1日、1年も、異なる条件設定のもとで経験されるものです。
しかも、経験の蓄積やライフステージその他によって、自分自身が大切にするものさえ変わってしまうことがありえます。

ですから、あるルールを適用していくにあたっても、必ず折にふれてルールそのものを見直すことは大切だと思います。
自分は今、自分が生きたいように生きられているか? これから先も、今までと同じ原則を用いつづけてかまわないか?
うまくいかないときはもちろん、うまくいっていると感じるときも、ときどき立ち止まって考えてみるべきかと思います。

余談ですが、人間は後付け的に自分の行ってきたことを正当化するのが得意な生き物です。
ともすると、「自分が今ここにいるのは自分の努力が正しかったからだ」という都合のいい自己評価をしがちです。
何かに漫然と手をつけ、漫然と続けていると、もっともらしい理由をつけて、いつまでもそこから離れられなくなるわけです。
面倒な努力を習慣化する、といった場面では役に立つ傾向かもしれませんが、賞味期限切れのルールを惰性で使うのを避けるうえでは邪魔になりうるということは、覚えていいでしょう。

おわりに

人生はあまりに人それぞれで、最適解を見つけるにもそれなりの時間がかかるものです。
しかし、それはそういうものと受け入れつつ、さまざまな仮説を検証するように、自分がこうと思う生き方を試していくようにすれば、きっといずれ行きたいところにたどり着けるはずです。
大事なのは焦らないこと、そして自分が求めているものをよく見つめることではないかと思います。

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