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#7 優しさの魔法

※2015年5月20日に書いたブログを転載しています。




5月15日



今日はおじいさんとのお別れの日だ。

約3日おじいさんと過ごして来た。



おじいさんは列車の外まで俺らを見送ってくれた。



おじいさんの眼には涙が浮かんでいる。



おじいさんは時折無表情で何を考えてるいるかわからない時があった。

それを俺は少し怖く感じていた。



無表情であまり感情が無い人、そういうイメージを持っていたかもしれない。



だけどおじいさんは泣いてくれている。

たった3日間寝床を一緒にした言葉も通じない日本人二人の為に。



俺より何倍も何十倍もおじいさんは暖かい気持ちを持っていた。



自分自身への恥ずかしさと悔しさが込み上がってくる、と同時に寂しさで涙が溢れ落ちそうになる。



最後におじいさんと抱き合った。

おじいさんは優しく背中を撫でてくれた。





眼の色が違う。肌の色が違う。言葉が違う。だからなんなんやろ?



一番大事な心が一緒やんけ!とか思いました。

 


悲しい時に泣き、楽しい時に笑う。


 

それは俺も、そして遠いロシアで生まれ育ったおじいさんも同じだ。



おじいさん、スパシーバ!!




アンジェリーナもバイバイ!!笑

可愛い!!



ここで少し違うお話したいと思います。



ヘベレケロシア人をおじいさんが叱った時、日本だったらどうだろう?



恐らく若者がおじいさんに逆ギレするんじゃないだろうか?



でもロシアでは違った。おじいさんに叱られると何も言わずに出て行った。



昨日も中年のロシア人とまだ十代くらいの男の子が部屋に来た。



初めは何しに来たんやろ?と思って少し怖かったがどうやらおじいさんとお喋りをしに来たようだった。



そこにスタッフのママもやって来ておじいさんの話を聞いている。



率直に感じたのはロシアでは年配の方を凄く敬っていると思った。



それは先人に対して感謝の気持ちがあるように見えた。



それは日本にもある心だと思う。



だけど俺は…?

先人に対しての感謝の気持ち?考えたことないかもな…。



おじいさんが日本が好きだと言って俺らに優しくしてくれるのは、やはり俺らのおじいちゃんの年代の方たちの行為のおかげな気がした。



昔漫画で読んだ言葉を思い出した。

優しさは魔法。

誰かに優しさをもらったら次の誰かへ届けなければいけない。

そうやって続いていく優しさの魔法。



俺で止めてはいけない。おじいさんから、そして先人から届いて来た優しさを次の誰かへ渡そう。



これが今の俺なりの、先人に対しての感謝だ。



こうやって続いていくんだろう、きっと。



優しさは魔法だ。

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