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#12 孤独の向こう側

※2015年5月24日に書いたブログを転載しています。



5月23日



朝早くに目が覚めた。

今日はとうとうミツとのお別れだ。


二人共冴えない顔をしている。



不安やな、不安やな、これからどうなるんやろ?

そんな事ばかり話していた。



11時、チェックアウトの時間が来た。がしばらくホステルのロビーに二人で居座った。



ミツ「充電満タンなったら行くわ。」

俺「わかった。」



お別れの時。
時間にすればたった二週間程度だがとんでもなく濃く、そして長く感じた出来事が走馬灯の様に頭を駆け巡る。



二週間24時間を一緒に過ごす中で腹立つことも一杯あった。



けど今はただただ寂しい…。
そしてなによりも不安だ…。



胸が締め付けられる。



ミツがおれへんかったらここまで来れてたかな?と真剣に思う。



昨日はってた意地はどこへいったんやろ?



別れ際、感謝の気持ちしか無くなっていた。



お互い目頭が熱くなる。握手を交わし肩を抱き合った。



俺「死ぬなよ!」

ミツ「お互いな!」



ミツは涙を流す前にホステルを後にした。





一人になった。そのままポカーンと座り込む。



現実を受け入れるのにそう時間はかからない。



別れの寂しさ、一人になった孤独さ、そして不安が、心に一気に流れ込んで来る。



見えない何かに飲み込まれそうな時、姉ちゃんから連絡が来た。



必要な時、必要な人が現れるんかな…と後に思った。



姉ちゃん「元気してんかー?」



久々に聞く家族の声に耳ではなく心が反応する。

恥ずかしさで堪えていた筈の涙がボロボロと流れた。



姉ちゃん「今帰って来ても、もう十分かっこいいで!トモがまだ旅を続けたいんやっら続けたらええし、帰りたいんやったらいつでも帰ればいい!今帰ろうが、もう少し先になろうが自慢である弟に変わりはないよ!」



今一番欲しい言葉やったような気がする。



涙を流して少し心が落ち着いた。



上の階のホステルのチェックインまで、まだ少し時間があった。



ボーッと椅子に座っていると台湾人のエッガーがサッカーゲームをやろうと言って来た。





今まで泣いてたっちゅうねん!

ホンマ気楽やでな~慣れなんかな、、、結局。



その後はオカンとも話した。



あー久々に聞いたなーオカンの声…。



また泣きそうになるが今度は堪えた。



時間が来たので上の階のホステルにチェックイン。

少し怖い雰囲気だ…。



荷物を起きバスキングに向かう事にした。



建物から出ると昨日のホステルのスタッフがいて、話しかけて来た。



「どこに行くんだ?」

「歌いに行く。人が一杯いる所は何処かな?」

「よし!任せろ!俺が案内してやる!」



トラムに乗り込む。スタッフはベトナム人のベトナムン。名前聞き取れませんでした。笑



ベトナムンは俺が大阪出身だと言うと、行ってみたい!たこ焼き!たこ焼き!

と言っていた。



ベトナムンのお姉さんは京都の宇治に住んで抹茶を売っているらしい。



ベトナムンは俺を案内してくれると、帰り方を教えてくれホステルに戻った。



滅茶苦茶ええ奴やん…ベトナムン…。





トラムに乗ってやって来たのはショッピングモール街。



見事なチャーチが姿を現わす。






すげぇ…。



少し歩きポイントを決め歌う。



結果5ユーロ。





結構声出てんけどなぁー…。



ギターが全然アカンな。悔しい。



1ユーロのビールを買った。



夜、ヤニーの所にお別れを言いに行った。



俺「明日オウルの街に行くわ!辿り着けるか分からんけど!」

ヤニー「日本の友よ!良い旅をしろよ!」





ヤニーは1ヶ月後スペインのバルセロナに渡り3ヶ月絵の勉強をするらしい。



格好ええ39歳。



俺がお別れの挨拶行った時はネットゲームやってたけど。笑



俺も1ヶ月後位にスペインに行くで!

んで日本から彼女来るねん!と言うと、

グレイト!もし会えたらスペインで会おう!と言ってくれた。



ヤニー、ほんとに良い奴だ。



でもこんな毎晩ベロベロな絵描きいてるんやな。笑



連絡先を交換し、自分のホステルへ戻った。



買っていたビールを飲む。





そして晩御飯。晩御飯てか節約の為に朝昼晩同じもん食うてます。



パンにサラミとチーズを乗せる。





あー!!寿司食いてぇーーー!!



疲れた心と体にビールが染み込む。



ウトウトしてしまい、一瞬夢を見た。



周りには地元のツレ、居酒屋でワイワイと盛り上がっている。



はっ!として目が覚めると前には鼻にピアスをした女の子と黒人男性のカップル。

じっと俺を見ている。



何か喋れよ。いや俺がか。



ベットに戻り天井を見上げる。



明日は次の街に向かう列車に乗り込む。



ちゃんと乗れるかな?考える間も無く眠りについていた。

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