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#2 みんなのおすすめ本!

チルいリスナー、読者のみなさ〜ん!
こんばんは!じょんです。
note支部第二弾の記事では、ジェダイのメンバーのおすすめ本を紹介していこうと思います!

ジェダイのメンバーに「好きな本教えて〜、ジャンルはなんでもいいよ」と声をかけたところ、なんだかんだジェンダーについての本が集まってきました。さすがはジェダイ。
年末年始(と言ってもあと数時間で年末期間は終わってしまいますね…)の読書の参考にでもしていただけたら、メンバーたちが喜びます。多分。
今回は4人のメンバーから、全部で5冊の本を紹介させていただきます。

その1:『私はイスラム教徒でフェミニスト』

ナディア・エル・ブガ、ヴィクトリア・ゲラン 著
中村富美子 訳
2021年

とうもろこしからのおすすめです!

内容要約:
性科学医という日本にはない職業で、診療所を開設するナディアの診察記録と自伝。

おすすめの理由:
性科学医として活躍するイスラム教徒で、フェミニストな女性が信仰とフェミニズムの間で獲得してきたジェンダー観が興味深い。
診察に訪れるムスリムの人々のジェンダー観にも触れられる。


その2:『フェミニジア -女だけのユートピア-』
(原題 "HERLAND")

シャーロット・パーキンズ・ステットソン 著
三輪妙子 訳
1984年

聖司くんからのおすすめです!

内容要約:
舞台は20世紀前半。バリバリの家父長制社会を生きるアメリカ人男性三人が、アマゾンの奥地にある女性だけの国に探検に出かけるところからストーリーは始まる。フェミニズムSF小説の古典。
フェミニジアでは、女性たちが性行為を介さずに妊娠し、出産する。「女性は崇めたてまつるもの」とする植物学者のジェフ、「女は征服されるのが好きなんだ」という金持ちのテリー、そして「女性は友達」とする社会学者のヴァンというキャラクターを通して、読者は当時のアメリカの女性の生き方とフェミニジアの女性の生き方を比較することができる。

おすすめの理由:
女だけの国を思考実験したところが魅力ポイント。フェミニジアでは教育や服装、働く目的まで、社会のあらゆる要素が家父長制である当時のアメリカ社会(20世紀前半)と対照的なのが読者の想像力を刺激する。文章も簡潔で分量も少ないので読みやすい。
ただ、本作は女性であることを、ストレート(注:ここで言う「ストレート」とは性自認がシスかつ性的志向がヘテロセクシャルであることを意味する)で、子供を産み、母親になることと定義する。現代を生きる読者からすると、ユートピア的雰囲気をまとったディストピア作品であると読むこともできる。


その3:『ハイヒールを履かない女たち』


あぶみあざき 著/文
2022年

りんごからのおすすめです!

内容要約:
2022年のジェンダーギャップ指数ランキングで3位となった北欧・ノルウェーの、ジェンダー平等を推し進めてきた政治や国民意識の在り方について、写真家でもある著者によって撮られたたくさんの写真とともにわかりやすく描写されている。

おすすめの理由:
日本に生きる私たちにとってはまるで理想郷のように思えるノルウェーの社会。どのようにしてその平等がつくられてきたのか、国民はどのように向き合っているのか。私たちの社会の「常識」とはまるで違う、驚くような「当たり前」が根付いている一方で、まだまだ女性へのセクハラやガラスの天井など、問題はある。平等を求めて闘う人々の存在が鮮やかに描かれており、勇気を貰える一冊です。


その4:『Black Box』

伊藤詩織 著
2017年

レモンからのおすすめ①です!

内容要約:
ジャーナリストで著者の伊藤さんは2015年、上司に当たる人から性暴力を受ける。意識のない間に行われていた性被害から必死に逃れた後の状況、被害者が蔑ろにされている司法制度や警察での対応。性犯罪者に甘く、性被害者に厳しい日本の現実など、実体験と、これ以上自分のように傷つく人を出したくないという思いから編まれたノンフィクション。
2022年10月にはその後をエッセイで語った新刊も刊行された。

おすすめの理由:
この本を読むまで私は性暴力について無知だったと気付かされるほど衝撃的でした。性暴力被害者は、被害による身体的・精神的ショックだけでなく、社会に溢れる無理解や二次加害でさらに追い詰められることを、伊藤さん自身の体験を基にして発信することにした勇気を尊敬すると共に、自分も性暴力のない社会、そして、被害者がいち早くケアにアクセスできる制度を作るために行動したいと思ったきっかけになりました。
事件やその後の対応など、読み進めるには辛い部分もありますが、より多くの人に読まれてほしい1冊です。


その5:『女の子はどう生きるか-教えて、上野先生!-』

上野千鶴子 著
2021年

レモンからのおすすめ②です!

内容要約:
著名なフェミニストでジェンダー研究のパイオニアである上野千鶴子先生が、ジェンダーにまつわる日常的な疑問に答える形で構成された1冊。
「これまで若者に語りかける本は、語り手も受け手も男性ばかりだった。だから、女の子に向けた本が書かれなければならない」と前書きで述べられている通り、フェミニズムをベースに性差別を痛烈に批判しつつ、希望を感じさせてくれる入門書。

おすすめの理由:
私は、上野先生の東大でのスピーチを記事で読んで、フェミニズムへの興味が強くなりました。そのスピーチ全文が末尾に掲載されているこの本は、学校での疑問、主に異性間の恋愛で起こる関係性の不均衡、就職後どのような現実が存在しているかなど、読みやすく、軽やかに伝えてくれます。
語られている現実は全然優しくないのですが、これまでフェミニズムが成し遂げてきた成果を折に触れて理解できるので、未来へのバトンを手渡されたような気持ちになりました。


さあ、今夜もチルい夜になりましたでしょうか?
どことなく、文体からメンバーそれぞれの人柄も浮かび上がってくる感じがしますね。
今後もおすすめ本紹介は不定期でやっていきたいです!

知っている本を見つけた方、またここにはないけれどおすすめの本がある方は、コメントにてお知らせいただけると嬉しいです!
それではまた〜


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