見出し画像

【withコロナ時代】購買行動が変化。デジタル書籍が売れる"BL消費"アンケート調査

2020年3月から叫ばれている外出や大規模イベントの自粛。消費者の行動が制限され変化したことにより、消費行動が様変わりすることとなりました。

ウイルスと人類の戦いは根深く長期間に渡り、新型コロナウイルスの混乱が収まる「アフターコロナ」ではなく、ウイルスを避けつつ共存していく「withコロナ」の時代が続くと一説には言われています。フェス等人が集まるイベント、映画など密閉空間での娯楽等、"コロナ前"と"コロナ後"でエンタメの楽しみ方が変化し遷移していく…そんな過渡期に私たちは今立たされています。

しきりに叫ばれる「3密」を避ける社会で、消費者はどのような購買活動へ遷移するのか、注目が高まります。

そこで今回オタクマーケティング研究所は、2020年3月に約1378人のアンケートと商業BLレビューサイト「ちるちる」ユーザの行動を元に、購買行動の変化を調査!結果を、数字で簡単にご紹介します。

まずは全体のBL消費から。

"年間のBL購入金額=10万円以上"が最多

▼年間でBL関連を購入している金額

画像13

最も多かったのは、年間10万円以上購入する層。次いで5万円~10万円、1万円~5万円と続きますが、特筆すべきは年間50万円以上購入しているBLファンが6%いること。アンケートの回答者の平均年齢は34歳と社会人が多いことが、消費額の大きさに繋がっています。

画像13

一方、より細かく月間購入額を見ると、5000円以下・1~3万円・1万円以下でおおよそ3割とばらける結果に。

内訳は圧倒的"読み物"腐女子のストーリー消費欲

消費ジャンル

次に、実際どういった物を購入しているのかを調査。11のカテゴリ(商業BL漫画/商業BL小説/舞台/商業BLグッズ・イベント/作家・声優イベント/BLCD/同人誌/一般作品アプリ(コラボ含む)/同人グッズ・イベント)から購入頻度の高い順で答えていただきました。

購入カテゴリー別アンケートは、①商業BL漫画②同人誌③商業BL小説という、購入TOP3が全て読み物という結果に。BLCDも追随しています。

展示会・イベント・コラボカフェ・舞台・映画等、外へ出かけるリアルイベントの機会が増えてきていますが、まだ発展途上であり伸び悩む結果に。さらに、新型コロナウイルスの影響で今後のリアルイベントの様相は変化せざるを得ない状況を鑑みると、リアルとはまた違った新感覚のオンラインイベントが誕生する可能性も。

▼BL関連の中で最も購入しているカテゴリー

スクリーンショット 2020-04-13 9.40.50

▼BL関連の中で2番目に購入割合が高いカテゴリー

スクリーンショット 2020-04-13 9.41.04

▼BL関連の中で3番目に購入割合が高いカテゴリー

スクリーンショット 2020-04-13 9.41.17

漫画・小説・同人誌…読み物に共通するものと言えば、ストーリーの有無。そもそも腐女子のお仕事は妄想。腐女子が腐女子たるのは、二次元で発揮される恋愛脳と底なしの想像力。ストーリー消費への欲求は温泉のように湧きたっているのです。ストーリー消費がTOP3に入るのも頷けるでしょう。

外出自粛によるBL消費の変化

アンケートでは、「新型コロナウイルスの影響によるイベント中止等、お財布事情に変化があったか」も質問。

スクリーンショット 2020-04-13 13.09.49

新型コロナウイルスにより、出費が通常より<プラスまたは変化なし>と<マイナス>だったかで大別すると<プラスまたは変化なし>の回答が9割に上りました。まずは、大幅に割合となった<プラスまたは変化なし>の内容をみていきましょう。

コロナ_記事


「支出に変化がない」と答えた897人。その内訳を分類して見ると、

1. 「元々電子書籍・通販を利用していた」14%(129人)

2. 「イベントがキャンセルになったがその分をBL作品購入に回した」31%(280人)

3.  「新型コロナウイルスの影響で電子書籍・通販を利用した」23%(207人)

となっており、家で楽しめる漫画や小説をはじめとした自宅エンタメの購入需要は年々増加にありましたが、外出自粛をトリガーにさらに加速していることが分かります。価格も大体1冊あたり1000円以下で楽しめ、購入手段の簡易さに各種電子書籍サービスが一斉にお買い得なフェア開催も合間って、電子書籍購入を後押ししているようです。

▼<変化がない>回答者の内訳

あ


外出自粛の"コロナ後"に出費が増した、オタクの消費行動

それでは、残りの約1割の人たちは何故<マイナス>になっているのでしょうか。

まずは、3月にバズったこちらのツイートをご覧ください。

「オタクに10万給付したら、うっかり15万使うからオタクには金を与えれば与えるほど良い」。

本項を結論から述べると、

出費予定だったイベントがキャンセルになった分の予算をBL作品に投入し、気がついたら予算より大幅に購入してるぞ…!?」

というコメントが、全回答者の約3割寄せられました。(<マイナス>だと回答した137人の内訳では約24%です。)

<1万円~10万円以上マイナス>だった人たちの理由を、アンケート時に提供いただいたコメントでご紹介します。

気づいたら買いすぎ!?マイナスだった方々のコメント

消費行動

◆外出自粛で在宅時間が増えた

<1万円以上マイナス>月に10冊までと決めていた本が、家にいることが多くなった為か、いつのまにか20冊近く買ってしまっていました…
<1万円以上マイナス>家に篭ることが多くなり、電子書籍で漫画や小説を購入し読書に耽ることが非常に多くなりました。結果、普段より10ー15冊ほど多く購入し、1万円ほど出費が嵩んでいます。

電子書籍フェアが購入の背中を押す

<1万円以上マイナス>様々な自粛により各出版社さまが自宅で楽しめるよういろいろな企画をしてくださるので、いつもより多く電子書籍などを購入することになりました。出費はあったが、得をしています。

◆イベントキャンセル分で購入…のつもりが、うっかり10万円使ってた!?

<10万円以上マイナス>J庭は不参加。
そのフラストレーションのせいか、ネット通販でグッズや漫画を買い漁り、この短期間で10万以上使ってます。
グッズ:3万 漫画と小説:7万
<5万円以上マイナス>他の趣味のチケット返金があったので、その分BL漫画を買おうと思ったら1万程度予算をオーバーして結果いつもの2倍くらい漫画を買ってしまった。

グッズは消費じゃない、幸せの投資である

<10万円以上マイナス>イベントで購入出来ないので全て通販にシフトして購入したので、ついでにグッズを大量に購入している。
<10万円以上マイナス>イベントが中止になった分、通販の本やグッズにお金をつぎ込み、イベント代よりも高い買い物になりました。
作家さんもBOOTHとかでオリジナルグッズを通販しているので、月に数万以上グッズとかに費やしています。
でも、損だとは思わないです。
部屋がグッズにあふれているのも幸せです。

このように、先日バズったツイートのような現象が実際に起きていることが判明することに…。

外出自粛要因のマイナス出費理由も

◆コロナによる不安感がお財布に響く…

新型コロナウイルスがダイレクトに影響している例も、アンケート結果から見受けられました。

<5万円以上マイナス>サービス業です。収入減。これから先の希望なし。趣味にお金が出せない可能性もあります。
<5000円以上プラス>もし身近な人がコロナにかかった場合、入院費や失業の可能性があり、とりあえず趣味より生活費を考えなくてはならないため、趣味のBL予算は削ると思う。もし身近な人がコロナにかかった場合、入院費や失業の可能性があり、とりあえず趣味より生活費を考えなくてはならないため、趣味のBL予算は削る。

実質的な収入源から、社会の不安感による節約思考等、趣味の費用は節約したいという声も。

◆サークル参加予定だったけど…

<5万円以上マイナス>自分が描いてる一次創作BL同人誌を出す機会が減り、年間の売り上げが減った。

買いすぎちゃった方々の他に、<5万円以上のマイナス>だった層では、イベントが中止となったサークル参加者の方も。サークル参加者は、全回答のうち10名と少数ではありますが、いずれも5万円〜10万円マイナス出費となっており、個人の出費としては打撃が大きいですね…。

2020年はお財布の紐をしめる?消費意欲を調査

さらに、0~5段階で2020年の推し作品への消費意欲を聞きました。5が「積極的に予算をかけたい」、0を「出費するつもりはない」で回答。

結果は、意欲の真ん中である3、そして出費を抑えたい2が全体の67%を占めました。積極的に予算をかけたい4と5は、約28%に。

▼2020年の推し作品への消費意欲

スクリーンショット 2020-04-13 17.52.39

面白いのは、前述した「外出自粛による出費の変化」が通常より<マイナス>だったと回答した方々の消費意欲についての結果。

い

なんと全員が5段階中3~5と回答し、5の回答に至っては半数以上を占めました。ちなみに、全員が年間50万円消費している猛者たちです。鶏が先か、卵が先か…どちらにせよ、BLへの情熱のかけ方が天元突破していると言えるでしょう。このように、コラボカフェや映画、展示会へ毎日のように足繁く通うファン、万単位の予算でグッズを購入するファン…ロイヤリティの高いBLファンの購買層が存在します。

そんな一部の方のコメントをご紹介します。

◆視座が高すぎる…BL歴戦の勇士のコメント

人生をBLに捧げているので、大好きな作品や作家さんには惜しまずお金をかけます。毎月の給料の90%をBL予算にしていますが、後悔は全くないです。
推しの応援やお給料に反映されるのであれば惜しみ無く使いたいです。
bLの発展の為になるべくお金をかけるようにしています。

給与の9割、推しの応援、BLの発展…なんという視座の高いコメントでしょうか…。もはやBL業界で勤務して欲しいくらいです。沼は人を狂わすと表現されることもありますが、これほど人を魅了するBLコンテンツの凄さを痛感するコメントでした。

ここまでのまとめ

まとめ

解説を出来るだけ簡潔にしましたが長くなってきてしまいましたので、アンケート結果は続編noteに続きます!


edited by むきゃ(@kahonyun)

ーー

「オタク女子マーケティング研究所」、「ちるちる」を運営する(株)サンディアスでは、豊富なBL業界の知見を元に腐女子向けサービス・コンテンツのアドバイスを行っています。

また、取材やインタビューも積極的に取り組む予定ですので、お気軽にTwitterのDMなどからご連絡ください。

Follow me! オタク女子マーケティング研究所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?