よふかししてあさぼらけ。


ドタバタしてあたふたして外で日中を過ごしたあと、あーあ、と軽く身体の疲労を口に出す。

コスパが悪いこの身体。何かをして家に帰ってきたら頭がふわふわしてくる。

そういえば今日は立ちっぱなしだったな、と振り返りながら、重すぎる腰をソファーに下ろす。
冷蔵庫から取り出したお茶が入ったピッチャーと、IKEAのピンク色のプラスチックのコップを横に置いて、晩酌をするようにぐびぐびとお茶をインプットする。

「いい飲みっぷりだー!!!!!!!!!!!!!」

と言う声が聞こえてくる。ような気がした。

そういう飲み会には参加したことないけど。参加したくもないですし。

気のせいだった。疲弊して周囲にまで気が回らなくなっていただけだ。

幻聴までは言わないけれど、頭が思うようにふざけていくのを止めるものがなくなっている。想像でふざけて勝手に笑っている。緊張感もなければ張り詰めるものもない。

もちろん家での出来事だから、大いに結構なんだろうけど、急なスイッチの切り替えをしている自分に俯瞰で見て初めて気づく。

スマホをいじりながら艶っぽくコップを口につける。ただのお茶なのに。

雰囲気倒しのお茶飲みを終えて、軽く夕飯を済ませる。軽食を取って空腹をごまかしているうちに、夕飯をしっかり食べられるほどの胃の空きはなかった。

白米に付け合わせのように即席の味噌汁をお湯で完成させて、和食を堪能したつもりになっていた。


私の中での食欲は、胃の許容量と好き嫌いだけでなく、組み合わせやその場の緊張感、気分によってでも変動する。

雰囲気だけでお腹いっぱいだよ〜って冗談めかしくいってても、実は割と本気な場合が多い。気づいたときには小食になっていた。

ガッツリ系ラーメン、肉々しいスタミナセット、ファーストフードのカロリー爆弾。無理しないと食べられない。

手軽な金額でガッツリ食べて、「コスパ良くご飯食べようぜ〜」とか言われてご飯に誘われる前に、私自身が食欲に関してはかなりの低燃費だ。リッター30キロ級の自動車が出てきたときの衝撃ぐらいには燃費がいい。

効率の良い、というよりは入れすぎると壊れてしまうだけなのだが、テキトーとも言える食事を終わらせて、部屋に戻る。



秒で寝たよね。秒。
一息ついてプライベートな時間を満喫するなんて余裕はなかった。

ラジオを聴きながら文章を考え、自分の世界を膨らませているような、後が長い夜のことを考えてしまうと、ここらで一回仮眠したほうがいいだろうと身体が学習してしまったのかもしれない。

パタンと眠り、1時間もすれば勝手に目が覚める。これが最近気づいたけどスキルとして優秀。目覚ましもタイマーも使わずに1時間で目を覚まして夜に8割近い元気さで向き合える。

寝て起きて、勉強を始める。ここだけ切り取ると真っ当な人間の生活のようにも聞こえる。時間の感覚は麻痺してどうにかなってしまったが、その中でなんとなく愉快にやってるからこれはこれでいいだろうと受け入れた。


制約が少ないのも相まって好き勝手に「生きる」をしているけれど、明日は朝から用事がある。遅れられないらしい。

あーあ あーあ。

どうしよう。起きられる自信ないな。よふかししようかな。


いいや、早く切り上げて眠れる時間を伸ばす努力をするべきだ。

それもそうだな、寝る準備に移ります。

良いよるをお過ごしください。

おやすみなさい。



自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。