各駅停車にわざわざ乗り込む。

用事があって電車を乗り継いで目的地に向かう。
長い電車の旅のメリットといえば、車体の心地良い揺れを感じながらの読書が捗ることが挙げられる。あと仮眠を取るのに向いてる。

電車に乗りながらずっとスマホを見ているのは何だかもったいない気分になる。急用でもない限りはスマホを近づけたくない。


いつでもできるゲームで時間を潰したりはしたくない。SNSで妙に引っかかる単語を調べながら自分の語彙を伸ばそうと意識してみたり、その日の計画を練り上げたりしている。

計画を練り上げるとはいっても、条件と場合によって変えてもいける範囲の小さなもので、本当にノープランのときだけだ。

自分だけじゃなくて誰かと待ち合わせしている場合は遅れたくないとずっと思ってるから、20分前には待ち合わせ場所に到着しようとするし、確実に先に到着できるようにある程度調べきっている。これといって調べることは移動中の電車ではほとんどないのだ。

ここまでの思考と手順を通過して問題なく進みそうになると、ようやく読書タイムにしようと踏ん切れる。

夜明けのすべて を半分ぐらい読めた。ものの10~20分を何度か重ねただけで、話のストーリーを受け入れながら、時間をかけすぎずに読書を進められる。

家やカフェでは味わえない電車の揺れを味方につけたときは、読書との親和性の高さに感動する。

読みやすさの風に吹かれながら、外の風景に目を移す。普段は通らない乗らないが故に、新鮮さに目を輝かせる。

この調子で明日には本を読み終えたい。お気に入りの読書タイミングだとはいえ、電車にわざわざそのために乗るのは気がひけるし、どこかに行きたい欲がない。家でもどうにかやる気を移して読書が結果的にできていてほしい。明日を振り返るときにはもう忘れてしまっていそうだ。

ただでさえ今は強めの眠気に何度も何度も侵されそうになってるから、起きたときには何も覚えていないだろう。

本を読み進めるのを目標にするつもりだけど、仮に忘れても自分を甘やかしてあげるのは変わらない。そんなときもあるよね、と慰めの言葉をかけてあげる。

眠いなら無理せずに寝ようね。
それだけの疲労感は一日よく頑張ったことを表しているね。えらい。ゆっくり休んでね。


これも一種の甘やかしだ。

夜食のつもりでモンプランを買ってきた。
これは一種の甘いものだ。美味しかった。

心の中で拍手をして、倒れるように眠るのだ。

おやすみなさい。

自分を甘やかしてご褒美に使わせていただきます。