見出し画像

上手に病気になること

衝撃的なタイトルですが、コロナ生活も3年。生活だけではなく、思考までも変わらざるを得なくなりました。変化したことで必ず起こるメリットデメリット。チャイルドケアでは、「良いこと」だけに目を向けるのではなく「悪いこと」に対しても目を向け考えてみることが大切とお伝えしています。良いことの中にも「悪」があり、悪いことの中にも「良」がある。そんな風にとらえて考えてみることで、公平な視点でとらえることができるからです。

コロナ生活でマスクやアルコール消毒だけではなく、人との関りが減ったことで、コロナだけではなくさまざまなウイルスに対しても防御できるようになってきました。それは良いことだと思っていましたが、子どもたちの生活の中では少し困った現象も起こっています。

1歳~7歳までの未就学の子どもたちが、風邪をひかなくなっているのです。文字にすればいいことのように思われますが、過剰なアルコール消毒と人との距離をとることで、単純に風邪がうつるような環境がないからです。でもこれって本当に良いことなんでしょうか?子どもは、まだ免疫がないので、大人よりも風邪などを引きやすい状況にあります。でも大病ではなく小さな不調程度の風邪です。そういう小さな不調を経験していくことで、自然に耐性ができ、免疫が作られていきます。だから上手に病気をすることも必要でした。

でも、コロナ生活で風邪さえもひくことがなくなっているこの状況は、今までだったら軽い風邪で収まったことも、免疫がないことで重病化してしまうことが懸念されています。こんなところにもコロナ生活の歪みが出てくるのですね。

病気は「悪」?


病気になることは「悪」なのでしょうか。痛みがあったりだるさがあったりすると途端に不安になります。現代人は、病気を治すことは、症状が治まればいいと考えがちです。でもその症状の抑え方に問題があるように思います。これも合理的に最速、最短を良しとする現代人の思考に影響されていると思います。熱が下がれば健康なのか?咳が出ていなければ治っているのか?本当にそうでしょうか。薬で抑えているだけで本当に治っているとは思えません。

病気の種類や状況にもよりますが、病気と向き合うというよりは、症状があることで、日常がおくれない不便さに対して苦痛を抱いているようです。病気本来の辛さよりも、病気になったことでのストレスが強いのです。つまり、日常がおくれないことに対して恐れているストレスです。だから、薬で突貫工事のように抑え込んで無理に日常に戻ろうとする傾向がありますね。まるで病気さえもコントロールできると思ってしまうのです。

対症療法慣れとでもいうのでしょうか、本来、病気を治すということは、病気を理解して、養生含め体を調えていくものだったと思います。病気をやみくもに恐れて遠ざけていると、体験で得られることも失い、いざ病気になったときにすぐに耐えられなくなります。そのため、今までであれば、すぐに良くなる症状であっても、良くならずに大病につながることも出てきています。

現代人は薬でコントロールする傾向が増えたため、病気の治し方を経験することが減ってしまったのかもしれません。また病気になったら薬でコントロールしていくものだと思っているのかもしれません。日本ほど薬を使う国はありません。世界の薬の40%は日本人が使うと言われたこともあります。コロナ生活でワクチンの増加もありますが、今一度薬との向き合い方、病気の治し方を考えてみる必要があるでしょう。

もちろん、不調になれば専門家の先生を尋ねるべきですが、薬を飲まないで対応できる方法があるのかどうか尋ねてみることです。薬をできるだけ飲まずに治そうと考えているお医者様も増えてきました。そういうお医者様を探して、病気との向き合い方をフォローしていただけると良いと思います。

実は私も春に今までにない不調が起こりました。めったに病院に行かないので症状を検索し、病院をネットで探しました。そのときに評判の良し悪しを星の数で示しているものがありました。一つの病院は☆がまったくついてなく、どちらかというと悪い評価がついていました。コメントを読むと「ここの先生は薬を出してくれません。」「話が長い」などと書いてありました。私はすぐにこの先生のいる病院をあえて選びました。興味もあったからです。

評価とは裏腹に院内は清潔で、受付の方も対応が良いのです。先生は、初めてなのに世間話までできる話しやすい雰囲気を作り、とにかくしっかりと私の辛い部分を引き出し、状況を知ろうとしてくれました。もちろん薬に頼りたくないこと、他に治す方法があれば教えてほしいこともお話しました。それも含めてお薬は1種類出ました。でもその1種類も必ず1週間後にもう一度来院するということが条件でした。病気は患者さんと専門家で治していくものだからということでした。

2回目に行ったときには調子も戻ったので、その報告をしましたが、そのときにもしっかりお話を聞いてくださり、薬はでませんでした。良い先生に出会えたと思った出来事でした。薬をもらいに行った薬局でも「ここだけの話ですが、この先生を選んだのは大正解ですよ」と言われて、ネットの評価は当てにならないと思いました。

かしこい体とじょうぶな心を作る


本当の健康は、多少の変化にも臨機応変に柔軟に対応できることです。自然界は穏やかな時ばかりではありません。荒れることも多くあります。特に日本は四季があります。季節の変化に対応している植物は強くて美しく、食べることができる植物は味も深みがあり、美味しくなります。体を健やかに育てるということは、様々な経験を体に覚えさせて、耐性を作ったり、その状況に合わせて変化ができることです。かしこい体であることです。

心もいつも通りの平穏な日常ばかりを過ごしていると、刺激に弱くなります。いつも笑顔でいられることばかりが良いとは限らないのです。喜怒哀楽という感情を上手に日々の中で体験していくことで、心が鍛えられていきます。悲しいことがあっても、どうやって乗り越えていくか。乗り越えた時に本当の喜びを感じるものです。ただ楽しいだけでは、喜びは感じられなくなります。怒ること、「怒り」は感情の中ではネガティブな位置づけになりますが、怒りは意欲になる力を持っています。

ほどよい「怒り」は大切です。でも怒ってばかりではやっぱりマイナスになります。喜怒哀楽をコントロールすることが大切になりますね。
チャイルドケアの健康観は、病気を治すというケアではなく、基本的には「かしこい体とじょうぶな心」を作ること。時に病気をして、それを克服することも必要に思います。病気になるととても苦しいし、つらいし、しんどい。でもそれを克服することで、かしこい体が出来て、乗り越えた自信がじょうぶな心を作っていくことにもつながります。

これから自然界にとっては厳しい「冬」がきます。病気もしやすくなります。だからといって家の中ばかりに閉じこもっていてはかしこい体を作ることはできません。冷たい風にあたっても、体を動かして体を温めればはねのけることができます。少し熱が出たり、咳や鼻水が出ることもあるでしょう。でも元気そうにしていれば、しっかり観察して状況をみて、養生できる環境を整えることです。それが本来のホームケアであり、そうやって自然界と上手に付き合っていきながら、体作りをしていくのです。この冬も逞しく過ごしていきましょう。

チャイルドケア共育協会本部講師 松本美佳


▼チャイルドケアライセンス特設サイト
https://childcare-web.jimdosite.com/


▼今日からはじめるチャイルドケア


~Child care~
▼チャイルドケア公式HP
https://www.childcare-jp.com/
▼facebookページはコチラ
https://www.facebook.com/Childcare.official/
▼Twitterでチャイルドケアのお話をほぼ毎日更新中!
https://twitter.com/JAA_childcare
▼ご質問・お問い合わせは下記フォームをご利用ください。
https://www.childcare-jp.com/contact

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?