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誰かこの感情に名前をつけて。

ただ音楽を聴きながら歩いているだけなのに
何度も泣きそうになって
何度も上を向いたり
下を向いたりした。

正直言って
目に見える涙が落ちるのをギリギリ抑えたという事実があるだけで
たぶん

わたしは実質
「泣きながら」歩いていた。

何がこんなに虚しいんだろう。
何がこんなに悲しいんだろう。

望んで別れた相手の家から物を引き取るだけ。
別れを切り出したのは自分。
別れたことに後悔なんてしてない。

なのに何がこんなに虚しいんだろう。

冷静になって整理してみる。

確かに、いまわたしはものすごく疲れている。
身体の疲れはネガティブな感情を生むことが多いから
疲労感でただ訳もなく泣きたくなっているだけかもしれない。

こんなときに「今から飲まない?」って軽く電話できる相手がいたらいいのに、と
画策する自分がいる。
その一方で、
いやいやアナタいま誰かに会ったら100%泣くでしょ、迷惑だからやめときなよ、と
思う自分もいる。
それにアナタいまそんな状態でお酒飲んだら確実に飲みすぎて吐くでしょ、お酒は楽しく飲まなきゃ、と
クールに諭す自分もいる。

わたしのなかには、わたしがたくさんいるんだなぁ。

あぁ。

たぶん、わたしいま寂しいんだ。
過去のわたしを殺すみたいで、嫌なんだ。


なかったことにしたいほど辛い思い出という訳じゃないんだってこと
確かに幸せだった瞬間もここにはあったんだってこと
夫婦としての未来が見えなくなっただけであり憎んで別れた訳じゃないんだってこと
この数年間が間違いだったとは思ってないんだってこと
数年かけてのボタンの掛け違いがこの結果になっただけなんだってこと

それをただただ、誰かに伝えたいんだ。

誰か…?

ほんとはそれを別れた相手に言いたかったのかな。

だけどそれを伝えたときの先方の気持ちを考えたら
なんだかあえて言うのも違うような気がして

だからあとになってこの行き場のない感情が逆流してきたのかもしれない。

または、
他の誰か(とわたしが思っている第三者とか世の中)から
コイツは不幸な結婚をした人間だと思われるのが嫌で、
でもそうじゃないんだと伝えるすべもなくて、

それで虚しい気持ちになっているだけなのか。

う〜ん。
自分のことが、いちばん見えない。

誰かこの感情に名前をつけて。

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