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【第36回】【NHK】矢守副会長(京都大学教授)「一日前プロジェクト」説明

質問 NHKに矢守副会長(京都大学教授)が出演して、内閣府の「一日前プロジェクト」について紹介されたんですか。

概要

 ①NHK明日をまもるナビ 被災前日から考える」に矢守副会長が出演
 ②「被災前日」をテーマに災害を考え、事前の災害に備える重要性
 ③内閣府の「一日前プロジェクト

解説

①NHK「明日をまもるナビ 被災前日から考える」に矢守副会長が出演

 地区防災計画学会副会長である矢守克也京都大学教授が、NHK明日をまもるナビ 被災前日から考える」に出演しました(2022年1月16日NHK総合、1月19日再放送)。

②「被災前日」をテーマに災害を考え、事前の災害に備える重要性

 阪神・淡路大震災から27年が経過したこの時期に、大災害で奪われたものは何か、「被災前日」をテーマに災害について考え、事前の災害への備えの重要性を訴える内容です。 
 兵庫県宝塚市の自宅で被災した経験のあるタレントの間寛平さんが「被災前日」の平和な生活について語っていたほか、女優の高橋ひかるさんが被災者の「被災前日」の幸せだった頃のお話を聞いて涙されていました。
 番組全体として、被災経験のない方が、被災者のお話を聞いて、被災者の気持ちを想像し、災害に対して備える気持ちを新たにすることの重要性を強調していました。
 そして、自分にとって大切なものは何かを発災前に知ること、その大切なものが奪われるかもしれないことを自分の問題として考え、それを守る方法を考えることによって、大災害に備えることが重要である旨を学術的な視点も取り入れて大変丁寧に説明していました。

③内閣府の「一日前プロジェクト」

 なぜ「被災前日」から防災を考えるのでしょうか。
 防災学習をする際には、災害発生後の大変さや苦労を学ぶことが多いのですが、この取組は、被災経験者が「被災前日」を振り返り、それを震災経験のない方に語り継ぐ取組です。
 矢守副会長は、この取組について、「地震のような突然襲ってくる自然災害では、発災まで穏やかな日常を過ごしていた人たちが、平和な生活、かけがえのないものを奪われて、被災者となる場合あります。被災経験のない人も、その被災者の話を聞き、自分が被災した場合を想像してみることで、災害への備えを強化することができます。」と説明されていました。
 そして、このような取組を、被災した経験のない方が行動に移すために参考になる情報として、内閣府が防災情報の広報活動として行っている一日前プロジェクトが紹介されました。このプロジェクトは、被災経験者に対して、災害の1日前に戻れるとしたら何をするかを質問し、その回答を集めた事例集です。
 矢守副会長は、「共感できる事例、真似したい事例を参考に取り組んでいただくといいのではないでしょうか。」とコメントされていました。

参考

 矢守副会長が書かれた「被災地デイズ 時代QUEST」(弘文堂)では、阪神・淡路大震災東日本大震災の経験を踏まえ、近い将来必ず来るとされる南海トラフ地震に際し、何ができるかのシミュレーションができる本です。災害を知り、発災に備えた「想像力」を鍛えるための良書です。



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