社会をつくる力を育てる授業づくり73 狩猟・採集社会と農耕社会を比べるプロジェクト
歴史の学習の第1単元は、「くに」としての我が国の歴史が形づくられるまでの学習です。
狩猟・採集や農耕の生活、古墳、大和朝廷(大和政権)による統一の3つの内容が含まれています。
この3つを、7時間程度で学習するこになります。
これだけでも、かなり長い時期を学習することになりますので、プロジェクトとして学習するには、かなり圧縮して学習しなければならないことになります。
解説の社会編にも書かれているように、授業時数に軽重をつけて、単元構成を工夫する必要があります。
この単元は、米づくりが始まったことにより、国がどのように変化したのかを学習することになっています。
そこで、狩猟・採集社会と、農耕社会、どっちが良いか?プロジェクトとして、考えるプロジェクトにしてみるのはどうでしょうか。
教科書の導入場面では、縄文時代と弥生時代の国の様子が描かれた絵が掲載されています。
こちらの絵をもとに、どちらの時代が良さそうか?を問うところからスタートします。
最初は、感覚で答えて良いと思いますが、そこから、理由を考えていくところが学びになると考えています。
農耕社会の出現により、食料の確保は安定していきますが、それにより争いごとが起こるようになり、大和朝廷による統一が行われるまで、各地で豪族が力を誇示して周りの人々を従えたり、古墳を作るのに多くの人を動員したりしています。
このような社会の状況と、狩猟・採集時代の社会の様子を比較して、どちらが良いかのかを議論し合うプロジェクトになるかと考えられます。
どちらが良いか?ということは、個人の価値観が関わってきますので正解はありませんが、豊かさとは?という普遍的なテーマを考える良いきっかけとなるプロジェクトになるのではないかと考えています。
歴史の学習が、ただ暗記をするのではなく、歴史の学習を通して生活を考える、こうした学ぶ意味のある学習にしていきたいと考えています。
ご参考になれば幸いです。
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