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凹んで、どうする!?

 社会人となったばかりの新人で、仕事中に失敗をして凹み、泣き出し、塞ぎ込む人を多く見かける。

 失敗して精神的に凹んだ人にいつも尋ねるのは、「それで、死にますか?」。質問を受けた本人は、「いいえ、死にません!」。それに対して、「死なないのなら、堂々と前に進めばいい!失敗を恐れるから、上司の叱責にビビるから、凹むんだよ!何事も自然体で!」と諭す。

 昭和の悪しき「叱責のマネジメント」を継承している会社は、想定外に多い。年功序列の名残りである。しかし、今の時代において、「ナンセンス」極まりない指導法としか言えない。何故なら、「叱責のマネジメント」を続けている以上、「忖度」、「依怙贔屓」ばかりが蔓延る、奇妙な企業ピラミッド構造下において、上司と部下、同僚間に「信頼関係」が生まれることはないからだ。

 悪しき「叱責のマネジメント」の特徴は、最終的にはピンポイント「個人攻撃」に突っ走り、それが長年続けられると、攻撃を受け続けた人は精神的に病んでしまい、弱者ばかりが急増する。戦時中の兵隊ではあるまいし、「人格否定」、「人権無視」を伴う罵倒、恫喝は、会社に利益をもたらすこともなく、ただただ恨み、辛みが堆積するばかり。

 会社は多種多様なセクションの集合体で成り立っている。一つのセクションのスタッフは、チーフを筆頭に、若いスタッフが奇妙なピラミッド構造の中に埋め込まれているケースが多い。しかし、ここで重要な事は、各セクションのスタッフたちは、皆「同僚」(フラットな関係)であるという認識を持たねばならない。

 そこで、誰か一人が失敗しても、その失敗をセクションのスタッフ全員の「共有」として、その失敗の原因を穏やかに話し合い、プロセスを振り返り、結果についてしっかりと検証しなければならない。「失敗」で個人攻撃など無用であり、「最高のオポチュニティ(機会)」として皆で共有することで、次のステップに繋げることが重要である。

 更に、全員が「叱責のマネジメント」を排斥し、「称賛のマネジメント」に切り替え、共有し、常に笑顔が絶えない仕事環境創造に傾注すれば、決して、心が病むようなスタッフが溢れてくるはずがない。新人スタッフも、次第に「称賛のマネジメント」を理解し、自然体で実践できるようになれば、次の新人、後輩へ円滑に継承されて行く。

 ペットのワンちゃんでも同じこと。「叱責」を中心に躾を行えば「忖度」に走る。「称賛」を中心に指導すれば、飼い主とワンちゃんの信頼関係は親密なものとなる。

 企業における奇妙なピラミッド構造下で、職位を光らせて威張り腐る低民度の「輩」もいるが、いずれは、「恥ずかしさの境界線」を逸脱した人間として孤立することになる。皆からの信頼が失墜し、「完全無力」と成り下がる。

 畢竟、チーム全員が一丸となって夢ある仕事に取り組み、ミスもチョンボも想定内にて、懐の深さ(寛容さ)をもって、しっかりと人を育てることが重要なポイントとなる。これが、企業における必要不可欠なる「ヒューマンウェア構築」に繋がって行く訳だ。

 つい最近、大失敗をした人に物申したい。「失敗して、凹んで、どうする!?それで、死にますか?」と。

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