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宿の品格が招く客層の差異とその顛末

 先ず、ある小さな旅館についてお話ししたい。その宿は、立地は良いが、インバウンドで訪れる客層が悪さをして困り果てているらしい。

 お膳の箸を盗んだり、部屋は荒らし放題で、最近は、インバウンドの予約を真っ先に拒否している宿もあるという。

 宿の料金が高額なところへは、ある程度民度高き人が集うが、激安低額なところへは、どうしてもお行儀の悪い人が予約を入れがちとなる。

 低額な宿の共通点は、施設が老朽化しており清掃が行き届いていない。また、料理はありきたりの魅力のない料理をサーブしている。そして、小綺麗な部屋が極端に少ないなど。

 100年ほどの歴史があろうとも、長きに亘り、その宿のブランディングを怠ってきたために、上記のような低民度の客がゾロゾロ足を運んでくるのである。

 そこで、何故、ハードウェアの前に、ヒューマンウェアとソフトウェアを改善充実させ、高民度の旅行客の心を揺さぶるイメージ戦略を講じないのか?

 例えば、あるビジネスホテルのセキュリティは穴だらけで、結局、売春の巣窟となりがちな環境の宿があるという。売春婦が外部から簡単に各部屋に侵入しやすいということである。

 ホテルや旅館のブランドは、その経営者の心が反映するものであり、下品な宿であれば、そのオーナーもまた品性に欠ける人物であったり、その逆も真なりとなる。

 昔、全国の温泉街を見回すと、ピンク一色の旅館が立ち並ぶところも少なからず、どうしても、尾籠な風俗の溜まり場であった。

 「旅の恥は掻き捨て」を合言葉に、旅先では悪行三昧に至る輩も多く、悪しき慣習が今も尚続いているのだから、始末に悪い。

 宿もレストランも同じことだが、品格のある宿やレストランには、それなりの高尚な人たちが常連客となり、賑わいを見せている。ところが、劣悪な環境の宿やレストランでは、これまた、それなりにガラの悪い人が多く屯している。

 観光客と宿との間に介在するエージェントによっても、客層はガラリと変わる。よって、危機管理に徹し、自社ブランド向上のため、改革のための創意工夫は重要なファクターである。

 酒が入ると、無礼講にてどんちゃん騒ぎをしては、問題を引き起こす常習犯も数多い。以前、某マスコミの課長ら三人が沖縄に行き、酔った勢いで、女子大生三人組の部屋に籠城し、嫌がらせをしたことがあった。

 勿論、女子大生三人組も脇が甘く、マスコミおじさん三人組は中立公正なるジャーナリズムを脱ぎしてて、暴走している。

 たまたま、その現場に居合わせた筆者。深夜にも関わらず、ホテルロビーにマスコミおじさん三人組を呼び出し、正座をさせて、激しく叱責し、猛省を促した。

 結局、その後、ロビーに女子大生三人組に来てもらい、おじさん三人組が土下座をして事なきを得たのであった。

 このように酒が入ると、理性を無くし、身勝手な蛮行に走る輩もいるが、非常に難しい問題でもある。要は、経営者が高民度にて、魅力ある宿の維持管理をしっかりとしていれば、少なからずとも、客層は次第に高民度へ傾いていく。

 現在、「カスハラ問題」が報道される中で、喧嘩両成敗というように、客だけに原因があるとは言えず、受け皿としての宿側にも不備な点があるはずだ。よって、初手から対峙の関係を作ることなく、旅の良き思い出作りのために、互いにモラルを持って対応すべきが鉄則である。

 「旅の恥は掻き捨て」だけは、さっさと死語にしてもらいたい。


▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイでは、宿の品格が客層にどのような影響を与えるかについての考察が中心となっています。まず、立地が良くても低民度の客が集まる宿が存在する一方で、宿の料金が高ければ、より民度の高い客が集まるという点が強調されています。また、老朽化した宿やサービスの質が低い宿には、行儀の悪い客が多く集まりやすいとの指摘がされています。このエッセイの中で、宿の経営者がどのようにして施設やサービスの改善を行い、品格を高めることができるかという議論が展開されています。

まず、「ヒューマンウェア」と「ソフトウェア」の重要性について言及されています。これは、施設(ハードウェア)の改善以前に、従業員のサービスや宿全体の運営システムを見直すことが先決であるという主張です。宿の経営者が高い品性を持ち、その影響が宿全体に及ぶことで、客層も自然と向上していくという考え方は、非常に納得のいくものです。

一方で、エッセイは現実の問題にも触れており、あるビジネスホテルのセキュリティの欠如が売春などの不正行為を招いているという具体例が挙げられています。これは、宿の管理体制がどれほど重要かを強調する例であり、経営者の品性が宿の品格と直結することを強調しています。

さらに、昔の温泉街や宿の風俗的な側面が取り上げられ、「旅の恥は掻き捨て」という古い慣習が未だに根強く残っていることへの批判が述べられています。ここでは、宿やレストランの品格が客層に直接影響するだけでなく、その地域全体のイメージにも影響を与えることが指摘されています。

最も印象的なのは、筆者自身が過去に目撃した事件についてのエピソードです。酔った勢いで問題を起こしたマスコミ関係者を筆者が直接叱責し、事態を収拾したという話は、宿の管理者や従業員がいかにして客の行動を適切に取り締まるかという視点でも重要です。これは、宿の責任としての「カスハラ問題」にも繋がり、宿側にも問題を引き起こさないような環境作りが求められているという主張がされています。

総じて、このエッセイは宿の品格と経営者の品性、そして宿が提供するサービスや施設の質が、客層に直接的な影響を与えることを多角的に論じています。特に、宿の管理体制の重要性や、客との関係性を如何に良好に保つかという点に焦点が当てられており、客と宿の両方が互いにモラルを持って対応すべきという提案は非常に共感できるものです。「旅の恥は掻き捨て」という考え方を早急に過去のものとし、健全な宿泊体験を促進するための対策が求められているというメッセージが強く伝わってきました。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。