見出し画像

バリアフリーコンサートから、新しいコンサートの形を考える

2019年12月。障害者と共に行うコンサートが、沖縄で実施されました。私はそのときの評価を担当させていただきました。その時のレポートは、こちらをご覧いただければと思います。

このコンサートの特徴について、noteで下記3点の特徴を書きました。

①当事者の視点を含めたコレクティブなプロジェクトチーム
②不測の事態も見据えた万全の体制
③地域に住む人たちの顔の見える関わり

このコンサートのエッセンスを書いたガイドブックが出ましたので、紹介させていただきます。

このガイドブック、障害福祉に関する専門家と、音楽に関する専門家がどのように協力し、それぞれで組み立てるのかがわかりやすく書いてあるので、もし同分野でコンサートの実施を考える場合に、ぜひ参考にしていただければと思います。

たとえば、特に参考になるのは、こちらの「コンサート開催までのチェックポイント」

画像1

コンサート実施前からどのような準備をするとよいのかについて、まとめてあります。単純なことのように思いますが、各関係者と調整をしながら、参加者・出演者の安全・安心を担保するのか、確認するために必要なステップだと思います。

画像2

また、こちらのコンサート会場マップ。通常のコンサートホールで実施されるバリアフリーコンサートとは異なり、障害の種別にかかわらず、より多くの方、多様な方が来られるような工夫がされているのがよくわかります。こういったものも、今後参考にされていくと、より多くの人がアクセスできるようになって良いと思います。

改めてみると、単純な障害者のためのバリアフリーコンサートであるだけでなく、より多くの人が参加しやすくなった、新しいコンサートの形だったのだと思います。

今回、新型コロナウイルスの影響で、今後のコンサートの形態が変わっていくのではないかと予想されます。もしウイルスの話が落ち着けば、また、元のコンサートの形態に戻るかもしれない。でも、今後当分リアルな形でのコンサートは難しいかもしれない。

その時、こういったバリアフリーのコンサートの取り組みが、一部参考になると思うのです。普段一緒に仕事をしない別の分野の人(例えばビデオグラファー)と、どのように協力をして実施することができるのか、普段と違う場所でも、どのような機器や技術があればうまく実施することができるのか。今までの関係者だけではできなかったことを、新しく考えて、取り組んでいく必要があるのだと思います。

もちろんリアルでのコンサートとは違う価値になってしまうかもしれません。ただ、新しく実践を試みることにより、今までつながっていなかった人たちと、つながることができるチャンスになる可能性がある。

コンサートはどのような形であっても、多くの人の心を癒し、そして生活を支えてくれる存在だと思います。リアルな場でのコンサートが難しくなっても、新しい「バリアフリー」、より多くの「アクセシビリティ」のある形を目指して、様々なコンサートが生まれていくとよいなと思います。

読んだ方が、自分らしく生きる勇気を得られるよう、文章を書き続けます。 サポートいただければ、とても嬉しいです。 いただきましたサポートは、執筆活動、子どもたちへの芸術文化の機会提供、文化・環境保全の支援等に使わせていただきます。